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 女の子の目はキラキラしてとても綺麗だった。
 その女の子を先頭に4人の女の子が私のところにやってきた。

「なんでしょうか」

「わっ、私。メリッサさまみたいな素敵な女性になれるように頑張ります!」

「アナタのお仕事はメイドなのかしら?」

「はいっ」

 まだ出会って間もないのに、憧れたと言われると、ちょっと歯がゆい。

「嬉しいわ。でも、私もまだまだ未熟なの。だから、色々手伝ってくれると嬉しいな」

「もちろんです!」

 それをソワソワしながら見ていた隣の女の子は肘で返事をした子をつつき、

「ねえ、名前を名乗らないのは失礼じゃないかしら?」

「あっ、そうだった。私、チェルシーって言います、この子はスノウ。あとは、メープル、スイミーです」

「よろしく、チェルシー、スノウ、メープル、スイミー」

「「「「はいっ」」」」

 とりあえず、メイドたちとはうまくやっていけそうだ。

「あっ、あの・・・・・・」

「スノウ。何かしら?」

 髪はヘアピンでピシッと整えて、眉毛も目もキリッとしたスノウ。声にも張りがあって几帳面そうだ。

「本当に女性のメリッサ様が、メイドだけではなく全体の統括をされるのですか?」

「ええ、そうよ」

 スノウは周りを気にする。
 周りの男性たちは私を値踏みするような目で見ているけれど、屈するわけにはいかない。今は統括者として立ち振るまわねければ、任命者のキリル様の判断が謝っていたことになる。従者として主の顔に泥を塗るのは避けなければならないのだ。

「・・・・・・」

 スノウも受け入れがたい事実の様子なのだけれど、私の態度を目の当たりにして言葉がないようだ。すると、スイミーがスノウの肩を叩き、

「メイドに価値観はいらないんじゃない? 主のお考えに合わせるのがメイドの使命。ですよね、メリッサ様」

 と穏やかな口調で言った。スイミーはいつでも余裕を持ち、物腰が柔らかそうなお姉ちゃん気質な子に思えた。

「うーん、8割・・・正解かな。やっぱり、ご命令通りだと足りない部分は出てくるから、臨機応変にね。それに、アナタたちらしさのおかげで主やお客様が快適になったら素敵なことじゃない?」

「なるほど、勉強になります」

「ごめんなさいね、屁理屈で。そんなこと言わなくてもスイミーは分かっていると思うけれど、念のためね?」

「ええ、分かっております」

 スイミーと私は「なるほど」と感心しているチェルシーを見て、私に微笑んだ。

「メープルは質問良さそう?」

 スイミーがメープルに尋ねると、メープルは天井を見上げて少し考えて、

「今のところは、ないですー」

 と、癒しボイスで答えた。着痩せしていそうな豊満な体に温厚そうな顔立ち。マイペースそうな子に感じた。

「じゃあ、改めてみんな。よろしくね」

「「「「はいっ」」」」

 メイドとして働いて貰うみんなと挨拶をして、他の従者とも話をしようと思ったら、もう誰もいなかった。

 そして、予備とは別に私が作ったマニュアル書が一部床に置かれていた。
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