ミステリーSS集

神在琉葵(かみありるき)

文字の大きさ
27 / 89
レーゲの壺

しおりを挟む
(レーゲの壺……)



 馬鹿馬鹿しい話だと思いながらも、なぜだかその壺のことが頭から離れなかった。
アリアナを探す手がかりは、それしかないように思えたせいかもしれない。
 僕は不思議なものに詳しいジョシュアに、レーゲの壺のことを訊ねてみた。



 「レーゲの壺?なんだよ、おまえはそういう胡散臭い話は好きじゃなかっただろ?」

 「それはいいから。知ってるのか?知らないのか?」

 「そりゃあ、知ってるさ。
レーゲの壺にソリドゥス金貨三枚を入れて願いを言えば、その願いは叶うが、願った者は悪魔の生け贄としてこの世から消えてしまうってやつだろ?」」

 「な、なんだって?この世から消えてしまう?」

 「あぁ、そうだぜ。
なんだ、知らなかったのか?」

 僕は、小さく頷いた。
 彼の言った『生け贄』という言葉が、やけに耳に残った。



 「そ、それで、レーゲの壺が今どこにあるのか、知ってるか?」

 「なんでそんなことが気になるんだ?」

 「いいから、調べてくれ!」



 *



 (アリアナは壺にストーカーのエリックを何とかしてほしいと願いをかけたのかもしれない。
それなら、誰にも迷惑をかけずにすむ。
でも、もしかしたら、アリアナは願いをかけた人間が生け贄としてこの世から消えることは知らなかったんじゃいだろうか?
 知ってたら、いくらなんでもそんなことするはずがない。)

 最初は、レーゲの壺なんて馬鹿馬鹿しいと思っていたが、考えれば考える程、信ぴょう性を感じて来る自分自身に戸惑っていた。



 「デニス、わかったぜ!
レーゲの壺の在処が…」



それは、飛行機を乗り換えて行かねばならない遠い町の骨董屋だった。
どこまで信じられる話なのかもよくわからない。
だけど、このままにはしておけない。
 僕自身が確かめなければ…



僕は、仕事を休み、骨董屋を目指した。
 着いたのは、次の日の夕方だった。
そこそこ大きな店だが、ガラスは汚れ、あまり手入れは行き届いていない様子の店だった。
 客は、僕の他に三人いた。
 周りを見回しながら、僕はレーゲの壺を探した。
 壺の外観についてはジョシュアに詳しく訊いてあった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

離れて後悔するのは、あなたの方

翠月 瑠々奈
恋愛
順風満帆だったはずの凛子の人生。それがいつしか狂い始める──緩やかに、転がるように。 岡本財閥が経営する会社グループのひとつに、 医療に長けた会社があった。その中の遺伝子調査部門でコウノトリプロジェクトが始まる。 財閥の跡取り息子である岡本省吾は、いち早くそのプロジェクトを利用し、もっとも遺伝的に相性の良いとされた日和凛子を妻とした。 だが、その結婚は彼女にとって良い選択ではなかった。 結婚してから粗雑な扱いを受ける凛子。夫の省吾に見え隠れする女の気配……相手が分かっていながら、我慢する日々。 しかしそれは、一つの計画の為だった。 そう。彼女が残した最後の贈り物(プレゼント)、それを知った省吾の後悔とは──とあるプロジェクトに翻弄された人々のストーリー。

秘書と社長の秘密

廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。 突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。 ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?

愛のバランス

凛子
恋愛
愛情は注ぎっぱなしだと無くなっちゃうんだよ。

裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する

克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...