3 / 3
3
しおりを挟む
私ってこんな性格だし、永遠の美が手に入れば焦る必要はないのだからと、割り切って、再び魔力の増強と、アンチエイジングの魔法を自分にかけて過ごそうと思っていたら、私のところに王子が来たの。
「おぉ、噂に聞く絶世の美女とは本当だったか」
もうね、この言葉。私のハートを鷲掴みにしましたよ。声も爽やかだし、私を見つめる目が宝石のようにきれいだったのね。多分それを言われたとき、私の目はハートに変わったと思うわ。
それでね、私わかっちゃったの。
自分だけではキレイにできないものがあるって。
それは・・・・・・心。
私は優しい王子とお話したり、お食事したり、散歩をしたりして、心がとてもキレイになっていくのがわかったの。なんだろうな。フレッドの時にはエサをあげないと私を愛さないみたいな感じがあったのだけれど、王子とはもっと功利的な考えじゃなくて、相手のためにやりたいからやる、見返りは無くてもいいってそう思えたの。それぐらい王子には返せないほど大事にしてもらったと思う。これが、愛ってものなのかしら。
「最初は、美女だと言うからキミに会いたいと思った。でも、キミにあってキミと過ごして、キミは美女のうちの一人だが、ボクにとってのかけがいのない一人になった」
「私もです」
奇遇だった。
同じ価値観だったのでしょう。
私も王子の見た目から入ったけれど、今では王子はかけがいのない唯一のお人。
「結婚しよう」
「・・・はい」
惚れ薬で王子を落とした魔法使いも何人もいる。
魔法で王子を落とすほど魔力を持った魔法使いはいないけれど、そのうち生まれるかもしれない。
でも、真実の愛で愛される喜びを知っている魔法使いは私だけに違いない。
真実の愛は永遠に美しい。
・・・って、真理を見つけたし、永遠に美しくいたいのも、永遠に愛されたいからのような気がするけれど、私って魔法の勉強が好きだし、私がキレイだと思う私を王子にキレイって言って欲しいから、私の探求はまだまだ続く。もしかしたら、美を永遠に維持する魔法はないかもしれないし、あったとしても私にその魔法は扱えないかもしれない。
人は中身が大事って言う。それはフレッドを見ていてよーくわかった。でも、私は、中身も大事だけれどやっぱり外見にもこだわりたい。身なりを整えたり、お化粧したり、私の場合は魔法も含めて私の出せる最高の姿で、相手である王子は王子の出せる最高の姿で一緒にいることが、愛し愛される条件だと私は思っているから。
FIN
「おぉ、噂に聞く絶世の美女とは本当だったか」
もうね、この言葉。私のハートを鷲掴みにしましたよ。声も爽やかだし、私を見つめる目が宝石のようにきれいだったのね。多分それを言われたとき、私の目はハートに変わったと思うわ。
それでね、私わかっちゃったの。
自分だけではキレイにできないものがあるって。
それは・・・・・・心。
私は優しい王子とお話したり、お食事したり、散歩をしたりして、心がとてもキレイになっていくのがわかったの。なんだろうな。フレッドの時にはエサをあげないと私を愛さないみたいな感じがあったのだけれど、王子とはもっと功利的な考えじゃなくて、相手のためにやりたいからやる、見返りは無くてもいいってそう思えたの。それぐらい王子には返せないほど大事にしてもらったと思う。これが、愛ってものなのかしら。
「最初は、美女だと言うからキミに会いたいと思った。でも、キミにあってキミと過ごして、キミは美女のうちの一人だが、ボクにとってのかけがいのない一人になった」
「私もです」
奇遇だった。
同じ価値観だったのでしょう。
私も王子の見た目から入ったけれど、今では王子はかけがいのない唯一のお人。
「結婚しよう」
「・・・はい」
惚れ薬で王子を落とした魔法使いも何人もいる。
魔法で王子を落とすほど魔力を持った魔法使いはいないけれど、そのうち生まれるかもしれない。
でも、真実の愛で愛される喜びを知っている魔法使いは私だけに違いない。
真実の愛は永遠に美しい。
・・・って、真理を見つけたし、永遠に美しくいたいのも、永遠に愛されたいからのような気がするけれど、私って魔法の勉強が好きだし、私がキレイだと思う私を王子にキレイって言って欲しいから、私の探求はまだまだ続く。もしかしたら、美を永遠に維持する魔法はないかもしれないし、あったとしても私にその魔法は扱えないかもしれない。
人は中身が大事って言う。それはフレッドを見ていてよーくわかった。でも、私は、中身も大事だけれどやっぱり外見にもこだわりたい。身なりを整えたり、お化粧したり、私の場合は魔法も含めて私の出せる最高の姿で、相手である王子は王子の出せる最高の姿で一緒にいることが、愛し愛される条件だと私は思っているから。
FIN
4
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
「婚約破棄だ」と叫ぶ殿下、国の実務は私ですが大丈夫ですか?〜私は冷徹宰相補佐と幸せになります〜
万里戸千波
恋愛
公爵令嬢リリエンは卒業パーティーの最中、突然婚約者のジェラルド王子から婚約破棄を申し渡された
悪役令嬢カタリナ・クレールの断罪はお断り(断罪編)
三色団子
恋愛
カタリナ・クレールは、悪役令嬢としての断罪の日を冷静に迎えた。王太子アッシュから投げつけられる「恥知らずめ!」という罵声も、学園生徒たちの冷たい視線も、彼女の心には届かない。すべてはゲームの筋書き通り。彼女の「悪事」は些細な注意の言葉が曲解されたものだったが、弁明は許されなかった。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの。
朝霧心惺
恋愛
「リリーシア・ソフィア・リーラー。冷酷卑劣な守銭奴女め、今この瞬間を持って俺は、貴様との婚約を破棄する!!」
テオドール・ライリッヒ・クロイツ侯爵令息に高らかと告げられた言葉に、リリーシアは純白の髪を靡かせ高圧的に微笑みながら首を傾げる。
「誰と誰の婚約ですって?」
「俺と!お前のだよ!!」
怒り心頭のテオドールに向け、リリーシアは真実を告げる。
「わたくし、残念ながらその書類にはサインしておりませんの」
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
お前は要らない、ですか。そうですか、分かりました。では私は去りますね。あ、私、こう見えても人気があるので、次の相手もすぐに見つかりますよ。
四季
恋愛
お前は要らない、ですか。
そうですか、分かりました。
では私は去りますね。
後悔などありません。あなたのことは愛していないので。
あかぎ
恋愛
「お前とは婚約破棄する」
婚約者の突然の宣言に、レイラは言葉を失った。
理由は見知らぬ女ジェシカへのいじめ。
証拠と称される手紙も差し出されたが、筆跡は明らかに自分のものではない。
初対面の相手に嫉妬して傷つけただなど、理不尽にもほどがある。
だが、トールは疑いを信じ込み、ジェシカと共にレイラを糾弾する。
静かに溜息をついたレイラは、彼の目を見据えて言った。
「私、あなたのことなんて全然好きじゃないの」
悪役令嬢は手加減無しに復讐する
田舎の沼
恋愛
公爵令嬢イザベラ・フォックストーンは、王太子アレクサンドルの婚約者として完璧な人生を送っていたはずだった。しかし、華やかな誕生日パーティーで突然の婚約破棄を宣告される。
理由は、聖女の力を持つ男爵令嬢エマ・リンドンへの愛。イザベラは「嫉妬深く陰険な悪役令嬢」として糾弾され、名誉を失う。
婚約破棄をされたことで彼女の心の中で何かが弾けた。彼女の心に燃え上がるのは、容赦のない復讐の炎。フォックストーン家の膨大なネットワークと経済力を武器に、裏切り者たちを次々と追い詰めていく。アレクサンドルとエマの秘密を暴き、貴族社会を揺るがす陰謀を巡らせ、手加減なしの報復を繰り広げる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる