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第一章「生き血をすするまで」
九品目 ラミアのハンバーグ2
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「その通りです!」
初老の男性はニヤリと笑う。
「あなた方にはこちらが支払った労力に見合うだけの、対価を支払っていただきたいのです。そう、冒険者風に言うのであれば、依頼という形で」
「やれやれ」
急に面倒になってきたなと私は頭をかく。
「それで? その依頼とやらを断れば街から追放か? 商人のやることはいちいち癪に障って仕方ないな。言っておくが街を出ろというのであれば、私たちは今すぐ出たっていいんだぞ? そもそも労力だか何だか知らないが、勝手に払っておいて恩着せがましく対価を要求するあたり、断られたら困るのはお前らの方なんじゃないのか? 商人らしくない。焦りがやり方に滲み出ているぞ?」
「アザレア様には冒険者以外にも商人の才がおありのようで。仰る通り商人は、バルバラは焦っているのでしょう。ただ貴女にはそれだけの価値がある。この焦りは貴女を重く見ていることの裏返し。そう思ってはいただけませんか?」
「それこそ商人らしくないな。自らの弱みを晒け出して何になる? まさか私の同情でも買おうというのか? まあそれならそれでいいさ。だが私の同情は安くないぞ?」
私がそう言うと、初老の男性はホッとした様子で胸に手を当てる。
「ブドウが買える金額であることだけは保証しますよ」
そして初老の男性は語りだす。バルバラの傭兵、その成り立ち。レティシアの冒険者が自由であるのならば、傭兵は不自由であると。
個人での経済活動の一環、あるいは延長で王都を、ひいては王国全体を守護する冒険者とは違い、傭兵は雇い主である商人たちの意向によってのみ動くことを許された、個人の利益を守るためだけの番犬であると。
「傭兵を管理しているのはバルバラですが、あくまでもそこから先、運用となると雇い主である商人一人一人の判断に任されているのです。しかしそれではいざというときに動かせない。いや、頼れない。ですがあなた方は違う。そうでしょう?」
「何が言いたい」
「傭兵は商人にとって都合のいい仕組み。であるならば、バルバラにとっての都合の良い仕組みがあったとしてもいいとは思いませんか?」
「この街には衛兵がいたと思ったが?」
「彼らは法の番人。あくまでも内側に対する抑止力であって、外に向けて行使する力ではありません」
「なるほどな」
傭兵がどうのと話し出した時にはどうなるかと思ったが……私はとりあえず傭兵になれというわけではないらしいなと、街の中心の方へとそれとなく目を向ける。
「傭兵ではバルバラを守れない。そんな風に現状を憂う誰かさんが、気を利かせて新しい組織を立ち上げることにした。そこに新たに育成する手間も省けて、ある程度組織だった動きにも慣れた人材がレティシアから流れてきたとなれば、使わない手はない。そういうことだな?」
私は自分で言いながら頭を抱えそうになる。
バルバラが冒険者を受け入れる。その判断がもう少し早ければ、シャビエルたちも死なずに、もしかするとマルタ村の悲劇も防げたかもしれない。
ただバルバラからしても誰でもいいというわけではないだろう。
シャビエルと一緒に居たようなのは実力があっても素行不良で落とされて結局野盗化。バルバラに処理されるという結末がなぜか容易に想像できてしまうのだが。
「その通りです。ただ我々も冒険者であれば誰でもいいという訳ではありません。あなた方が本当に使い物になるのか、試す機会を頂きたいのです」
「それは勝手にしろという感じだが……まあいいか。どうせ焦っているのもそれが原因だろうしな。ここから冒険者の足で二日の距離――マルタ村にまでは魔王軍の配下が来ているぞ?」
「やはりご存知でしたか。であればこそ話が早くて助かります。あなた方にはその魔王軍の配下、マルタ村に留まる吸血鬼を狩っていただきたいのです」
そう至って真面目に告げる初老の男性を前に、私は表情を変えずに、キリボシはしっかりと頭上に疑問符を浮かべて、どちらからともなく顔を見合わせた。
「もちろんこちらが得ている情報は全てお渡しいたします。これはその内の一つに過ぎませんが、日中はハーピィが複数体で村の守りを固めていることも、事前の調査で判明しております」
「そうか。ただ残念ながら、その依頼を私たちが受けることはない。いや、受けられないと、そう言った方がより正確か」
「受けられない、ですか。何か事情がおありのようですね。差し支えなければ理由をお聞かせ願えませんか?」
私は初老の男性を見据えたまま腕を組む。マルタ村に吸血鬼がいないことはそのうちに分かることだ。だがそれをいま知ることで出来ることもあるだろう。
ただその事実を教えてやる義理がない。それもタダで。
加えてまだ街に入って半日と経っていないのに、私のバルバラに対する印象はとてもではないが良いとは言えなくなっているのも問題だ。
それでも話すというのであれば私はただのお人よしだが、おあつらえ向きに目の前には商人がいる。そして私も今は商人ということになっている。
つまるところが情報を商品として、目の前の状況を取引として考えるのであれば、話せないこともない。
何より口ではすぐに街を出てもいいとは言ったものの、それではせっかくのブドウを食べる機会まで失ってしまうからにして。
どうせそのうちに売れなくなる情報だ。欲しいというのであれば売ってしまうのも悪くはないだろう。
私はそっと組んだ腕を両脇へと下ろした。
「バルバラに入れるよう手引きしてくれたことには感謝する」
まあそれも本当かどうか怪しいところなのだが。
初老の男性はニヤリと笑う。
「あなた方にはこちらが支払った労力に見合うだけの、対価を支払っていただきたいのです。そう、冒険者風に言うのであれば、依頼という形で」
「やれやれ」
急に面倒になってきたなと私は頭をかく。
「それで? その依頼とやらを断れば街から追放か? 商人のやることはいちいち癪に障って仕方ないな。言っておくが街を出ろというのであれば、私たちは今すぐ出たっていいんだぞ? そもそも労力だか何だか知らないが、勝手に払っておいて恩着せがましく対価を要求するあたり、断られたら困るのはお前らの方なんじゃないのか? 商人らしくない。焦りがやり方に滲み出ているぞ?」
「アザレア様には冒険者以外にも商人の才がおありのようで。仰る通り商人は、バルバラは焦っているのでしょう。ただ貴女にはそれだけの価値がある。この焦りは貴女を重く見ていることの裏返し。そう思ってはいただけませんか?」
「それこそ商人らしくないな。自らの弱みを晒け出して何になる? まさか私の同情でも買おうというのか? まあそれならそれでいいさ。だが私の同情は安くないぞ?」
私がそう言うと、初老の男性はホッとした様子で胸に手を当てる。
「ブドウが買える金額であることだけは保証しますよ」
そして初老の男性は語りだす。バルバラの傭兵、その成り立ち。レティシアの冒険者が自由であるのならば、傭兵は不自由であると。
個人での経済活動の一環、あるいは延長で王都を、ひいては王国全体を守護する冒険者とは違い、傭兵は雇い主である商人たちの意向によってのみ動くことを許された、個人の利益を守るためだけの番犬であると。
「傭兵を管理しているのはバルバラですが、あくまでもそこから先、運用となると雇い主である商人一人一人の判断に任されているのです。しかしそれではいざというときに動かせない。いや、頼れない。ですがあなた方は違う。そうでしょう?」
「何が言いたい」
「傭兵は商人にとって都合のいい仕組み。であるならば、バルバラにとっての都合の良い仕組みがあったとしてもいいとは思いませんか?」
「この街には衛兵がいたと思ったが?」
「彼らは法の番人。あくまでも内側に対する抑止力であって、外に向けて行使する力ではありません」
「なるほどな」
傭兵がどうのと話し出した時にはどうなるかと思ったが……私はとりあえず傭兵になれというわけではないらしいなと、街の中心の方へとそれとなく目を向ける。
「傭兵ではバルバラを守れない。そんな風に現状を憂う誰かさんが、気を利かせて新しい組織を立ち上げることにした。そこに新たに育成する手間も省けて、ある程度組織だった動きにも慣れた人材がレティシアから流れてきたとなれば、使わない手はない。そういうことだな?」
私は自分で言いながら頭を抱えそうになる。
バルバラが冒険者を受け入れる。その判断がもう少し早ければ、シャビエルたちも死なずに、もしかするとマルタ村の悲劇も防げたかもしれない。
ただバルバラからしても誰でもいいというわけではないだろう。
シャビエルと一緒に居たようなのは実力があっても素行不良で落とされて結局野盗化。バルバラに処理されるという結末がなぜか容易に想像できてしまうのだが。
「その通りです。ただ我々も冒険者であれば誰でもいいという訳ではありません。あなた方が本当に使い物になるのか、試す機会を頂きたいのです」
「それは勝手にしろという感じだが……まあいいか。どうせ焦っているのもそれが原因だろうしな。ここから冒険者の足で二日の距離――マルタ村にまでは魔王軍の配下が来ているぞ?」
「やはりご存知でしたか。であればこそ話が早くて助かります。あなた方にはその魔王軍の配下、マルタ村に留まる吸血鬼を狩っていただきたいのです」
そう至って真面目に告げる初老の男性を前に、私は表情を変えずに、キリボシはしっかりと頭上に疑問符を浮かべて、どちらからともなく顔を見合わせた。
「もちろんこちらが得ている情報は全てお渡しいたします。これはその内の一つに過ぎませんが、日中はハーピィが複数体で村の守りを固めていることも、事前の調査で判明しております」
「そうか。ただ残念ながら、その依頼を私たちが受けることはない。いや、受けられないと、そう言った方がより正確か」
「受けられない、ですか。何か事情がおありのようですね。差し支えなければ理由をお聞かせ願えませんか?」
私は初老の男性を見据えたまま腕を組む。マルタ村に吸血鬼がいないことはそのうちに分かることだ。だがそれをいま知ることで出来ることもあるだろう。
ただその事実を教えてやる義理がない。それもタダで。
加えてまだ街に入って半日と経っていないのに、私のバルバラに対する印象はとてもではないが良いとは言えなくなっているのも問題だ。
それでも話すというのであれば私はただのお人よしだが、おあつらえ向きに目の前には商人がいる。そして私も今は商人ということになっている。
つまるところが情報を商品として、目の前の状況を取引として考えるのであれば、話せないこともない。
何より口ではすぐに街を出てもいいとは言ったものの、それではせっかくのブドウを食べる機会まで失ってしまうからにして。
どうせそのうちに売れなくなる情報だ。欲しいというのであれば売ってしまうのも悪くはないだろう。
私はそっと組んだ腕を両脇へと下ろした。
「バルバラに入れるよう手引きしてくれたことには感謝する」
まあそれも本当かどうか怪しいところなのだが。
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