主人公の幼馴染みの俺だが、俺自身は振られまくる

希望

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やはり見られると調子がよくなる

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 「それじゃ兄の相棒として、これからもよろしくお願いします」

 「ああ、任せろ。こいつをチームのエースにしてやる」

 なぜか意気投合した優花と礼治はそんな約束をしていた。エースはさすがに時間がかかると思うんだが。それだけ上の世代はエースと呼ばれている人はレベルが高い。ベンチ入りは難しくないんだがな。チームの中心となると、かなりの強みを持っていなきゃならない。

 「それじゃお兄ちゃんはブルペンに入るんでしょ。後ろから見てるよ」

 「他の人を見たりして、勘違いさせないようにな」

 男なんて、自分を見てくれると思ったら、好きになっちゃう生き物だからな。モテない男なら尚更だ。うちのピッチャーはモテたいとモテたいと思っているやつが多いから、勘違いをしやすい。

 「え?そんなに単純な人多いの?」

 「美少女が大体義孝のことが好きだから、相手にされないやつが多いんだよ。そこへまだ義孝の影が付きまとってない優花は狙われやすいんだ。元々チャラいやつも多いし、ストレスたまっているやつも多いんだ」

 「あーまぁ義孝さんなら納得だね。あのモテ具合はその辺のイケメンよりもすごいし。みんな美少女っていうおまけ付きで。さらに義孝さんは人柄もいいからね」

 主人公はほんと侮れない。どんなイベントでも好意を持たしてしまうんだから。まぁモテるやつはモテるやつの辛さもあるんだろうけど。相手のことを振らなきゃいけないからな。そして美少女の方も振る側の気持ちが分かるから、会えて告白もあまりしないんだろう。

 「そうだな。それじゃ俺はブルペンに入るわ」

 「もう休憩はいいのか?」

 「大丈夫だ。んじゃ全力で投げさせてもらうか」

 俺達はブルペンに行くと、俺はマウンドに向かう。そこでプレーとのところを掘ったりして慣らしてから、投げ始めた。最初はホームを確認するように投げた。やがて礼治が座ると、俺はストレートを投げた。礼治の構えたコースに糸を通すようにいった。

 「ナイスボール。次はスライダーだな」

 「分かったよ」

 今日は球速も伸びも申し分ないな。この調子で夏までに仕上げるか。俺は腕を斜めに捻るようにストレートと同じ振りで投げた。するとぐぐっと曲がった。なかなか切れのあるスライダーがいったな。これなら空振りも取れそうだ。それからカットボールやスプリットを投げた。どの球も変化量が多く調子がいいようだ。優花もうなずいている。
 
 そしてある程度投げて、ピッチングは終わった。その後、坂道ダッシュをする前に飲み物の置いてある場所に来た。すると優花が飲み物を渡してきた。

 「マッカンだよー。疲れた後はこれに限るよねー」

 さすが優花は俺のことをよく分かってらっしゃる。マッカンほど疲れたときに飲む飲み物で美味しいものはない。

 「ありがとな。ぷはぁー。ヤッパリこの脳に染み渡る甘さは最高だな。これこそ神の飲み物。千葉県が誇る究極の飲み物だ」
 
 「それめちゃくちゃ練乳入ってるから、飲みすぎるなよ。糖尿病になるぞ」

 「分かってるよ。疲れたときと昼にしか飲んでないからな」

 まぁ勉強中はペットボトルの方は飲んでいるが。だけどできるだけ飲みすぎないようにはしている。一日に制限した方が、このために頑張ったという感じになるからな。

 「それならいいが、それじゃ走り込みだよな。それなら俺はバッティング練習してくるわ。それじゃまた実践練習でな」

 そう言って礼治はバットを持って、バッティング練習をしに行った。俺はマッカンを一気に飲み干して、近くにある坂道に向かおうとすると、先輩が優花に話しかけていた。

 「ねぇー君可愛いね。ここじゃ見ない制服だけど、すごい似合っているよ。よかったら部活終わりに俺一緒にどこか行かない?」

 「結構です。それにお兄ちゃんと帰るので、ヤるだけしか目的のない猿には興味ありません」

 辛辣だな。まぁこの学校に来てからナンパをめちゃくちゃされたら、そうなるか。それじゃ助けに入るかね。お兄ちゃんの前で、ナンパするやつにはちょっと恐怖を抱いてもらうか。

 「人の妹に手を出さないでください。あまりに過ぎると捻り潰すぞ」

 俺は目を腐らせながら、睨んで言った。すると先輩達はヒッと悲鳴を上げた。これを使うと、大体の男はびびるからな。目を腐らせて、睨んだらヤクザそのものだからな。

 先輩達は俺と分からずにごめんなさいと言って去っていった。 

 「さすがお兄ちゃんちょっとドキッと来たよ」
 
「そんなにいいかこれ。それとこの程度で怯むなら最初から、ナンパしてくるなよ」

この程度で威圧でビビるなら、そこら辺の不良をナンパしたら、終わりだ。まぁただモテたいだけだから、その程度なんだろうが。楓はそう簡単に渡さないぞ。楓が好きになったら話しは別だが。

「お兄ちゃんの威圧はヤクザ並みだからね。その辺の男達なら、耐えられないよ」

「それじゃ俺は走り込み行くが、一緒に来るか?」
 
「うん行くよー。タイム計ろうか?」

「ああ、よろしくな」

俺達は近くの坂に移動した。距離は短すぎず遠すぎずだ。このくらいがちょうどいいからな。下半身鍛えるには。


 
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