【完結】僕とお兄ちゃんとお兄ちゃんの親友の適切な関係

僕とお兄ちゃんとお兄ちゃんの親友の適切な関係

おわり

　その日、あーちゃんが帰るとき、にこっと笑って、こーちゃんの顔を殴ってた。でも、殴った手でこーちゃんの顔を挟み込んで、舌を合わせるキスをしてた。
　…殴らなくてもいいんじゃ？と、思ったけど、こーちゃん、嬉しそうにしてたから、それでいいのかと納得してしまった。
　じゃあ僕も殴ったほうがいいの？って聞いたら、二人から全力で否定された。なんで？？


　夜、お母さんに、なにかいいことでもあったの？って聞かれて、こーちゃんとあーちゃんと恋人になったんだよ、って報告しようとしたら、こーちゃんに口を押さえられた。なんで？？


　寝る時間になって、いつもどおり、部屋の前でこーちゃんとキスをして、部屋に入って布団に潜り込んだ。
　でも、中々寝れなくて、どうしようかと思ったけど、こーちゃんのとこに行くことにした。
　足音を忍ばせて、そーっとドアを開けて、そーっとベッドに近づいて、そーっと隣に潜り込んだら、両手に捕まって、布団の中に引きずり込まれて、キスされた。
　来ると思ってた、って、笑われた。なんで？？

　こーちゃんに抱きついていても、なんか足りなくて眠れない。
　そしたら、こーちゃんはスマホを取り出して、通話状態にした。誰と…って思ったら、あーちゃんの声が聞こえてきた。ありがとう、こーちゃん。
　あーちゃんも、中々眠れなかったんだって。僕と一緒だね。でも、僕はまだこーちゃんがいるからいいけど、あーちゃんは一人だからさみしい、って。
　どうしたらいいかな、って思ってたら、あーちゃんが、昨日の動画送って、だって。こーちゃんはそれを聞くと、眉のあたりがピクピクしてた。なんで？？

　こーちゃんはすぐに何か送ってた。そしたら、あーちゃんが、ありがとう、って、嬉しそうな声出してた。
　どんな動画なのって聞いたら、二人とも黙っちゃった。なんで？？

　最後に、おやすみなさい、って、伝える。また明日も会えるよね？って。会えるよ、って、約束してくれた。よかった。
　だから、僕も安心して、こーちゃんに抱きついて、お休みって言って目を閉じた。大好き。

　……翌日。
　こーちゃんがあーちゃんに送った動画を見てしまって、めちゃくちゃうろたえた僕は盛大にベッドから転げ落ちて、お母さんにもお父さんにも心配された。
　大丈夫大丈夫……って言ったけど、正直、大丈夫じゃない。

　僕、怒ったからね！
　怒ったんだからね！！

　怒った……んだけど。
　僕の好きなご飯をたくさん作ってくれたこーちゃんと、僕の好きなケーキやおやつをたくさん手に持ったあーちゃんに、とってもとっても謝られたから、許しちゃった。

　あの動画は消してもらうけどね！！
　…ずっと一緒だもん。
　あんなの、いらないよね？




おしまい