とある店主の回顧録

ゆずは

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店主、13歳のクソガキ王子と出会う。

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「なあ、あんたが冒険者の統括やってる人?強いんだろ?俺に剣と魔法教えてくれよ」

 宿の扉を開き生意気なことを言い放ったのは、所々に青色が差した銀髪のクソガキだった。

「はぁ?なんで俺がお前みたいなクソガキの相手しなきゃならないんだ。そういうのはお抱えの教師にでもしてもらえ」

 身なりの整った高慢ちきな少年。その出で立ちだけで、どの程度・・・・の家格のボンボンなのかわかる。
 そんな世間知らずのクソガキが護衛を引き連れてこんな場所に来るなんざ、そもそも間違ってるんだ。
 ……護衛、を、連れて。

「おい」
「なんだ」
「護衛はどこだ」
「そんなものはいない」
「はあ?」
「そんなものより、俺のほうが強い」
「いやいやいや」

 このクソ生意気なガキの家は一体何を考えているのか。
 見るからに世間知らずなガキを、一人で出歩かせる?強いから?意味がわからない。強いったって、どうせ子供基準だ。

「悪いことは言わねぇから、さっさと帰んな。この辺はまだそんなに治安のいい場所じゃねぇんだよ。お前みたいな金持ちのクソガキなんざ、あっという間に攫われて売られても文句は言えねぇんだからよ」
「問題ない。強いから」

 話が通じねえ。
 何なんだこいつ。

「どうすっかな……」

 困った。
 なんで俺がこんな子守みたいなことをしなきゃならないんだ。

「お前、年は」
「13」
「……冒険者になりたいのか?」
「いや。俺はただ強くなりたい。…それが約束だから。兄上の、ために、強くならなきゃならない」
「俺のことは誰から聞いた?」
「いろいろ調べた。あんたがリーデンベルグ出身で、魔法剣士で、」
「ああ、いい。それ以上言うな」

 クソガキの言葉を遮った。
 それ以上はこんなところで暴露されたくもない。
 しっかしなぁ。
 このクソガキがそれだけの情報を得られる立場にあるって?……はぁ。とんでもないやつに目をつけられたもんだ。

「しょーがねぇなぁ。裏に来い。とりあえず見てやるよ」
「ありがとう」

 クソガキの表情があからさまに変わった。大人を舐めたムカつく笑顔ではなく、年相応のものでもなく、上に立つものとしての毅然とした笑顔。
 ……ああ、なるほどね。

「こっちだ」

 クソガキはおとなしく俺の後ろについてきた。

 13歳、この背格好、話し方、髪色。気づかなかった俺も俺だが、尚更、一人で出歩かせている家族・・に不信感が湧く。

 カウンターの後ろにある扉から、宿に併設した広場に出る。
 冒険者同士の手合わせや、訓練、見極めに使っている場所だ。

「剣を抜け。魔法はあとだ」

 クソガキは無言で鞘から剣を抜き放ち、俺に向けてきた。
 ふざけた様子はどこにもない。
 真剣そのものの表情。

 愛想なし、傲岸不遜、我儘、生意気。
 そんなイメージしか持てなかったんだがな。
 剣を構えた途端、雰囲気が剣士のそれになる。
 甘えもなく、己の腕だけを信じるそれに。

 俺も剣を抜いた。
 常に両腰に刺している片方を。

「来い」

 それが合図となった。

 クソガキは一気に俺と間合いを詰め、左に構えた剣を斜めに振り上げる。
 それを軽くいなせば、金属が触れ合う甲高い音が広場に響いた。
 攻撃はそれだけでは終わらず、すぐに二撃目が来る。
 目がいい。俊敏さもある。足腰の鍛錬もよくしているのだろう。剣に振り回されているのかと思えばそうでもなく、しっかりと足は大地を踏みしめ、重心をとっている。

「腕だけで剣を振るうな。体重を乗せろ。踏み込め、ほら、敵の獲物から視線がそれてるぞ」

 なんで俺がこんなクソ生意気な世間知らずのガキに剣を教えなきゃならないのか、……って、散々思っていたんだがなぁ。
 こいつ、中々に筋がいい。
 剣を合わせながら楽しくなるなんざ、久しぶりの感覚だ。

 まぁ、だからこそ、ちょっとやりすぎたと思ったときには、遅かったわけだが。

「っ、はっ」

 大粒の汗を流しながら、呼吸も荒くクソガキは地に臥した。
 落ちた剣を取ることもできない。手がしびれているだろうから、そもそも握ることもできないはずだ。

「ったく。すまんな。やりすぎた」
「……なんでっ、あんた、一歩も……っ」
「実力の差ってもんだな?」

 ニタリと笑って俺は一旦店内に戻った。エールのジョッキに冷たい水を汲み、大きめの桶にも水を張る。
 その二つを持って広場にでれば、クソガキはまだ座り込んで肩で息をしていた。

「おら」
「っ!!」

 容赦なく頭から冷水をかける。
 恨みがましい目で俺を見上げてきたクソガキにジョッキを渡せば、むすっとした表情をしながら、一気に呷った。

「いきなり水かけるとか…」
「頭冷えんだろ。お前、名前は」

 その場に俺も腰を落として視線を合わせれば、クソガキは逡巡した表情を見せてから、俺に視線を向けた。

「クリスだ」
「クリス、ね。俺はレヴィだ。仕方ねぇから、暫く面倒見てやるよ」
「本当か!?」
「ああ。けどな、次はちゃんと護衛を連れてこい。そうじゃなけりゃ、お断りだ。第二王子サマ?」

 そう告げたとき、クソガキクリスの表情はみるみる強張り、唇をぎゅっと引き締めた。

「なぜ」
「最初はわからなかったんだけどなぁ。冒険者ってのは、情報もなけりゃ仕事にならねぇんだよ。それにな、俺の過去なんざ、誰にでもわかるもんじゃねぇ。それこそ、国レベルじゃないとな」

 クソガキは諦めたようにため息をついた。その表情はどこか吹っ切れたようにも見える。

「……お前、わかってて俺に水をかぶせたのか」
「おうよ。何か悪かったか?クソ生意気なガキ」

 俺がニヤリと笑うと、クソガキも同じように笑った。

「いや、いい。よろしく頼む、レヴィ殿」
「今更かよ。気持ち悪いからレヴィでいい。なあ?クソガキ。お前のことは王子サマとでも呼ぼうか?」
「バカにされてるようで嫌だ」
「わかるか」
「……もう少し誤魔化したりしないのかレヴィ」
「性分だなぁ。ちゃんと王子サマとして扱ってほしいなら、城の教育係にでも世話になれ」
「……それは無意味だからいい。俺のことは王子扱いしなくていい。素のままのほうがやりやすい」
「なら、クソガキだな。成人したら名前で呼んでやるよ」
「ああ。楽しみにしてる」

 ……そういや第二王子といえば、最近魔物討伐に行ったんじゃなかったか?それも、確か初陣だったはず。

「お前」
「なに?」
「遠征行ってきたんだろ?帰城してすぐここに来たのか?」
「っ」

 クソガキの表情が歪んだ。
 …ああ、何かあったのか。

「守りきれなかった」
「誰を」
「……村の人も、兵士も、……沢山、死んだ」
「そりゃ、どうしようもないだろう」
「俺が、弱かったから」
「あのなぁ、どんな強さを持ってたって、死ぬときは死ぬんだよ。お前のその小さな手で、何十人も何百人も、同時に守れると思ってるのか?」

 今回の遠征では、魔物の討伐数は過去最大、人的被害は最小限だったと風の噂・・・で聞いている。
 少なくとも、周囲はそう評価しているのだから、こんなクソガキが一人で思い悩むことはないはずだ。

「俺は、全てを救いたい」
「無理だ」
「…でも、目の前の人だけでも、救いたい。こんなこともできないんじゃ、兄上を助けて支えて手伝うことなんて…できない。俺は、足手まといにしかならない」
「………っ、はぁっ。わーったよ。ま、今はそう思っとけ。後悔して立ち止まらなければ、お前は強くなれるから」

 そもそも十分な実力はついているというのに。
 何がこのクソガキをここまで追い詰めているんだか。
 王子としての重責か。
 騎士としての未熟さか。
 ……何れにしても、こんな子供が抱えるには早すぎるものばかりだ。

「もうちょっと力を脱いとけ。な?子供のうちは子供らしく笑ってればいいんだよ」
「…子供らしく?」

 無邪気に笑う顔をまだ見ていない。
 今日会ったばかりだから、仕方ない…だろうか?
 常に大人びた笑顔。計算され尽くした非の打ち所のない笑顔。自分の本心すら隠す笑顔。その笑顔の仮面に隠された本音。

 クソガキはよくわからない…って顔をした。
 何というか、それはそれで不憫だな。
 立場的なものや課せられたものがあるんだろうが、13歳の子供が「子供らしく振る舞う」ことが出来ない世の中なんて、救いようがない。

「まあいいか。あとは魔法だったか?」
「俺には魔力があると言われた。けど、魔法を使うことができないんだ。何かわからないか?」
「魔力が『ある』程度じゃ魔法は使えねぇよ。魔水晶は?」
「魔水晶?」
「高い魔力を持ったやつは、生まれるときに水晶を握りしめてる。それが魔水晶だ」
「…ない」
「なら、魔法を使う素質はねぇな」
「そうなんだ…」

 ……その、見るからにがっかりした顔はやめてくれ。なんか俺がいじめてるみたいじゃないか。

「しょうがねぇなぁ。とりあえず『視て』やるよ。手ぇ出せ」
「ん」

 だしてきた手には、少年らしさなんざかけらもなかった。皮膚の厚さや硬さ、節だった指なんかは、ベテランの剣士のそれだ。
 内心ため息を付きつつ、その手を握り込んだ。そうやってクソガキの魔力を確認したのだが…、俺はその事実に暫く動けなかった。

「レヴィ?」

 俺は、この国に来る前は、自由の国リーデンベルグの魔法機関に所属する魔法師だった。それも、最高位の。自慢じゃないが魔力は誰よりもある。紆余曲折あって今は冒険者宿の店主をしているわけだが、魔法の腕が落ちているということはない。俺自身、まだまだ一線で動ける冒険者の一人だ。
 そういった立場や経験があり、魔法や魔力に関しては誰よりも詳しいと自負している。
 ……その俺が、この事実をどう受け止め、説明したらいいのか、わからずにいる。
 いや、説明は、簡単なのか?

「剣がどうこう言う問題じゃねぇな。いいか、クソガキ。お前には魔力がある」
「それなら」

 俺の言葉に、クソガキの表情が緩んだ。

「だが、お前が思い浮かべるような『魔法』は使えない」
「なぜ?」
「お前の魔力が特殊だからだ。恐らく、お前の魔力はお前自身の体液に宿っている」
「意味がわからない。『体内に』という意味で、普通の魔法師と何が違う?」
「普通の魔法師……俺もだがな、体内に魔力を有しているが、それが身体の一部に宿っているわけじゃない。それぞれが持つ『気配』に近い。それを、手や杖を媒介にして一箇所に集め放つことで、魔力は『魔法』になる」
「……?俺の場合は?」
「そのやり方では一切効果は得られない」

 果たしてこのクソガキは理解できるだろうか。

「お前の魔力は体液そのもの。恐らく、血液が一番濃い魔力を持っているんだろう。だから、お前が魔法を使うときには、必ず体液を作用させる必要がある。だが、効果時間は極端に短い。例えば、お前の血液で魔法トラップを仕掛けたとしても、半日くらいでその効果は消えるだろう」
「……つまり?」
「お前さんの力は攻撃魔法には向かない。…いや、使うことはできない」
「じゃあ、なにができる?」
「一番向いているのは『付与』だろうな」
「付与?」

 クソガキの前に俺の剣を置く。

「ちょっと痛いが、指先を少し切って刀身に血を垂らしてみろ」

 クソガキが訝しげな目で俺を見た。それでも指示には素直に従う。
 懐から小型のナイフを取り出し、親指の腹にあて、スッと引く。

「……」

 クソガキは特に表情を変えることなく、赤い雫が刀身に落ちていくのを見ていた。

「……は?」

 刀身は、本来鈍い銀色――――金属の色を呈している。だが、クソガキの血液が触れたところは、鈍いながらも白く輝き、周囲にじわりと広がっていく。

「なんだ、これ」
「一時的に『魔法剣』になったんだよ。まあ、魔力を帯びた剣、だな」

 刀身はすぐに輝きを失った。
 意識して使ったわけでもなく、それなりの量の血液を付着させたわけでもないんだから、まあ、想定範囲内だ。

「……付与、魔法」
「使い方次第だな。武器に付与できれば、一時的な『魔法剣』になり、通常の武器攻撃ではあまり効果のない相手にも、魔法で攻撃したような手応えを得られる。魔法師がいない状況なら、お前の『付与』で戦況を大きく変えることも可能だ。すべてを理解することは難しいだろうが、何ができて何ができないのか、それを見極める必要がある」

 クソガキは己の掌をじっと見続けた。

「俺は……強くなれるのか?」
「特性を理解して使い方を習得できれば、何でもできるんじゃないか?…それこそ、剣で魔法をぶった斬るなんてことも出来るかもしれないな」
「……」

 信じられないものでも見るような目で俺を見る。
 ある意味万能なんだよ。『付与』は攻撃面でも防御面でも役に立つ。自分がそれを『付与』だと認識し、正しくイメージを結ぶことができれば、ただの魔法剣は属性剣になるし、身体に直接力を与えることもできる。防御力を高める『付与』であれば、敵からの攻撃もある程度は防ぐことはできるだろうし、属性防御も可能だろう。
 それだけ『付与』には可能性が秘められている。少なくとも、俺に『付与』は使えない。扱える属性は比較的多いが、ほれを剣に纏わせることは無理だ。
 ただ、こいつの『付与』は体液ありきのものだ。使い方を誤れば、己の命を脅かすようなことにも繋がってしまうだろう。
 ……このクソガキ、平気で無茶な使い方をしそうだしなぁ……。さっきも指先を斬るのに一切の躊躇いもなく、表情も動かなかったくらいだ。

「だがな、お前の体液を使うってことは忘れんな。普通の魔法師なら、『魔力消費』は気力を使うのと同じようなものだから、食べて寝れば回復する。だが、お前の場合は使えば使うほど体液を失う。血液を使う場合、『付与』するってことはお前の体から血液が失われていくってことだからな?」
「……わかった」

 真剣な表情で俺の話を聞いていたクソガキは、軽く目を伏せるといきなり肩を揺らして笑い出した。

「おい?」
「ありがとう、レヴィ。俺はこれで、今よりも強くなれる。まだわからないことが多いし使いこなすことは難しいが、レヴィのお陰で方向性が見えた」
「無理すんなよ?」

 俺のその言葉には、何も答えなかった。
 ふてぶてしく笑い、クソガキは立ち上がった。
 その表情に若干の不安を感じながら、俺も剣を手にして立ち上がる。

「今日はありがとう。また来るから稽古をつけてほしい」
「おう。護衛も連れて来い、って言ったこと忘れんなよ」
「……可能な限り」
「絶対、だ」

 クソガキは少し困ったような顔で笑い、頷く。
 なんでも自分だけで背負い込まずに、周りをもう少し頼ればいいんだけどな。

「それじゃあまた来る」
「おう。気をつけて帰れよ、クソガキ」

 最後に頭を思い切りぐしゃぐしゃに撫でた。
 何か文句を言いたげな表情を見せたが、諦めたようにため息をついて片手を上げて歩き始めた。
 まだまだ小さな背を見送り、この国も満更じゃないな…と思う。少なくとも、退屈はしなさそうだ。





 まあ、このクソガキと、この先長い付き合いになるとは、この時の俺は考えもしなかったがな。


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