白き乙女

神在琉葵(かみありるき)

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 次の日、私は森の朽ち果てた樹木に根を張る月下美人を見に行った。 
 思った通り、蔓も茎もしおれたそれにはもう命の欠片さえもなく…だが、枯れて萎んだ花の亡骸にはまだあの懐かしい香りが残っていた…



(月子……)



 私は枯れた花をそっとハンカチにくるみ、懐にしまった。
どこまでも未練がましい自分自身を疎ましく感じながら…



~fin
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