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#side ルークフォン ~初恋の人を求めて~
初恋の足音
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「こちらがフローラ嬢の控え室です。茶会の準備が整うまでの暫しの間、この部屋をお使い下さい。」
「有難うございます、殿下。」
この王宮内で一位二位を争う主賓室を用意したにも関わらず・・・彼女はまるで興味が無いらしい。
てっきり・・・『殿下、私の為に!ありがとうございますぅ!』と擦り寄って来ると思っていたのだが・・・彼女は部屋に入るや否や、さっさと私の腕から手を離しソファーへと腰掛けてしまった。
「良い茶葉を用意したのですが、如何ですか?」
本当ならば、彼女をこの部屋に案内したら私室まで戻り、少しでも公務を進めようと思っていたのだが・・・。
このまま茶会へ行くのは危険だと、自分の本能が警鐘を鳴らしているので、素直に従う事にした。
「ーえ?えぇ、頂きますわ。」
(・・・・・・?何をそんなに驚いているのだ?私が紅茶を勧めた事がそんなに驚く事なのか?)
彼女の返事を聞いた俺は、不思議に思いながらもメイドに合図を送り、紅茶の準備に取り掛からせた。
「殿下、私はここで大人しくしておきますから、お迎えに来て頂けたら宜しいのですよ?お忙しい事は私も存じておりますから・・・お気になさらずどうぞ行って下さいませね?」
(・・・・・・え?怒っている・・・?何故だ・・・?)
顔こそ笑顔だが・・・その言い方には棘が有り、何なら目も笑っていない。口角が上がっているだけだ。
数ヶ月前に会った時には、手に取るように分かった彼女の心情や行動が・・・今日は全く分からなくなってしまった・・・。
大切な茶会が迫っているという焦りも有り、俺はもう直球勝負を仕掛ける。
「フローラ嬢・・・、何だか雰囲気が変わりましたね?何か有りましたか・・・?」
「本日の茶会に緊張しているだけですわ。」
(絶っっっっ対に、嘘だろ!それ!!!)
「なら良いのですが・・・」
その返答が嘘だと分かっては居ても、彼女にそう言われてしまえば、私が出来る返答はこれ一択しか無かった。
彼女が紅茶に手を伸ばす様子を見て、自分も紅茶を口に運ぶ・・・。
これは、本日の茶会の為にサイラスに用意させたとっておきだ。
(ふむ、確かに他を寄せ付けない香り高い紅茶だな・・・!彼女は紅茶やハーブティーが好きだからな・・・、これで少しでも機嫌が良くなればいいのだが・・・。)
そう思いながら、チラリと彼女の方を見ると何故か機嫌が益々悪くなっており、背後にメラメラと燃ゆる炎すら見えた・・・。
(何故だ・・・!どうしたと言うのだ・・・?!)
もう何をしても彼女の機嫌を損ねるだけだと思い、俺はこの国に伝わる古の諺に自分の茶会の命運を託した。
(触らぬ女神に祟なし・・・もう構うのは良そう。)
紅茶を飲み終えたらやはり私室に戻るかな・・・と考えていると、彼女は何故か雑にカップをソーサーに戻すと、ソファーから立ち上がり俺の近くまでやって来た。
「そうそう!お礼が遅くなってしまい申し訳ありません、殿下。この様な素敵なドレスを頂きまして・・・、私、とても気に入ったので、早速、着て来てしまいましたわ!」
(・・・ん?何だ、やはり俺の気のせいだったのか?いつものフローラ嬢に戻った感じだな・・・わざとらしく、贈り物を見せびらかすなど・・・。)
「そうか・・・。それは、良かったです。」
触らぬ女神に何とやらだ・・・。と自分に言い聞かせ、チラリとだけ見て適当にあしらっておいた。
そもそも、そのドレスは俺が選んだ物ではなく、サイラスが俺に許可だけ取って送ったもので・・・思い入れもクソも無いのだ。
感想を求められても何と答えたら良いのかも含め、俺は分からん!
「特にこのお色がとても気に入っていて・・・珍しいお色なので、もしや他の令嬢と被らない様にと殿下が気遣って下さったのでは?」
「まぁ・・・そうですね。」
そうか・・・次は色と来たか。
かつてのフローラ以外は女だと思っていないのでな・・・。
ましてや他の令嬢の事など知る訳がない。
よって、分からん!
「殿下、今日のドレス如何ですか・・・?似合ってますよね?そうですよねぇ?」
(何だ・・・今日はやけにしつこーーー?!)
思わず〝目を合わせては行けない!〟と本能的に察知してしまい、顔を背けてしまった・・・。
何故かは分からないが・・・彼女は先程までのキャピキャピした様子の欠片も無く、黒いオーラを纏いながら有無を言わさない刺すような視線を私に向けていたのだ・・・。
「へっ?!あぁ!・・・とてもお似合」
「きちんと!!見て頂けます?」
〝適当な相槌など許さない!〟と言いたげな、鬼気迫る彼女にギロリと睨まれた私は・・・目の前に差し出された手を取り、ソファーからすぐに立ち上がった。
ダンスの要領で彼女がゆっくりとターンをすると、最早これが正解かどうかも分からないが・・・一先ずリクエストに応えておく。
「とっとてもお似合いです。フローラ嬢・・・」
「有難うございます、殿下。・・・髪型とアクセサリーはどうですか?このドレスに合わせて、それはもう・・・何日も前から頭を悩ませましたの・・・!」
(ドレスで終わらないのかよ・・・っ!!)
どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・!
これ以上機嫌を損ねる訳には行かないぞ!俺!
しっかり見るんだ!しっかり!ヒントはある筈だ・・・!
自信げに俺を見つめるキラキラした瞳に、腰に手を当てて姿を見せ付けている・・・。慎ましさの欠片も無い、公爵令嬢とは思えぬ態度だ。
まるで、フローラだな・・・。
その瞳には、以前まで宿っていた翳りは無く、何処までも吸い込まれそうな程に澄んでいる。
綺麗だ・・・。とても・・・。
(ーーーって!!違う違う!髪型とアクセサリーについて言わねばならんのだ!・・・・・・っ、分からん!何と言えば喜んでくれるのだ!!)
あまり言葉を詰まらせるのも失礼に当たると思い、俺はいつも使っている定型文を引用する他なかった。
「フローラ嬢らしさが出ていて、とても良いと思います・・・。」
ガクッとずっこけるフリをした彼女の様子を見るからに、間違いなく外してしまった様だ・・・。
(あぁ・・・なんて事だ・・・!またフローラにきちんと伝える事が出来なかった・・・。)
そこまで考えると・・・自分で自分の言葉にひっかかってしまう・・・・・・。
『また』?
またって何だ?
俺が恋焦がれていた・・・愛しいフローラはもう彼女の中には居ないと・・・この一年間で嫌という程味わって来た筈なのに・・・
先程から鳴り止まぬこの心臓の音と強まる鼓動は何だ・・・?
これでは、まるで・・・・・・
「・・・・・・可愛いですか?」
「へ?」
「今日の私、殿下から見て・・・その、可愛いですか?どうですか?」
そうか・・・。
〝可愛い〟が正解だったのか・・・。
そんな一言を俺から引き出したくて、今の今まで百面相していたのかと思うと、途端に目の前の女性が愛しく感じた。
(いつもの彼女なら・・・普通に上目遣いでねっとりと「可愛いですか?」位、聞きそうなものだが・・・)
どうやらフローラは相当恥ずかしいらしく・・・自分で聞いておきながら、見る見る顔が赤くなっていっていた。
その様子はまるで・・・模造刀を携えていた頃のフローラの様で思わず笑みが溢れ出してしまう。
「勿論、初めて会った時から・・・貴女はとても可愛らしいですよ・・・?」
そう君はーーー、
男だと見間違う様な短髪の時も・・・
模造刀を携えて『騎士になる!』と夢を語っていた時も・・・
俺の手を引いてくれた時も・・・
とても可愛かったんだよ、フローラ・・・。
すると彼女は・・・自分から強請っておきながら、顔から火が出るのでは無いか?と心配になる位に真っ赤になってしまい・・・
返事もせずに顔を必死に仰ぎながら、ソファーへと戻ったもんだから、俺は思わず笑ってしまったーーー。
「有難うございます、殿下。」
この王宮内で一位二位を争う主賓室を用意したにも関わらず・・・彼女はまるで興味が無いらしい。
てっきり・・・『殿下、私の為に!ありがとうございますぅ!』と擦り寄って来ると思っていたのだが・・・彼女は部屋に入るや否や、さっさと私の腕から手を離しソファーへと腰掛けてしまった。
「良い茶葉を用意したのですが、如何ですか?」
本当ならば、彼女をこの部屋に案内したら私室まで戻り、少しでも公務を進めようと思っていたのだが・・・。
このまま茶会へ行くのは危険だと、自分の本能が警鐘を鳴らしているので、素直に従う事にした。
「ーえ?えぇ、頂きますわ。」
(・・・・・・?何をそんなに驚いているのだ?私が紅茶を勧めた事がそんなに驚く事なのか?)
彼女の返事を聞いた俺は、不思議に思いながらもメイドに合図を送り、紅茶の準備に取り掛からせた。
「殿下、私はここで大人しくしておきますから、お迎えに来て頂けたら宜しいのですよ?お忙しい事は私も存じておりますから・・・お気になさらずどうぞ行って下さいませね?」
(・・・・・・え?怒っている・・・?何故だ・・・?)
顔こそ笑顔だが・・・その言い方には棘が有り、何なら目も笑っていない。口角が上がっているだけだ。
数ヶ月前に会った時には、手に取るように分かった彼女の心情や行動が・・・今日は全く分からなくなってしまった・・・。
大切な茶会が迫っているという焦りも有り、俺はもう直球勝負を仕掛ける。
「フローラ嬢・・・、何だか雰囲気が変わりましたね?何か有りましたか・・・?」
「本日の茶会に緊張しているだけですわ。」
(絶っっっっ対に、嘘だろ!それ!!!)
「なら良いのですが・・・」
その返答が嘘だと分かっては居ても、彼女にそう言われてしまえば、私が出来る返答はこれ一択しか無かった。
彼女が紅茶に手を伸ばす様子を見て、自分も紅茶を口に運ぶ・・・。
これは、本日の茶会の為にサイラスに用意させたとっておきだ。
(ふむ、確かに他を寄せ付けない香り高い紅茶だな・・・!彼女は紅茶やハーブティーが好きだからな・・・、これで少しでも機嫌が良くなればいいのだが・・・。)
そう思いながら、チラリと彼女の方を見ると何故か機嫌が益々悪くなっており、背後にメラメラと燃ゆる炎すら見えた・・・。
(何故だ・・・!どうしたと言うのだ・・・?!)
もう何をしても彼女の機嫌を損ねるだけだと思い、俺はこの国に伝わる古の諺に自分の茶会の命運を託した。
(触らぬ女神に祟なし・・・もう構うのは良そう。)
紅茶を飲み終えたらやはり私室に戻るかな・・・と考えていると、彼女は何故か雑にカップをソーサーに戻すと、ソファーから立ち上がり俺の近くまでやって来た。
「そうそう!お礼が遅くなってしまい申し訳ありません、殿下。この様な素敵なドレスを頂きまして・・・、私、とても気に入ったので、早速、着て来てしまいましたわ!」
(・・・ん?何だ、やはり俺の気のせいだったのか?いつものフローラ嬢に戻った感じだな・・・わざとらしく、贈り物を見せびらかすなど・・・。)
「そうか・・・。それは、良かったです。」
触らぬ女神に何とやらだ・・・。と自分に言い聞かせ、チラリとだけ見て適当にあしらっておいた。
そもそも、そのドレスは俺が選んだ物ではなく、サイラスが俺に許可だけ取って送ったもので・・・思い入れもクソも無いのだ。
感想を求められても何と答えたら良いのかも含め、俺は分からん!
「特にこのお色がとても気に入っていて・・・珍しいお色なので、もしや他の令嬢と被らない様にと殿下が気遣って下さったのでは?」
「まぁ・・・そうですね。」
そうか・・・次は色と来たか。
かつてのフローラ以外は女だと思っていないのでな・・・。
ましてや他の令嬢の事など知る訳がない。
よって、分からん!
「殿下、今日のドレス如何ですか・・・?似合ってますよね?そうですよねぇ?」
(何だ・・・今日はやけにしつこーーー?!)
思わず〝目を合わせては行けない!〟と本能的に察知してしまい、顔を背けてしまった・・・。
何故かは分からないが・・・彼女は先程までのキャピキャピした様子の欠片も無く、黒いオーラを纏いながら有無を言わさない刺すような視線を私に向けていたのだ・・・。
「へっ?!あぁ!・・・とてもお似合」
「きちんと!!見て頂けます?」
〝適当な相槌など許さない!〟と言いたげな、鬼気迫る彼女にギロリと睨まれた私は・・・目の前に差し出された手を取り、ソファーからすぐに立ち上がった。
ダンスの要領で彼女がゆっくりとターンをすると、最早これが正解かどうかも分からないが・・・一先ずリクエストに応えておく。
「とっとてもお似合いです。フローラ嬢・・・」
「有難うございます、殿下。・・・髪型とアクセサリーはどうですか?このドレスに合わせて、それはもう・・・何日も前から頭を悩ませましたの・・・!」
(ドレスで終わらないのかよ・・・っ!!)
どうしよう、どうしよう、どうしよう・・・!
これ以上機嫌を損ねる訳には行かないぞ!俺!
しっかり見るんだ!しっかり!ヒントはある筈だ・・・!
自信げに俺を見つめるキラキラした瞳に、腰に手を当てて姿を見せ付けている・・・。慎ましさの欠片も無い、公爵令嬢とは思えぬ態度だ。
まるで、フローラだな・・・。
その瞳には、以前まで宿っていた翳りは無く、何処までも吸い込まれそうな程に澄んでいる。
綺麗だ・・・。とても・・・。
(ーーーって!!違う違う!髪型とアクセサリーについて言わねばならんのだ!・・・・・・っ、分からん!何と言えば喜んでくれるのだ!!)
あまり言葉を詰まらせるのも失礼に当たると思い、俺はいつも使っている定型文を引用する他なかった。
「フローラ嬢らしさが出ていて、とても良いと思います・・・。」
ガクッとずっこけるフリをした彼女の様子を見るからに、間違いなく外してしまった様だ・・・。
(あぁ・・・なんて事だ・・・!またフローラにきちんと伝える事が出来なかった・・・。)
そこまで考えると・・・自分で自分の言葉にひっかかってしまう・・・・・・。
『また』?
またって何だ?
俺が恋焦がれていた・・・愛しいフローラはもう彼女の中には居ないと・・・この一年間で嫌という程味わって来た筈なのに・・・
先程から鳴り止まぬこの心臓の音と強まる鼓動は何だ・・・?
これでは、まるで・・・・・・
「・・・・・・可愛いですか?」
「へ?」
「今日の私、殿下から見て・・・その、可愛いですか?どうですか?」
そうか・・・。
〝可愛い〟が正解だったのか・・・。
そんな一言を俺から引き出したくて、今の今まで百面相していたのかと思うと、途端に目の前の女性が愛しく感じた。
(いつもの彼女なら・・・普通に上目遣いでねっとりと「可愛いですか?」位、聞きそうなものだが・・・)
どうやらフローラは相当恥ずかしいらしく・・・自分で聞いておきながら、見る見る顔が赤くなっていっていた。
その様子はまるで・・・模造刀を携えていた頃のフローラの様で思わず笑みが溢れ出してしまう。
「勿論、初めて会った時から・・・貴女はとても可愛らしいですよ・・・?」
そう君はーーー、
男だと見間違う様な短髪の時も・・・
模造刀を携えて『騎士になる!』と夢を語っていた時も・・・
俺の手を引いてくれた時も・・・
とても可愛かったんだよ、フローラ・・・。
すると彼女は・・・自分から強請っておきながら、顔から火が出るのでは無いか?と心配になる位に真っ赤になってしまい・・・
返事もせずに顔を必死に仰ぎながら、ソファーへと戻ったもんだから、俺は思わず笑ってしまったーーー。
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