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第2章 辺境伯編

三人の情事

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「あ、あの。あまり見ないでください」
(こ、こんなエッチな下着を人前で着るなんて……)

 リリアは、ジッと見つめてくる勇人から顔を逸らして身体を手で隠そうとする。
 いまのリリアとシェロが着ているのは、下着一枚だけだ。それもベビードールと呼ばれるフリルがふんだんにあしらわれたスケスケの物である。
 普段とは違う、セクシーさを強調したその姿を見て、勇人が興奮しないわけがなかった。

「主様。リアが可愛らしいのはわかるがのう、少しは妾のことも見てほしいのじゃ」
「うおっ!」

 シェロが腕に抱き着いてしなだれかかったかと思えば、人差し指で勇人の胸元をグリグリと撫でながら耳元で囁く。
 幼い容姿とは裏腹に、性へ対して抵抗のないシェロの姿は、百戦錬磨の娼婦でさえ出すことのできない未熟な果実ゆえの独特の色気を放っていた。

(しぇ、シェロちゃん)

 シェロの見せた淫靡な一面に、リリアも見惚れてしまい、思わず顔を熱くする。
 その様子を見たシェロの瞳が、キラリッと光った気がした。

「ほれ、リアも固まってないではよう来るがよい」
「え、その……」
(こ、この格好でユーキさんの傍にいくのなんて無理です!?)

 リリアは、勇人の傍に寄るのを躊躇う素振りをみせる。何度か性的なイタズラをされたことはあるが、自分からそういうことをしたのは初めてを体験した時にフェラだけである。
 他は、全て勇人から触ってきたりはするが、自分から触るようなことはなかった。

「まるで生娘のような反応じゃのう――主様」

 シェロが目配せすると、その意図をくみ取って勇人が頷く。

「リリア、命令だ。――こっちにこい」
「あっ……」

 命令、という言葉を聞いたリリアの身体は、実に素直だった。

(う、嘘です。まさか本気で命令してくるなんて)

 なんだかんだと、隷属契約をしてはいるが、リリアは勇人に本気で命令されたことはなかった。
 それはリリアの意思を尊重してのことだとわかってはいた。だから、これからも命令なんてされないと思っていたのが覆される。
 フラフラと夢遊病のように近づいたかと思えば、豊満な乳房を勇人の腕に押し付ける。薄いベビードール越しに押し付けられた為、ハッキリと胸の柔らかさが伝わってくる。

「んふふ、こんな美少女を二人もはべらせるとは、主様は幸せ者じゃな」
「ああ。こんなに可愛い子が恋人みたいに連れ添ってくれるなんて夢みたいだ」
「わ、私は別に……確かに性処理をするって約束しましたけど……それだけです!」

 勇人は、腕に抱き着きながら、ふいっ、と顔をそらすリリアの顎を掴むとそのまま強引にキスをする。

「んむぅっ、じゅる、ふむぅ!」

 割って入ってきた舌ベロが歯茎をなで、逃げようとするリリアの舌を絡めとる。互いの舌を互いで舐めあいながら、くちゅくちゅと嫌らしい水音を立てる。

(なんで、無理矢理になのに、頭ぼーってしちゃう)

 二人の吐息と唾液が混じり合う。夜に飲んだ赤ワインの味が、勇人の唾液から感じられた。
 勇人の唾液を飲み込む度に、リリアにも酔いが回っていく。

「あむっ、ぴっちゃ、くちゅっ、ちゅっ」

 気がつけば、リリアは自分から勇人の唾液をねだっていた。勇人の大きな舌に服従し、なすがままに舌ベロをなぶられる。
 一通りリリアの口内を犯して満足した勇人が唇を離すと、唾液で出来た銀糸が二人を繋いでいた証として垂れている。

(おわっ、た?)

 そう思っていリリアだが、勇人は首元に噛み付く勢いでキスしてきた。

「ふぁぁぁぁぁぁ」

 何度も舌で首筋を舐められ、動物のマーキングみたいに勇人の匂いを付けられていく。それだけで満足いかない勇人は、リリアを自分の所有物であると言わんばかりにキスマークを付けた。
 まだろくに前戯すら始まっていないというのに、ベビードール越しに乳首がぷっくりと膨らみ、口からは甘ったるい声が漏れ始めている。

「……こんなものか」
「あっ、んんっ、はぁ……」

 勇人が身体から離れてくれたことで、リリアはようやく一息つくことができた。
 
(身体中、熱い。身体拭いたばかりなのに……)

 まるで湯船にでも浸かったかのように、リリアの身体は真っ赤に熟れていた。

「主様よ。リリアを責めるのが楽しいのはわかるが、妾のことを忘れないでほしいのう」
「わかってる。次はお前だ」
「うむっ……ちゅっちゅぱっ」

 シャロの小さな身体を抱き寄せ、幼い唇をむしゃぶりつくしている勇人の姿を、熱にうなされた頭で見つめていると、空いている手が伸びてきた。

「ふぇっ? いひっ!」
(な、にっ、頭、ピリって……)

 完全に油断していたリリアは、脳に届いた快楽信号によって勇人の指が自分のマンコを撫でていることに気が付く。
 パンツをズラされ、陰核を撫でられたかと思えば小陰唇を菱形に広げられる。

「あぁぁぁぁぁぁ」
(だ、大事な場所が丸見えに……!)

 普段はピッチリと閉じられている場所が外気に晒され、ヒクヒクと動く。その動きはまるで餌を欲しがる魚のようであり、自分のなかを満たしてくれる存在を待ちわびているようだった。

(入れて、欲しい。ユーキさんの指が、欲しい。あの逞しい指で、私の膣をぐちょぐちょにして欲しい)

「はっ、はっ、はっ」
 
 犬のように舌を出しながら、リリアは荒い呼吸を繰り返していると、シェロとのキスが終わった勇人が顔を向けてくる。

「おお、ずいぶんと出来上がったな」

 にやにやと笑う勇人を見て、リリアは反射的に唇を噛んでそっぽを向いてしまう。

「こ、こんなのどうってことはありませんっ!」
「ん? そうか? なら先にシェロから弄るか」
(あっ……)

 先ほどまで執拗に弄っていた指の感触が離れていき、シェロの秘部へと当てられる。そのことに、リリアは喪失感を覚えてしまった。

「あひっ! ぎだっ! 主様のゆびぃぃっ!」

 勇人の指を膣内に入れられて喘ぐシェロを見たリリアは、羨望の気持ちが強くなった。

(……いいな)

 恥じらいや価値観といった物に縛られず、素直に快楽を受け入れることのできるシェロのことを、リリアは羨ましく思えてしまう。

(本当なら、私もあの指で……)

 先ほどまであれだけ熱く火照っていたというのに、勇人の指がないというだけで秘部が物悲しくなる。

(ユーキ、さん)
「んっ、ぅぅっ、あひんっ!」

 二人の情事を見ながら、寂しさを埋めるようにリリアはオナニーを始める。
 勇人の温もりを探す様に、小陰唇に指が伸び、ベビードールをたくし上げながら硬くそそり立つ乳首を摘まみあげる。
 コリコリとした乳首を弄り、乳輪を撫で上げ、陰核を挟んでだりしてみるが――。

(ちが、う。これじゃ、ない)

 確かに気持ちいいとは思うが、身体の芯から溶かされうなされるような熱量はない。
 自分で慰めれば慰めるほどに、なぜだか虚しくなってくる。

(やぁ、やぁっ! なんで、なんで切ないのっ)

「ひくっ、ぐすっ、ユーキさんっ」

 半泣きになりながら、それでも止められない手を動かしていると、そっと涙がすくわれる。

「ああ、もう。可愛いなぁ」
「これは同じ女子おなごである妾から見ても、襲いたくなるわい」
「ふぇっ、むぐっ!!」

 いつのまにか近づいてきていた二人が、リリアを取り囲んでいた。
 シェロがリリアのマンコに顔をつけて舐め始め、勇人が固くなったペニスを喉へと押し込む。

「おごっ、おぼぉ、ちゅぱっ、じゅるるっ」
(ふぁぁぁぁぁ♪ これ、いいっ)

 勇人にチンポを突っ込まれ、シェロにマンコを舐められていると、あれほどまでに切なかった気持ちが消えていく。
 ただただこうされるのが幸せで、欠けていた物が戻ってくるようにすら感じられた。

「くちゅっ、ぴちゃ、ろうひゃっ? きもひいいひゃろ、ひひゃ?」

 シェロは、リリアが零した愛液で顔を濡らしながら、膣内を舌ベロで舐めていく。
 ペニスや指とは違った、気持ちよさがリリアの脳髄を刺激していく。

「んぐっ、んむっ、むぅっ!」

 ペニスで口を塞がれているリリアは、コクコクと頷くことでシェロの言葉に同意を示した。

「じゅるっ、ふふ、ならばもう少し奉仕せねばな。じゅるるるるっ!!」
「~~~~!!」

 シェロの口が、舐めるような動きから吸い取るような動きに変わる。シェロの上の口と、リリアの下の口が激しくデーィプキスをしたのだ。

(それりゃめぇぇぇぇぇ♪ 気持ちよすぎですぅっ)

 身体中の水分が全て漏れているのではないかという勢いで零れていく愛液を、全てシェロに飲み込まれていく。

「ほら、こっちも疎かにしないでくれ」
「おぼぉ、おほぉ、おごぉぉぉ!」

 勇人のペニスが、喉の奥まで突き刺さる。その息苦しさに、思わず胃の中の物が逆流しかけたが、なんとか吐き出さずに済んだ。

(あ、ひっ……身体中、弄られておかしくなりゅ)

 身体を好き勝手に弄繰り回されているいまのリリアは、二人の玩具であった。
 
(ああ……このまま、イカされ……?)
「げほっ、ごほっ」

 グポッ、という音と共にペニスが引き抜かれ、シェロもマンコを舐めるのを止めた。

「な、なんで、ですか。なんで止めちゃうんですかっ!」
「決まってるだろ。入れたいからだよ」
(ああ……♥)

 リリアは、自分の涎でベトベトになった勇人の雄々しいペニスに釘付けになる。

「リリアが下、シェロが上だ」

 とさりっ、と布団の上に押し倒されたかと思えば、シェロが身体を重ねてきた。

「むぅっ、重くはないかリアよ」
「だい、じょうぶ、です」

 実際、シェロの身体は固かった。胸が多少押しつぶされる感じはするが、それすらも快楽に変換されている。

「美少女二人の貝合わせ……良い眺めだ」

 リリアとシェロ、二人の膣丘が勇人の前で剥き出しになっている。
 それぞれ甘い唾液を漏らしながら、雌の本能が精子を求め、男に蹂躙され、屈服させられるのを待っている。

「まずはシェロからだ」
「うむっ♪ おほぉぉ♥ きたぁぁぁぁ!」

 勇人にチンポを突っ込まれたシェロが、海老ぞりになりながら涎を垂らして乱れる。

(いつも勇人さんにお仕置きしているシェロちゃんが、あんなに乱れています……)

 自分の上で、発情した牝の顔をしているシェロを見て、自分もこんな顔をしてしまうのかと想像した。

(ユーキさんのオチンポに完全降伏して、雌として媚びる。そして服従の証として、孕ませられる)

 それはなんて破廉恥で、とても魅力的なのだろうか。

「あひっ、いいのじゃっ、もっど! もっどわらわをごわじてほじいのじゃっ!」
「まったく。いつも人のこと変態だって言っているのに人のことは言えないな」
「そうじゃっ! 妾は主様に虐められて喜ぶ変態なのじゃぁぁぁっ」
「なら、キチンとお仕置きしないとな。リリア、シェロの乳首を舐めてやれ」
(シェロちゃんの、乳首を?)

 勇人のチンポに服従して、どうしようもないほど発情している牝龍であるシェロの乳首は、信じられないくらいに勃起していた。

(これを、舐めれば)

 いまでさえ髪を振り乱しながら悶えているシェロが、さらに壊れる姿を、リリアは見たいと思ってしまった。

「まっれ! いまひょんなことひゃれたら、あひぃぃぃぃぃぃ!」

 だから、勇人に言われるがまま、乳首に噛み付いて、吸い付く。

「あひぃぃぃぃっ!」

 チンポで犯され、乳首を吸われているシェロは、何度も絶頂しているのか白目を向きながら声にならない悲鳴を上げて痙攣している。

「まずは一発目っ!」

 勇人が深く腰を突き入れたかと思えば、思いっきり精液が吐き出される。ドクドクと熱い欲望を受け入れたシェロは、身体から力を抜いて完全に倒れ込む。

「しゅ、しゅまにゅ、ひあよ」
「気にしないでくださいシェロちゃん。これぐらいなんとも――おほぉぉぉぉぉっ♥」

 倒れ込んだシェロのマンコからチンポが抜かれたかと思えば、即座にリリアへと突っ込まれる。

「シェロのこなれたマンコもいいが、リリアのきつきつマンコも最高だな!」
「あひゅ、あへ、はげ、激ししゅぎでしゅっ♥」

 ずっと待ちわびていた肉棒がつきいれられたことで、神経が焼切れるぐらいの快感を送ってくる。
 頭の中をぐちゃぐちゃにかき混ぜられて、チンポ一色に書き換えられていく。雌として、チンポに奉仕させられるよう作り変えられているような感覚に、リリアは締まりなく笑う。

(こんなの、たえられません♥)

 クレスティン家の長女として、誰よりも誠実に生きてきたつもりだった。
 欲望を自制し、あらゆることに耐えてきたが――これは無理だ。抗えるわけがない。
 本能を揺さぶり、直接脳へと打ち込まれる快楽は、自分がどうしようもないほどに牝なのだと自覚させられる。
 苦痛に耐えることはできても、快楽に耐えることはできなかった。

「イグッ! らめっ、いっちゃいますっ!」
「いいぞ、イケッ! イっちまえ!」
「らめらめ、あ、あぁぁぁぁ、いぐぅぅぅぅぅぅっ!」

 シーツが皺になるほど握りしめながら、リリアは頭の中を真っ白にして愛液を撒き散らしながら絶頂した。
 だらしなく舌ベロを垂らし、涙でぐしょぐしょになりながら、達した感覚は、果てしなく気持ちがいいものだった。

「おい、俺は満足してないぞ」
「へあ? あぎっ、まっ、まだイッたばっかりでっ!」

 リリアの抗議など無視され、勇人は腰を動かし続ける。

「らめっ! これ以上は!!」
「安心しろ。狂ったとしても世話してやるから」
「そんな、求めてません! ッッッツ!」

 何度も小刻みに絶頂を繰り返し、膣内が震える。それが心地いいのかどんどん勇人は腰を打ちつける速度を増していく。
 子宮口が何度も叩かれ、卵子の排卵を強要される。

「あ゛ー♥ あ゛ー♥」
(もう、なにも考えられない……)

 リリアはすでに、言葉を放棄して喘いでいた。
 もしこれ以上の激しく攻められていたら、確実に排卵された卵子が勇人の精子に輪姦され、孕まされるというギリギリのところで、勇人にも限界がくる。

「ぐっ! 射精すぞ! しっかり子宮で受け止めろ!」
「あひぃぃぃぃぃ!」

 何度目かわからない絶頂と共に、熱い欲望が子宮に吐きだされる。
 子宮内に入り込んだ精子は、自分たちの種を宿すべき卵子を探して動き回っているのがリリアにはわかった。
 それほどまでに、今日の勇人の精子は濃いものだった。

「あへ、あひっ♥」

 リリアとシェロ。二人の美少女がアヘ顔を晒しながらぐったりしている。その姿に満足しながら、勇人は第三ラウンドへ突入しようする。

「は、ははははは」

 嬉しいのか悲しいのかわからない笑みを浮かべながら、声が枯れるほどに喘がされるのであった。

 ******

 勇人は、グショグショになったシーツの上で眠っている二人の頭を撫でながら、苦笑する。

(我ながらよく七回もできたものだ)

 後半など、常にイっている状態にもかかわらず腰を振っていた。常人ならばあれで腹上死していたかもしれないほどである。

「あーあ。こうなるからリリアのことは抱きたくなかったんだ」

 抱いてしまえば歯止めが利かなくなることなどわかっていた。
 だからアリアのときも、イタズラまではしても最後の一線を越えるようなことはなかったのだ。

「ま、やっちまったもんは仕方ないか」

 幸いにもシェロがいてくれるおかげで、リリアのことを抱きつぶすことはないが、不安は残る。

「後、一人か二人は欲しい所だな」

 だが、自分が気に入るような相手が現れるだろうか?
 勇人は自分とシェロが既に普通の人間に対してなんら機微が動かないということを知っている。
 ドマたちを、奴隷商を簡単に殺したように、奴隷たちを見捨てようとしたように。身内と決めたもの以外はすべからず路傍の石と変わらない。
 メーデたちも、リリアの得になるからこそ助けたのである。でなければ、リリアを言いくるめてその場で捨てていたかもしれない。

(……勇者は人間、か。アリア。俺はもう、人の道には戻れないかもしれない)

 かつての彼女がいまの勇人を見た時に、なんというのだろうか?
 怒るのだろうか、悲しむのだろうか。それとも、また自分を助けてくれるのか。

「はあ、まったくなにを考えているのか」

 柄にもなくアンニュイなことを考えてしまう自分に勇人は自嘲する。
 七回もやったのだから、今回の賢者モードは中々に酷い様子だった。

「あーやめやめ。さっさと寝よう」

 勇人は頭を振ってベッドに倒れ込むと、リリアとシェロを抱きしめて目をつぶる。
 やはり勇人も疲れていたのか、眠りはすぐに訪れたのであった。
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