寄るな。触るな。近付くな。

きっせつ

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王都組⑥

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パァーンッ、パァーンッ!!

「ひゃあんッ!! やぁあんッ。…も…ダメ…はぁんっ。」

「この淫乱め。何人そうやって抱かれてきたッ!! 」

桃のように丸い白い尻が叩かれるたびに赤く染まる。

先程までワシを挑戦的に誘ってきたあの『クランクハイトの黒薔薇』が余裕なくワシの膝の上で腕を縛られ逃げられず、真っ赤に鬱血し始めた尻を引っ込めも出来ず、ホロホロと泣きながら弱音を吐く。

「も…しない。ご主人様だけ…だから…ひっんッ!? ヤッ!! 」

「ふん、お前みたいな股の緩い男の言葉が信じられるとでも? そんなにワシのモノが欲しいか。卑しい奴め。」

あの裏の権力者と言われたあの若造がワシをご主人様と呼び、へつらう。

他愛もない。
こんなモノに何故、男どもはこぞって骨抜きにされたのか。

ヒクヒクと叩かれて腫れ上がった尻を痙攣させるあの『クランクハイトの黒薔薇』に最後の慈悲を与えてやる。

身体を仰け反らせ、黒薔薇は嬌声を上げた。

股が緩い癖に意外にも中は狭く、キツイ。尻をもう一度叩いてやると悲鳴とともに中が締まる。

他愛ない。
ワシを取って食おうとしてこんなにも簡単に籠絡するとは、所詮若造は若造。

飼ってやるのも悪くない。



隣で老いぼれが全部俺の中に吐き出して、気持ちよさそうに寝ている。叩かれて赤くなったジンジンと痛む尻をさすり、ハンッと鼻で笑う。

「野望がある奴って支配欲が強いんだよね。こうやって虐げて相手を支配するのが好きなんだよ。」

エリアスは腕を縛っていた縄を難なく外し、自身を陥落させたと思い込んでいる哀れな老いぼれの男を一瞥した。

「ホント、しょうもない男だ。今まで手を出さなかったのはどうせさっさとレオノールに取って代わられるからだったが……。それにしたってお粗末だ。」

一国の宰相がこんないとも簡単にハニートラップに引っかかり、自身が主導権を握ってると思っている。本当は主導権はこちらで哀れにのめり込んでいるというのにそれにも気付かずに。

「こんなのが俺のシュネーを俺から奪ったのか? しょうもない。早く情報を吐かせて俺のシュネーを取り戻さないと。」

あの賢く剣の腕も立つシュネーならあの足手まといのリヒトを連れていても、生き延びてみせるだろう。

リヒトの『従騎士』だからって関係ない。今度こそ、遠くに行かないように手に入れて縛り付けよう。

愛はゆっくり教え込めばいい。


この老いぼれみたいには簡単にいかない相手だが、リヒトの冤罪さえどうにかしてしまえばどうとでも時間は作れる。

「ふふっ、落ち込んでたのが馬鹿馬鹿しい。チャンスなら幾らでもあるじゃないか。」

上機嫌に老いぼれの懐に潜り込み、老いぼれの耳元で啜り泣く。まるで支配された哀れで力を持たないただの若造のように。

ー 何処まで堕としてやろう?

ニンマリと嘘の涙を浮かべながら悪魔が嗤う。



「宰相はエリアスに任せて、後はシャルロッテ侯爵です。ゲルダ・ファーデンを殺した刺客を放ったのは宰相でなく、こちらの筈だ。」

三週間ぶりに部屋から出て来たレオノールが資料を片手にまるで講義するように立ち振る舞う。

「この資料にあった検死の結果。レイピアでの刺殺。私はシャルロッテ家お抱えの暗殺者で一人。暗殺者しては珍しいレイピア使いを知っています。」

「へーえ、じゃあ次はシャルロッテ侯爵家に誰かが潜り込むんだ。」

ふと会話に入ってきた声にレオノールが目に見えて怯える。

『クランクハイトの黒薔薇』と称される美しい男が大荷物を片手に部屋に入ってきた。一気に殺風景だった部屋の中が華やぎ、全員の視線がエリアスに注がれる。

「俺に宰相と掛け持ちでやれって言うなら高くつくよ? 」

「そ、そんな恐ろしい賭けこれ以上やってたまるか!! 」

「帰ってくれ。」と思いっきりレオノールの顔に書いてある。

ここまで目に見えて怯えるって何があったの? 論文にしてわたくしに提出して、今すぐ。

エリアスはやれやれといった表現を浮かべて「今日はまだ仕込みが時間かかりそうだから態々様子を見に来たのに…。」とレオノールの胸を執拗に白い細長い指で弄ぶ。

「ひっ! ……貴方、上手く事は進んでいるでしょうね? 貴ん…ひゃんッ!? 」

「上々に決まってるでしょ? 今日は良い玩具が入ったからシュヴェルトに渡しに来たのが一番の理由だよ。君は雌猫らしく腰でも振ってなよ。」

ダンッとテーブルの上に置かれた袋。袋の中には悍ましい形をした玩具達が取り揃えられている。それをチラリと見て、レオノールの顔色が目に見えて真っ青になっていく。

「ああ、安心してよ。この前君が『痛いッ、もうお願いッ!! 許してッ。…そんなもの、そんな所いいからシュヴェルトのが欲しいの。お願いッ。』と泣きじゃくりながら懇願する理由になった尿道用のは持って来てないから安心してよ。」

「何で知って……あ!? 」

完全にエリアスのペースに飲まれているレオノールを助けるものは誰もいない。寧ろシュヴェルト以外の男性陣はあまりの可哀想な光景に見ていられず、「ちょっと用事が。」と続々と退出していく。ついでに最初に逃げたのはジョゼフだ。

「これなんておすすめ。球体が数珠状に連なってて、球体は少しずつ後になるに連れ大きくなっていってね。その上、球体の最後のは大きい上に突起が付いているから……何処に逃げようって言うの? レオノール? 」

レオノールは恐怖のあまり部屋から逃げようとしたが、すぐさまエリアスいえ、エリアス様に捕縛された。

「旦那を愉しませるのも嫁の君の役目でしょ? …まあ、シュヴェルトは使い方が分からないと思うからこれは…、この俺自ら突っ込んであげるよ。……そんなに怖がらないでよ。ちゃんと挿れている間、君の大好きな旦那様が優しく包んで脚を閉じないように抱きしめてくれるから。寧ろ、俺は礼を言われる立場だと思うよ。その後、散々愛しいシュヴェルトに素直じゃない捻くれた君が素直になれるシチュエーションを態々作って、身体で慰めてもらえるんだから。役得でしょ。」

本当に困った『友人』達だよっとエリアスがわざとらしく溜息をつく。卒倒しかけているレオノールを前にして何を考えているのやらシュヴェルトはニコニコしている。

「止めなくてよろしいの? シュヴェルト様。」

「うーん。でも、最初は嫌がってるけど最終的には可愛い顔で蕩けてるから。」

ー それは……まあ、うん、もう良いか。

今にも魂の抜けそうなレオノールにそっと合掌する。

きっと…恥ずかしいのは最初だけ、苦しいのは最初だけ。
レオノールの幸せはきっとその先にある……筈。

きっとシュネーがこの光景を見ていたら卒倒しかけるんじゃなくて卒倒しているだろう。いや、案外この話題になる前に誰よりも早く逃げるかもしれない。

「レオノール様。シャルロッテ侯爵家はわたくしに任せてくださいまし。あてがありますの。」

「……え? あ…、そう…ですか。なら、フェルゼンを先に説得して連れて行く事をお勧めします。」

レオノールが我に返り、そう助言する。いや、何故フェルゼン。

エリアスはその名が出てきた瞬間目に見えて機嫌が悪くなった。そして、手に持っていた数珠状の玩具より更に凶悪な……。

「そ、それを突っ込むのであれば是非、わたくしにもその眼福な光景をッ!! シュヴェルト様!! その光景を絵に残したいとは思いません? 思いますわよね!? 」

「ーーッ!? イーリス嬢ッ、貴様ぁぁああ!! 」




拝啓、親愛なる友人 シュネー・フリューゲル様

我々は貴方方を救う為、日々精進しております

だから、だからですね!?
ちょっと、ちょぉぉおっとぐらい美味しい想いに走っても許されますよね。シュネー様は優しいし、許してくださいますよね?

「黙れ、なんちゃって男爵令嬢!! 」

と、言われるくらいで許してくださいますわよね。最初っからわたくしにそこは期待してないですものね

それではわたくし、めくるめくBLの世界を、浪漫の世界をこの目に焼き付けてきますわ

腐女子代表
ヴィルマ・イーリスより愛を込めて

ーーーーーーーーーーーーーーー

なんちゃってキャラ紹介

ヴィルマ・イーリス
なんちゃって男爵令嬢。前世の記憶ありのハードなプレイのあるBLもイケる口の腐女子。

カール・アーバイン
ヴィルマの婚約者。ヴィルマの影響で腐男子であるが、純愛系の軽めのBLが好き。婚約者を中々置いていけず、部屋からは最後に逃走した。

ジョゼフ・デーゲン
騎士団長の息子。以前の一件でエリアスが苦手に。仲間想いの彼だが、誰よりも先に逃げた。

シュヴェルト・デーゲン
騎士団長んとこの次男でレオノールの夫。最近夜の営みの事で何かとエリアスにお世話になってる。

レオノール・デーゲン
元宰相の息子。完全にエリアスのオモチャにされてる。夫が喜ぶもんだから逃げるに逃げられない。

エリアス・クランクハイト
『クランクハイトの黒薔薇』。シュネーのトラウマの権化。最近ストレス発散に二人の『友人』の為と称してレオノールを弄んでる。味方になれば心強いがやはり悪魔。フェルゼン・ハーストは未だに天敵。

アルヴィン・クリフト
平民出の騎士。部屋を逃走したのは二番目。見た事無い恐ろしい玩具達に絶句して、中々動けなかった。

宰相
従順だと思ってた息子がいきなり家を出て結婚した。ストレスが溜まりに溜まり、結果、丁度誘ってきたエリアスへ八つ当たりも兼ねて誘いに乗ったが、実際は手の中で転がされている。
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