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大きいカメさんとケンカしますっ! 多分コレは美味しいですっ!
しおりを挟むで、竪穴式住居で丸まって寝転がっていたその時、私と弟君はバっと同時に飛び起きた。
そして、そそくさと茂みの中に隠れる。
と、いうのも進化してから初の≪ヤバい臭い≫を感じたんだよね。
慌てて私たちは物陰に身を隠して、様子を伺ってみる。
すると、臭いの主はこっちにどんどんと近づいてきて、遂には目視できる距離になった。
端的な感想を言うと――
――デ……デカい亀だ。
サイズ的には今まで見た中でダントツで一番大きい。
背の低い軽トラック……まあ、そんな感じの大きさだろうか。
で、ステータスを見た瞬間に絶句した。
種族:魔獣
レベル:12/20
職業:ヒュージストーンタートル(進化段階4)
HP135/135
MP:0/0
攻撃力:59
防御力:103
敏捷 :2
HPと防御力が……3桁だと……っ!?
私は、数値的な意味で。
弟君は、本能から。
――あまりのヤバさに全力で逃げ出したい衝動に駆られる。
まあ、幸いなことに敏捷性が皆無に近い。
逃げようと思えばいくらでもいけるだろう。
で、弟君が撤退許可を求めて涙目になっているんだけど、そこで私は「むしろ丁度良い実験材料なのでは?」と思ったんだ。
と、いうのも、私はゴブリンの洞窟から出た直後から新たな戦術を練っているんだよね。
準備に時間がかかったんだけど、狩りの合間に≪良さげなのを回収して≫仕込みも完了しているんだ。
相手は圧倒的なHPと防御力。
そして危険になったらすぐに逃げることのできる亀……。
うん、そうだね、これ以上の実験材料には簡単にはお目にかかれないだろう。
そして私は「逃げようよ姉さん!」とビビりまくっている弟君を横目に、巨大亀へ向けて歩を進めたのだった。
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