上 下
19 / 25
春休みの適切な関係

家族会議

しおりを挟む



「晃司君、拓斗、お母さんとお父さん、ちょっと遠くの親戚にご不幸があって、行かないとならないんだけど…、貴方たち、どうする?」

「え」

「晃司は、まぁ、心配してないんだが、拓斗君、入学を控えて大変な時期だと思うんだけど、一緒に行くかい?」

「え、えっと」

「どれくらいになりそう?母さん、父さん」

「そうね……、急なことでむこうも混乱してるみたいで、早ければ3日……、でも、家の片付けやお手伝いが必要だとしたら、初七日までは向こうにいるかもしれなくて…」

「父さんも一緒?」

「ああ、そうだね。まあ、仕事はどうにでもなるし」

「じゃあ、オレたちはこっちに残るよ。万が一、一週間もむこうにいることになるなら、拓斗の制服の手配とか、俺たちで説明会なんかも行かなきゃならないし」

「「ああ~~~……、忘れてた…」」

「ん。じゃ、そういうわけで。…あ、そうだ。母さん」

「なに?」

「母さんたちがいない間、友達家に呼んでもいいかな」

「あら。綾人君?いいんじゃないかしら。春休みだものね。ついでに、拓斗、予習見てもらったらいいんじゃないかしら。4月からの授業、楽になるわよ?」

「えっ」

「じゃ、そういうことで」

「ああ、それじゃあ、晃司、カード預けておくから、必要なときに使って。無駄遣いはだめだからな。必要経費以外は小遣いから引くからな」

「わかってるよ。サンキュ、父さん。あー、出発は、明日?」

「そうなの。明日の朝に出るわ」

「わかった。……タク、風呂はいるよ」

「え。え?」

「晃司君がいてくれてよかったわ。迷惑かけちゃだめよ?拓斗」

「う?う、うん、…え?」

「母さん、大丈夫だから。拓斗、そんなに頼りなくないし」

「でも、私に似ておっちょこちょいでしょ…?」

「あー…、まあ、それも可愛いからいいかなとか思うけど…」

「晃司は本当に拓斗のことよく面倒見てるからなぁ」

「そりゃ、はじめから可愛い弟だったし」

「拓斗に彼女でも出来たら大変だな?お前…」

「……彼女?………うーん、そうだね…。とりあえず俺より頭が良くて俺とサシでやって勝てるくらいなら、許してもいいけど」

「「「無理でしょ」」」

「なら、しばらくは彼女いらないよねぇ。ね、タク?」

「ぅ、え?」

「いらないよね?」

「ぁ………………。はぃ。いらなぃです…」

「「……お兄ちゃん怖い……」」

「大事な弟だし。あ、ほら、父さんも母さんも、明日からの支度、しなきゃでしょ。俺たち風呂入ってくるから」

「ああ、うん。入っておいで」

「お風呂上がりにアイスでも食べて。入ってるから」

「ありがとう、母さん。ほら、タク、行くよ」
「はぃ」


しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

【完結】第三王子は逃げ出したい

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:470

とろけてまざる

BL / 完結 24h.ポイント:227pt お気に入り:2,166

聖域で狩られた教師 和彦の場合

BL / 完結 24h.ポイント:106pt お気に入り:72

真面目だと思っていた幼馴染は変態かもしれない

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:440pt お気に入り:373

僕の番が怖すぎる。〜旦那様は神様です!〜

msg
BL / 連載中 24h.ポイント:582pt お気に入り:385

Sランクの年下旦那様は如何でしょうか?

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:166

処理中です...