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前略、偽善と希望と
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「あぁー、それまだ持ってたんですねぇ」
異世界転生が行われれば、ほぼ確実についてくるもの。
チート、能力、特典、言われは様々だが、何かしらのアドバンテージが得られる。
「うん、使う機会がなかったからね」
あたしも例にもれず、いくつかの特典をもらった。
この世界において、技能の習得に必要なスキルポイント、それも9999という莫大な数値。
1度死ぬまでの間、大幅な身体能力の上昇。
エセ天使への質問権。
そして、大体なんでも叶う券が2枚。
「最後に残ったのがこれでよかったよ」
その中の大半を、もうなくしてしまったけれど、1枚だけ残っている。
本当によかった、これだけは無駄使いしなくて。
「ねぇ天使、率直に聞くけどさ、どこまで叶う?」
「1枚なら学園か命かどちらか、かな」
やっぱり万能だけど万能じゃない、これだけで全てが解決とはいかないか。
あたしの大体何でも叶う券は、最初にあたしの命に使ってしまったので、失った何かを取り戻す事しかできない。
それでも命が救えるならなんでもいい。
「1枚なら……」
リリアンは……なんだろう?
なんでそんな顔をしてるんだろうか。
そんな取り返しのつかない事をした表情を。
「もし、それが2枚あったなら、全てが元通りだったんですね?」
「まぁ、そうなりますね」
「…………」
そうか、あたしはリリアンに殺されて1枚目を失った。
おそらく、嫉妬とよべる感情で。
リリアンはそれを悔やんでいるのか。
「気にしないでよ、1枚目は事故みたいなもんだしさ」
本当に気にする必要はない、リリアンがいなかったらとっくに10枚分くらい死んでる。
もしそれでも気になるなら。
「付き合ってくれる?今度は一緒に無茶しよう」
なんだかんだ1人で戦う事の方が多いけど、あたし1人ではどうにもならないのは事実だ。
「はい、今回は一緒に無茶しましょう」
顔を上げて、同じように返してくれた。
なら、怖いものなしだ。
それからリリアンは、自分の両手の枷を繋ぐ鎖を見ながら考え込んでいる。
なにか思う事があるのだろうけど、あたしにはどうにもならない事だ。
「あの~、話がまとまったところで申し訳ないんですけど~」
んん?まだいたのかエセ天使、もう用はないんだけどなぁ。
「セツナン、私はセツナンが今回首を突っ込むのは反対だな」
なんだなんだ、ようやくあたしとリリアンの考えが一致したのに。
文句があるなら、天使パワーでドラゴンを倒してほしいんだけど。
「それは無理、ふらふら飛んでたらセツナンがまたトラブルしてるなぁ、って来てみれば。また危ない事しようとしててさ」
いつもの事だ。
それにもしかしたら、彼に勘違いさせた責任が、あたしにはあるかもしれない。
「それにさ、次の街で同じような事になったらどうするの?ここだけ救うのは本当に正しいの?」
分からない、分からない。
「それは偽善じゃないの?自分が見たくないもの見ないための逃げじゃないの?」
分からない、分からない、そうかもしれない。
でも偽善というのは嫌いな言葉じゃない、本心からじゃないかもしれない、うわべだけのことかもしれない。
それでも、分からないことづくしでも、今はそれが正しいと思う。
「ここで何もしないのは、あたしの今までの否定になる気がするよ、偽善でもいい、後の事は後で考えるよ」
真っすぐ天使を見て言う。
やはりあたしはそんな生き方をする、時浦刹那はそんな生き物だ。
「私はさ、天使としてじゃなくて、友達としてセツナンが心配だよ。いつもそんなに苦労することないじゃん」
友達……天使はあたしを友達と呼んだ。
あたしと話す時だけ砕けた口調、その声色はあたしを本当に心配していた。
「あたしは友達に恵まれてるね、なら死なない、約束するよ」
もとから死ぬ気はないけど、生きて帰ろう、友達もそう願ってくれてる。
そして諦める選択肢はない、それは憧れから遠のく事だ。
夢を見てからより強く思う、いや思い出した、かな?
「そっか、残念だけどこれ以上は何も言わないよ」
「ありがと、頑張るよ」
よし、頑張ろう、あたしの手の届く……とは言い難いけど手を伸ばしてみよう。
「あ、そうだ」
リリアンと次はなにをしようか、そんな話をしようとしたら、天使が声をかけてくる。
「もう少ししたら炎は消える、何人か生きてるよ」
それだけ伝えて、じゃあね!と飛んでいく天使。
その姿はとても真っ当な天使で、最後に希望のある言葉を残していった。
「行こうか、まだ希望はあるらしい」
炎の方へ向かった、希望を求めて。
異世界転生が行われれば、ほぼ確実についてくるもの。
チート、能力、特典、言われは様々だが、何かしらのアドバンテージが得られる。
「うん、使う機会がなかったからね」
あたしも例にもれず、いくつかの特典をもらった。
この世界において、技能の習得に必要なスキルポイント、それも9999という莫大な数値。
1度死ぬまでの間、大幅な身体能力の上昇。
エセ天使への質問権。
そして、大体なんでも叶う券が2枚。
「最後に残ったのがこれでよかったよ」
その中の大半を、もうなくしてしまったけれど、1枚だけ残っている。
本当によかった、これだけは無駄使いしなくて。
「ねぇ天使、率直に聞くけどさ、どこまで叶う?」
「1枚なら学園か命かどちらか、かな」
やっぱり万能だけど万能じゃない、これだけで全てが解決とはいかないか。
あたしの大体何でも叶う券は、最初にあたしの命に使ってしまったので、失った何かを取り戻す事しかできない。
それでも命が救えるならなんでもいい。
「1枚なら……」
リリアンは……なんだろう?
なんでそんな顔をしてるんだろうか。
そんな取り返しのつかない事をした表情を。
「もし、それが2枚あったなら、全てが元通りだったんですね?」
「まぁ、そうなりますね」
「…………」
そうか、あたしはリリアンに殺されて1枚目を失った。
おそらく、嫉妬とよべる感情で。
リリアンはそれを悔やんでいるのか。
「気にしないでよ、1枚目は事故みたいなもんだしさ」
本当に気にする必要はない、リリアンがいなかったらとっくに10枚分くらい死んでる。
もしそれでも気になるなら。
「付き合ってくれる?今度は一緒に無茶しよう」
なんだかんだ1人で戦う事の方が多いけど、あたし1人ではどうにもならないのは事実だ。
「はい、今回は一緒に無茶しましょう」
顔を上げて、同じように返してくれた。
なら、怖いものなしだ。
それからリリアンは、自分の両手の枷を繋ぐ鎖を見ながら考え込んでいる。
なにか思う事があるのだろうけど、あたしにはどうにもならない事だ。
「あの~、話がまとまったところで申し訳ないんですけど~」
んん?まだいたのかエセ天使、もう用はないんだけどなぁ。
「セツナン、私はセツナンが今回首を突っ込むのは反対だな」
なんだなんだ、ようやくあたしとリリアンの考えが一致したのに。
文句があるなら、天使パワーでドラゴンを倒してほしいんだけど。
「それは無理、ふらふら飛んでたらセツナンがまたトラブルしてるなぁ、って来てみれば。また危ない事しようとしててさ」
いつもの事だ。
それにもしかしたら、彼に勘違いさせた責任が、あたしにはあるかもしれない。
「それにさ、次の街で同じような事になったらどうするの?ここだけ救うのは本当に正しいの?」
分からない、分からない。
「それは偽善じゃないの?自分が見たくないもの見ないための逃げじゃないの?」
分からない、分からない、そうかもしれない。
でも偽善というのは嫌いな言葉じゃない、本心からじゃないかもしれない、うわべだけのことかもしれない。
それでも、分からないことづくしでも、今はそれが正しいと思う。
「ここで何もしないのは、あたしの今までの否定になる気がするよ、偽善でもいい、後の事は後で考えるよ」
真っすぐ天使を見て言う。
やはりあたしはそんな生き方をする、時浦刹那はそんな生き物だ。
「私はさ、天使としてじゃなくて、友達としてセツナンが心配だよ。いつもそんなに苦労することないじゃん」
友達……天使はあたしを友達と呼んだ。
あたしと話す時だけ砕けた口調、その声色はあたしを本当に心配していた。
「あたしは友達に恵まれてるね、なら死なない、約束するよ」
もとから死ぬ気はないけど、生きて帰ろう、友達もそう願ってくれてる。
そして諦める選択肢はない、それは憧れから遠のく事だ。
夢を見てからより強く思う、いや思い出した、かな?
「そっか、残念だけどこれ以上は何も言わないよ」
「ありがと、頑張るよ」
よし、頑張ろう、あたしの手の届く……とは言い難いけど手を伸ばしてみよう。
「あ、そうだ」
リリアンと次はなにをしようか、そんな話をしようとしたら、天使が声をかけてくる。
「もう少ししたら炎は消える、何人か生きてるよ」
それだけ伝えて、じゃあね!と飛んでいく天使。
その姿はとても真っ当な天使で、最後に希望のある言葉を残していった。
「行こうか、まだ希望はあるらしい」
炎の方へ向かった、希望を求めて。
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