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第2章 辺境伯編

マオの奉仕

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「ユーキ、こっち」
「おーい、あんまりうろちょろするなよ」

 一夜明けた朝食のときに、勇人は昨日盗み聞きした通りに街へと誘われた。
 マオは断ってほしそうにしていたが、断ったとしても、マオの身体は一人で街へ行こうとするだろう。そうなれば護衛としても付いていかざるしかないた、断るだけ無駄である。
 
(それに、マオから誘ってくれたのはデートっぽいからな)

 気に入っている相手からの誘いなので、誰かの思惑の上だとしても無下に断るようなことはしたくなかった。
 そうして、昼前には街を出たわけである。
 最初は昼食を食べたり、ウインドショッピングをしたりと普通の街めぐりだった。だが、いまはうって変わり、どんどんと人気の少ない路地裏へと誘導されている。
 そろそろ、仕掛けられると見ていいだろう。

「……」

 そう思った矢先に、マオの動きが止まった。合わせて、勇人も歩みを止める。

「どうかしたのか?」
「えっ、とね……わた、し、ユーキに、感謝してる。だから――」

 マオは身体を震わせ、半泣きのような表情ですり寄ってくると、腰に抱き着くように屈みこむ。

「ユーキ、に、奉仕、します」

 ズボンをずりおろそうとしてくる。
 なにも知らなければ、隙を突かれていたかもしれない。だが、勇人はその命令を知っている。だから、油断などしていない。

「悪いな、マオ」
「えっ? うっ」

 勇人はマオの額に指を当てると、ショックの魔法を使って意識を刈り取る。ついでに、わざわざ張り巡らせている目を、魔力の放出で潰す。

「ふう、これでよし」

 倒れかけたマオの身体を受け止めると、愛おしそうに頭を撫でる。

「きっと俺のほうが謝らないといけないんだろうな」

 そう言いつつも、これから自分がマオにすることを考えただけで、押さえつけられているペニスが暴れているのがわかる。

「奉仕するっていったのはマオからだからな? ちゃんとしてもらうぞ」

 勇人は、意識を失っているマオを背負うと、勇者としての身体能力をフルに使って、花街へと移動を始めた。

 ******

「……んっ」

 マオの意識がゆっくりと浮上していく。ぼんやりとした思考のまま、ゆっくりと瞼を開けると、鏡張りの天井が広がっていた。

(ここ、は……?)

 天井に映っている、呆けた表情の自分を眺めながら、マオは意識を失う直前のことを思い返す。

(確か、あの男に指示されたことをユーキにして……それで)

 そこから先の記憶はない。ぶっつりと意識が途切れたかと思えば、この部屋にいた。

「お、目が覚めたか」
「ユーキ……っ!!」
 
 身体を起こし、声のした方向へ顔を向けたマオは絶句した。
 そこには、ペニスを勃起させた全裸の勇人がいた。

「な、なんで?」
「なんでって、俺に奉仕してくれるっていったのはマオだろ?」
「そ、それは……」

 確かに言わされたとはいえ、自分でハッキリと口にしたのを覚えている。
 改めて室内を見回してみると、天上だけでなく壁も鏡で出来ている。ベッドは大き目のダブルベッドに、目がチカチカするようなピンクの光が部屋を照らしている。
 高価な鏡をこんな無駄な使い方をしてある部屋を、マオは知らない。

「な、なに、ここ」
「なにって、ナニをする場所。あんな野外じゃなくてちゃんとした場所で可愛がってやろうと思ってな」

 勇人の言葉に、マオは表情を取り繕うのも忘れて顔を引きつらせる。

「あ、あれは、その……」
「安心しろ。嫌がることはまではしないから。マオが俺にやろうとしてくれたことをやってほしいな」
(私が、ユーキにやろうとしていたこと)

 それを思い出した途端、身体は自然と動き出す。一時的に意識を失っていたとはいえ、下された命令はこなしていない以上、当然のことであった。

「あっ、あっ」

 ゆっくりと、顔を勇気の股間に近づけて勃起している肉棒へと顔を近づけると、そのまま口の中へと含む。

「ぺろっ、ちゅぱ、ぴちゅ、くちゅっ」
「くっ、いきなりやる気は十分じゃないか」
(ちがっ、私は別にっ!)

 そう言いたかったが、命令をこなすためにマオの身体は必死に肉棒を愛撫していく。
 王都で調教された時に習った通り、カリの部分を舌で丁寧に舐め、洗い損ねた恥垢の悪臭にも文句を言わずに舌で舐めとって含み飲み込んでいく。

(ユーキさんのオチンポ、大きいっ)

 平均よりも巨大な勇人のチンポを口に咥え続けるのは、マオにとって辛いものがあった。

「ほら、無理するな。一回止めろ」
「んぐぅっ、ちゅっぽっ、はぁ、はぁ、あ、ありが、とう」

 窒息するかと思いながらも、身体を止められなかったマオは、勇人が無理矢理に引きはがしてくれたことに感謝する。

「それとな、俺は一人気持ちよくなるつもりはないぞ。せっかくのセックスだ。マオも気持ちよくなるぜ」
「え?」

 口で射精させれば終わりだと思っていたマオは、勇人の言葉に困惑する。
 しかし、そうしているうちに勇人はマオを持ち上げて反転させて、身体を滑りこませるとシックスナインの体勢をとる。

「こ、これって」
「俺がマオのマンコをクンニするから、マオもしっかり俺のチンポをフェラしてくれよ」
「で、でも、ひぐっ!」

 文句を遮るように、勇人がマオのマンコをレロッと舐める。

「俺を射精させるまでは、クンニは止めないからな。イキ狂う前に頑張って射精させてくれよ」
「ま、待ってユーキ。わたし、の話を――ひぎっ、んんっ」
「ぺれっ、れろっ、ちゅぱっ、くちゅっ」

 勇人の下が、ピッチリと閉じた恥丘をなぞって舐め上げていく。その生暖かい感覚に、マオの背筋はゾクゾクと震える。

「ぴちゃっ、マオのまん毛は、薄いんだな。ちゅっちゅっ、獣人ってのはもっと濃いかと思ってた」
「うぅぅ」

 そんなことを言われているマオは、恥ずかしすぎてフェラチオどころではない。けれども、マオが躊躇っているうちに、勇人はどんどんマオを攻めたてていく。

「ひぐぅっ! しょ、しょこは、だめぇっ!」
(し、舌、膣で、にゅるにゅるっ、て!)

 まだ男性を受け入れたことのない膣の中に、勇人の舌ベロが入ってくる。
 ザラザラとした舌は、膣壁を味わうように舐め、零れてくる蜜をじゅるじゅると音を立てて飲み込んでいく。

「あっ、あっ、あぁぁぁぁ」

 腰がガクガクと震えてきたマオが身体を支えられずにペタリと倒れ込むと、お尻を突きだす様な形になる。

「なんだ、クリも弄ってほしいのか」
「ふぇっ? ひゃぁぁぁぁぁっ!」

 クリトリスを甘噛みされたかと思うと、優しく皮を剥かれた。外気に触れたことのない敏感な部分は、冷えた空気に触れるだけで感じてしまう。

「こ、こひがっ」
「まだまだ。ほら、獣人って尻尾の付け根が弱いんだろ」
「!! らめっ! 尻尾は本当にっ、あひぃぃぃぃぃ、おほぉぉぉぉぉぉぉ!」
「じゅるるるるるるる!」

 マンコに口を付けて勢いよく吸われながら、尻尾の付け根を掴まれて擦られたマオは、涎を垂らしながら髪を振り乱す。

(イ、イッてる! イキ続けってる!!)

「あひっ、おほぉぉ、ん゛ん゛ん゛あぁぁぁぁぁぁ!」

 喉から声を漏らしながら、マオは大量の潮を吹いた。

「あ、あへっ、へ、へへへ」

 頬が引きつり、変な笑い声が漏れてくるのも気にしていられなかった。それほどまでの連続絶頂だった。

(お、終わり? 終わりだよね?)
「こらこら。一人で気持ちよくなるなよ。ちゃんと俺を射精させないと、ずっとイカせ続けるぞ」
「しょ、しょんにゃっ」
(こんな状態で、おちんちんを口に入れるなんて……)
「それじゃ、二回目いくぞー。ちゅっ、ちゅっ」
「あっ、あっ、あっ、や、やらぁっ! もうやらぁ!」
「ちゅぱっ、腰を振って、マオは嫌らしいな」
「~~~~っ!」
(ダメっ! ユーキは本気だ。本当に射精させないと、ユーキは私のことをイカせ続ける気だ!)

 このままではイキ殺されると思ったマオは、震える身体を押して勇人のペニスを口へと入れる。

「じゅぼっ、じゅっぷ、んむっ、あへぇっ! じゃまひひゃいれっ!」
 
 口に含んでは絶頂させられて離してしまう。竿を舐め、玉袋に甘噛みしながら刺激を加えている間に、マオは三度はイカされてしまう。

「はぁっ、はぁっ、あひっ、おごっ」
(だ、駄目だ。こんなのじゃ埒があかないっ)

 このままではどうあっても射精させられないと理解したマオは、思い切って勇人のペニスを咥えると、口から首を使って、喉の奥まで飲み込んだ。

「お、おおおお! マオの喉が、マンコみたいに締め付けてくる!」

 初めて漏らした快楽を感じている勇人の声に、いましかないとばかりにマオは攻めたてる。

「じゅっぽ、じゅっぽっ、じゅぶっ、ちゅぱっ」

 喉で亀頭を締め付け、竿の部分はすぼめた口で刺激する。壁に移っている鏡に、ひょっとこ顔をしながらペニスを貪っている自分の姿があった。

(ああ、私は、凄くエッチな顔してる)

 耳を弛緩させ、涙と鼻水で顔を濡らし、唾液と我慢汁でテカテカと口元を光らせているその姿は、色欲に狂っている雌だ。

(でもぉっ! 仕方ないのっ! こんな力強い雄にっ逆らえないのっ!)

 タガが外れてきたマオは、ワザとらしいくらいに音を立ててペニスにしゃぶりつく。

(ああ、これっ! この味ぃっ! 臭くて力強くビクビク動くおちんちんが、私の喉マンコ犯してるっ!)

 いままで嫌悪感しかない男たちしか相手にしたことなかったマオは、好意を抱いていた勇人の性交に初めて心の底から気持ちいいと思ってしまった。
 元来獣人とは性欲が強い。また、その性質上、認めた相手にはとことん甘くなる。
 始まりは強引だったにしても、好意を持ち、自分のことを気持ちよくしてくれる男性と言うことで、マオはすっかり勇人のことを受け入れてしまった。

「べろっ、ぐぽっ」
(ああ、ぴくぴく震えてる。もうすぐザーメン射精しそうなの?)
「マオっ! そ、そろそろ射精すぞ!」
「じゅるるるるるるるるっ! じゅぼ、ぬぷっ」
(射精して♪ 射精して♪ ユーキの雄汁で、マオの雌喉マンコぐちゃぐちゃにしてっ!)
「――っつ! 射精るっ!」

 一際大きく肉棒が震えたかと思えば、煮えた切った欲望が喉を焦がし、胃の中へと起きてくる。

(きたぁぁぁぁぁ♪ ユーキのぷりぷりザーメン流し込まれてるぅっ。孕んじゃう! こんな濃いザーメン喉に射精されたら喉が孕んじゃうっ♪)
「ちゅぽんっ、ちゅるちゅるっ、あはっ」

 尿道に残っているザーメンの一滴まで穿り返したマオは、鏡で自分の顔見る。
 
(口からザーメン垂らして、蕩けた表情してる)

 自分よりも強い雄に支配される喜びに目覚めたマオは、とんでもなくだらしのない顔をしていた。

「ゆ、ユーキしゃまっ」
「ずいぶんとまあ、凄い顔しているな」
「らってぇっ、こんなの、知らない、知らない。はひっ」

 起き上がった勇人が、マオをベッドに横たえる。

「ユーキっ。切ないっ、お願いっ、ここにっ、おちんぽっ!」

 ベッドで横になったマオは、自分で股を開いて指で膣を広げて見せる。そこは、唾液と愛液ですでにドロドロとなり、散々イカされたことでほぐれたマンコが寂しそうにヒクヒクとしている。

「俺もすぐに挿入れてやりたいところだが、残念ながら時間切れだ。そろそろ戻らないとマズイ」
「しょ、しょんなぁ」

 ここまできてお預けをくらったマオは、絶望したような表情を浮かべる。

「安心しろ。次こそは、キチンとマオの処女を奪って種付けセックスしてやる」
「ほ、ほんとうに?」
「ああ。そのためにも今日はお開きだ」
「……わ、わか、った。ユーキに種付けしてもらうために、我慢する」

 それでも、この熱が覚めるのが寂しいと思ってしまったマオは、時間ギリギリまで何度も勇人の胸に頬を擦りつけて甘えたのである。

 ******

「くそっ! くそくそくそ! どうなっているんだ!」

 幻は、腸が煮えくり返りそうな思いを破壊衝動に変換しながら声を荒げている。そこに、いつものような人を小馬鹿にしたような幻の姿はなかった。
 
「最悪だ! 余興とはいえあのような男に私の筋書きが滅茶苦茶にされるなど!」

 マオを使い、あの冒険者を排除しようとする筋書きは途中までは完ぺきだった。だというのに、いざことが始まろうとした瞬間に、マオは気絶させられ、監視に置いた目も破壊された。
 こんなことは想定していない。

「くそっ!」

 戻ってきたマオを見た所、命令はキチンと遂行されたようである。
 つまり、幻は美味しい所だけ奪われたことになる。

「許さん……! 私の計画を乱すような愚か者は絶対に殺してやる!」

 幻は、今回の計画を発動するときに、必ずあの男を殺すと誓った。

「そして、私の計画通りに動けないあの人形にも罰を与えねばならんな」

 もとより全ての片がつけば用済みである。

「獣同士、家畜で交配させるか? いや、魔物がいいか。くくくくくっ」

 幻は、部屋の中で狂ったように笑い続ける。
 彼らの計画発動まで、あと少しである。
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