美しい姉と優秀な姉に邪見にされても、王子を取られても、国外追放されても、最後に幸せになるのはこの私です。

西東友一

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 光をキラキラと反射させるウェーブがかった金色の髪。
 シルクのようなきめの細かい白い肌。
 柔らかそうな赤い唇に、出るところは出て、締まるところは締まっている体。

 フランソワお姉様に愛を囁かれて落ちなかった男性を私は見たことがない。
 あまりの美しさに、時々、陰湿なイジメを受けている女の私でもフランソワお姉様にイジメられることは物凄い光栄なことなんじゃないだろうかと、勘違いしてしまうくらいだ。

「これ、あげるわ」

「えっ」

 私が再びフランソワお姉様の魅力に見惚れていると、フランソワお姉様が男性に魅せる笑顔で私に微笑んできた。ヘルミンお姉様のハグから解放された私はゆっくりとその瓶を手に取る。

「えっ、あっ、本当によろしいのですか!?」

 二人のお姉様は顔を見合わせて微笑み、

「貴女には勿体無いくらい高いのだから大切に使いなさいよ」

 と忠告してきた。

「はい、フランソワお姉様。大事に取って大切な時に使わせて貰います」

 私がポケットに丁寧に入れようとすると、

「はぁ!?」

 ヘルミンお姉様がキレた。
 ただ、キレたと言っても少し慌てた感じだ。

「今日は私たちからあんたにプレゼントをあげた大切な日でしょ!? 違う!?」

「それはそうですが・・・」

 私はこれをくださったフランソワお姉様に目を向ける。

「そうよ、これを付けて街にでも出かけなさい」

「ですが、お掃除が・・・」

「掃除なんてメイドにやらせればいいでしょ?」

「お言葉ですが、ヘルミンお姉様がやれと仰ったのですが、どうしましょう?」

「あーー、あんたって本当に・・・」

「まぁまぁ、ヘルミン。ねっ?」

 フランソワお姉様が目でヘルミンお姉様に合図を送ると、興奮して鼻息を荒くして肩を上下していたヘルミンお姉様は「そうね」と言って、

「ほら、お小遣いをやるから早く行きなさい」

 と、お金を床にばら撒いた。
 二人には内緒だけれど、私はある理由でお金がたくさんある。だから、こんな端金拾っても仕方がないのだけれど、きっと笑顔で拾わないとまたイジメられる。

「はい、ありがとうございます」

 私は自室に戻る手間が省けたと割り切って、笑顔でお金を拾う。でも、これ以上不快な思いをするのは少し嫌だ。言う通りに早く行ってしまおう。

「では、日没までには帰って・・・」

「「ダメダメダメっ」」

 お二人は両手を振りながら否定してきた。私は頭にクエッションを浮かべてお二人を見ると、ヘルミンお姉様が再びイライラしながら、

「ほーんとっ、あんたって空気が読めないわね」

 と文句を言われた。


 
 
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