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春休みの適切な関係
家族会議
しおりを挟む「晃司君、拓斗、お母さんとお父さん、ちょっと遠くの親戚にご不幸があって、行かないとならないんだけど…、貴方たち、どうする?」
「え」
「晃司は、まぁ、心配してないんだが、拓斗君、入学を控えて大変な時期だと思うんだけど、一緒に行くかい?」
「え、えっと」
「どれくらいになりそう?母さん、父さん」
「そうね……、急なことでむこうも混乱してるみたいで、早ければ3日……、でも、家の片付けやお手伝いが必要だとしたら、初七日までは向こうにいるかもしれなくて…」
「父さんも一緒?」
「ああ、そうだね。まあ、仕事はどうにでもなるし」
「じゃあ、オレたちはこっちに残るよ。万が一、一週間もむこうにいることになるなら、拓斗の制服の手配とか、俺たちで説明会なんかも行かなきゃならないし」
「「ああ~~~……、忘れてた…」」
「ん。じゃ、そういうわけで。…あ、そうだ。母さん」
「なに?」
「母さんたちがいない間、友達家に呼んでもいいかな」
「あら。綾人君?いいんじゃないかしら。春休みだものね。ついでに、拓斗、予習見てもらったらいいんじゃないかしら。4月からの授業、楽になるわよ?」
「えっ」
「じゃ、そういうことで」
「ああ、それじゃあ、晃司、カード預けておくから、必要なときに使って。無駄遣いはだめだからな。必要経費以外は小遣いから引くからな」
「わかってるよ。サンキュ、父さん。あー、出発は、明日?」
「そうなの。明日の朝に出るわ」
「わかった。……タク、風呂はいるよ」
「え。え?」
「晃司君がいてくれてよかったわ。迷惑かけちゃだめよ?拓斗」
「う?う、うん、…え?」
「母さん、大丈夫だから。拓斗、そんなに頼りなくないし」
「でも、私に似ておっちょこちょいでしょ…?」
「あー…、まあ、それも可愛いからいいかなとか思うけど…」
「晃司は本当に拓斗のことよく面倒見てるからなぁ」
「そりゃ、はじめから可愛い弟だったし」
「拓斗に彼女でも出来たら大変だな?お前…」
「……彼女?………うーん、そうだね…。とりあえず俺より頭が良くて俺とサシでやって勝てるくらいなら、許してもいいけど」
「「「無理でしょ」」」
「なら、しばらくは彼女いらないよねぇ。ね、タク?」
「ぅ、え?」
「いらないよね?」
「ぁ………………。はぃ。いらなぃです…」
「「……お兄ちゃん怖い……」」
「大事な弟だし。あ、ほら、父さんも母さんも、明日からの支度、しなきゃでしょ。俺たち風呂入ってくるから」
「ああ、うん。入っておいで」
「お風呂上がりにアイスでも食べて。入ってるから」
「ありがとう、母さん。ほら、タク、行くよ」
「はぃ」
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