ステータス表記を変えて貰ったら初期設定に戻ってたー女神公認のハーレム漫遊記ー

ささやん

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1章 異世界で生活を始める

11話 無力な男である事を悔やむ

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 俺は森を駆けながら探査の表示の変化がないかと確認していた。すると10匹以上からまた合流したのか、獣人の女性を挟撃するよう増員された。

 挟まれた事に気付いた獣人の女性が横に逃げるのが探査が示す。

 ちぃ! そっちは俺が居る方向とは逆方向だ!

 間が悪いと舌打ちしつつも加速しようと思うが既に一杯一杯だ。

 合流したゴブリンは30匹はいそうで、この調子だとまだ増えるかもしれない。

 間に合うのか……あっ、そうか!


 身体強化Lv2


 全開で走っていたのに一気に余裕ができ、更に加速をかかる。

 これでなんとか間に合うか。しかし、間に合ったところで最低30匹のゴブリンを相手に出来るか?

 何かを強化したいが残るスキルポイントは1……くそう、真面目に巨根と精力増大なんて取ってる場合じゃなかった!

 ピコン

 なんだ!?


 スキルポイント取得倍増


 こ、これは枯渇してるスキルポイントが貰えるのかっ! 勿論、イエスだイエス!!


 椎名 (シーナ) Lv1

 HP:15(150) MP:30(300)

 ちから:11(55) みのまもり:7(35)
 きようさ:20 すばやさ:12(60)
 かしこさ:25 うん:3
 スキルポイント:0

 スキル:剣術Lv1 盾術Lv1 身体強化Lv2

     雷魔法Lv1 回復魔法Lv1 探査Lv1

     共通語 解体 危険探知

     巨根 精力増大 スキルポイント取得倍増


 増えてねぇぇぇ!!

 あっ、良く見たら『スキルポイント取得倍増』、貰えるポイントが増えるって意味だぁぁ!!

 仕方がねぇ! 今ある手持ちでやるしか……

 そうこうしている内に後、少しで追いつくという所で獣人の女性の動きがピタリと止まり、ゴブリンが密集する。

 ヤベッ、間に合わなかったか!

 それでも必死に走り、草藪から飛び出すとそのゴブリンの集団にビビって足が止まりそうになる。

 怯むな、俺。終わったらション便ちびろうが気絶していいからっ!

 自分にそう言い聞かせて手近なゴブリンの背を一刀で切り裂く。

 ギャギャギャアアアア!!

 ゴブリンの断末魔と共に

 チィローン

 なんだ、この音……レベルが上がったのか! ステータスを……

 確認しようと思ったがその場にいるゴブリンが一斉に俺に向く。

 見てる余裕ねぇ!

 武器を構えるゴブリンに怯みそうになるを腹に力を入れる。

 俺が強かったら、勇者のようにみるみる強くなれたビビらずに済んだのか……

 ピコン

 成長促進

 意識せずにスキルが取得される。

 襲いかかってくるゴブリンに突進して3匹を一刀で真っ二つにするがその倍の数の斬りかかられる。

 多少はバックラーや防具が防いでくれるが斬られて血が流れる。

 俺は自分の胸に手を当てて

「プチヒール! 続けて、サンダーボール!!!」

 胸に当ててた手をゴブリンに向ける。俺が放った魔法でゴブリンが薙ぎ払われるがまだまだいるゴブリンに袋叩きに遭う。

「チィローン、チィローンってうるせぇ! プチヒール、プチヒール、プチヒール、くそう! 追い付かない、HP,MPが切れるのが先か!!」

 ピコン、ピコン

 HP自動回復 MP自動回復

 イエス、イエス、何でもイエスだ。ついでに回復魔法のレベルを……ああ、面倒だ連打だ! おまけに他のも連打!

「ハイヒール! 負けてられるかっ!」

 剣でバックラーを叩く。

 ピコン

 挑発

「かかってこいや、ゴブ野郎!!」

 そう叫んだと同時に俺の体から淡い光が発する。その光に誘われるように全てのゴブリンが俺に引き付けられる。

 引き付けられた動きで道ができ、その先で全裸の女性、探査で引っ掛かってた獣人の女性らしき姿を捉える。

 突っ切るっ!

 開いた道を突っ走りながらゴブリンを切り裂いていく。

 獣人の女性の下に辿りつくと背で庇う形でバックラーを構える。

 豊かな胸を上下させて荒い息を吐いていて、ちゃんと生きているようだが意識はなさそうである。

 顔中、血だらけだから死んでるかと一瞬思ったぞ!

 俺はギリギリ間に合ったと安堵したが慌ててハイヒールを唱える。獣人の女性の呼吸も落ち着く。

「後はてめぇ等を始末したら終わりだ!」

 にじり寄るゴブリンに俺はサンダ―レインを放ち、それからあぶれたゴブリンを始末すべく剣を振るった。



 それからどう戦ったかは正直、覚えてないが気付けば見渡す限り、ゴブリンの死体だらけになっていた。

 凄まじい睡魔に襲われた俺であるがこんなところで寝たらヤバいし、休んでて増援が来ても同じと気合いを入れて自分を奮い立たせる。

「女の子を裸で放置する訳にはいかないしな……」

 規則正しい呼吸をしている様子から命の心配はないようだ。

 何の獣人なんだろう、なんとなく犬っぽいけど……

 そんな事を考えているとクラっとふらつきそうになる。

 こんなことしてる場合じゃないな、汚いけど勘弁してな?

 血まみれになっている外套で体を包む。近くに顔を寄せた時に見て思う。

 女性と表現していたが、実は胸が豊かだから年上かと勘違いしたが年下のような気がする。寝ている表情が幼く見えるだけかもしれないが。

 疲労で頭が回ってないせいか、今、考える必要のないことばかり考える自分もヤバいな、と思う。

「急いで帰ろう」

 少女をおんぶして抱えると歩き始める。

「あっ、一部だけ極限に元気になった」

 背中を圧迫する少女の胸が俺が生きていると認識させてくれる。主にマイサンが示してくれた。

 戦いの後、変に興奮するって聞いた事あるな……生きててこそだよな。

 そんな事を考えて言い訳を考える辺り、意外と俺は平気かもとヘッと苦笑いを浮かべた。



 探査を使ってゴブリンは勿論、モンスターを避けながら俺はプリットに戻ってきた。

 城門に近づくとザンとパメラが俺の様子がおかしい事に気付いて駆け寄り、近くにきて俺の状態に気付いて目を見開く。

「に、兄ちゃん、どうした。血まみれだぞ? その背中の子は?」

 慌てるザンと顔を真っ青に俺に触れるべきかどうするか手を宙で彷徨わせる。

 あははっ、力なく笑う俺はふらつき、膝から崩れながら意識を手から離れて行くのに抗いながら言う。

「わ、わりぃ、オッサン、説明は今度で……女の子をた、の……」

 最後まで言い切れずに俺は意識を失った。
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