主人公の幼馴染みの俺だが、俺自身は振られまくる

希望

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見られているとやるが昂ってくる

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俺は坂を全速力で、駆け上がった。それを何本か繰り返して、そのたんびにタイムを優花に計ってもらっている。何本か繰り返していると、下半身が張っているのが分かる。今は走り込みはい見ないと言われているが、ピッチャーはやはり下半身の粘りやスタミナをつけるには、やはり走り込みが一番だと思う。長距離を走るのも下半身を強化するのに向いているものだ。  
「ふぅーこんなもんでいいか」

二十本近くは走ったので、後は家で長距離を走ればいいだけだ。そして持ってきていたアクエリを飲んだ。これでもっと球速が上がると思うと、やった感がでるな。

「中学生のときより速くなっているね」

「そりゃ毎日坂道ダッシュしてるからな」

努力は惜しまない、努力は裏切るときもあるが、努力しなきゃ成功することもできないからな。ピッチャーは地道な努力が実を結ぶポディションだ。だから俺はこつこつと走り込みをする。

「それじゃ休憩入るわ、次は実践登板だから、楽しみにしておいてくれ」

全力投球で打ち取ってやる。三振の山を築いてな。今日の変化球はいつもよりキレがあるから、いくらでも三振を取れるだろう。夏にはもっと調子を上げる予定だが。

「うん楽しみにしてるよー」

俺はリュックが置いてある場所に着くと、キャラメルを食べた。やっぱり疲れた後は甘いものに限る。そして再びアクエリを飲んだ。水分はまめに取らないと、スポーツをやっているなら、ぶっ倒れる可能性があるからな。ついでに家から持ってきたレモンも食べる。酸っぱくて、美味しいな。レモンも運動したときにはいいと聞いたことがあるから持ってきている。

指して実践が始まった。俺は二番目に投げるので、ブルペンで投げていた。肩を暖めなきゃいけないからだ。さっき肩を暖めたと言っても、もう冷えているだろうしな。だがプルペンでは軽く投げることしかしない。スタミナを使い果たしちゃうからな。

そして一巡をして、俺の投げるときが回ってきた。俺は肩甲骨を軽くほぐしてから、マウンドに上がった。 
相手は一番を打っているバッターだ。得意の球はインコースだ。だからアウトコースを中心に攻める。礼治もそれを分かっているのか、アウトコースにスライダーを要求してきた。要求されたスライダーは高速スライダーで、ストレートと大体同じ早さで、真ん中付近から、アウトコース一杯に曲がる球だ。俺はもうひとつ違う種類のスライダーを投げれる。もうひとつはぐんと曲がってインコースからアウトコースに大きく曲がるスライダーだ。

俺は足を上げて、左足を斜めに着地して、体を思いっきり捻って投げた。するときゅっと曲がって、空振りをして、アウトコースに決まった。やっぱり実践でも空振りを取れるな。その後はアウトコースを中心に投げて、追い込んだ。カウントはツーストライクツーボールだ。次はスプリットか。

俺は肘からだして、そこから切るように腕を振って投げた。するとボールは打者の目の前で落ちて、空振り三振を取った。それから合計六人に投げて、ヒット性の当たりは一本もなかった。

投げ終わってから、汗を脱ぐって、マウンドを降りた。何か汗を脱ぐっていながら、戻ってくるのってかっこいいよな。イケメンになった気分だ。これが甲子園で騒がれるスターの気分か。なかなかいい気分だ。キャッチャーは交代して、礼治がやってきた。

「なかなかいい球きてたぞ。これなら再来週の試合で投げれるんじゃないか?」

「そうだな、今週の試合は投げることは決まっているが、再来週は決まってないが、これなら投げれるだろう。後はテスト週間で鈍らないように投げ込みをしておくわ。再来週の試合は重要だからな」

たぶん投げるとしたら、短いイニングだろうが、そこで結果がでればベンチ入りも見えてくる。きっとそれなら礼治もベンチ入りするだろう。相性的に一番いいのは礼治だし。

「それがいいな。それじゃ俺は柔軟しに行くが、一緒にやるか?」

「ああ、柔軟は大切だし一緒にするわ」

間だみんなバッティングをやっているが、俺たちの役目は終えたので、俺たちは外周を軽く回ってから、邪魔にならないところで柔軟をし始めた。間接が柔らかいと、どんなスポーツも有利になる。

俺はそう思いながら、股関節などを重点的にする。背中を押してもらって、柔軟は終わった。

俺はリュックが置いてある場所に戻ってきた。そしてアクエリをを飲んだ後、バックネット裏で他の人のバッティングを見ていた。やっぱりこのチームの弱点は攻撃だな。速い球についていけてない。

「それでどう思うよ。弱点は」

礼治が隣に座って、バッティングをジーと見ながら言った。

「やっぱりバッティングだろうな。無駄が多いから、最短距離で、バットがでてないから、速い直球に対応できてない。これじゃ強豪校に当たったとき打てないぞ」

まぁその分変化球は得意なんだが。弱点を見つけられたら終わる。何か対策をした方がいいと思うが、俺みたいな一年が言っても言うことを聞いてはくれないだろう。どうするかね。

「やっぱりそうだよなぁー。先輩達が言うこと聞いてくれるかどうかだよな」

「だが俺達の一個上の代は直球打てるし、今年の秋季大会に期待をするしかないな。それにこの代は才能がある部員が揃ってるしな」

「それじゃ夏は諦めるしかないか。やっぱりどっかのタイミングで甲子園に行きたいな」

優花が入ってくるときには強豪校にしたいものだ。甲子園でピッチングしてるところを見せたいし。
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