【完結】浮気をするなら手を引きましょう。永遠の美少年と言われた貴方もすぐにお終いです。【全三話】

西東友一

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 私ってこんな性格だし、永遠の美が手に入れば焦る必要はないのだからと、割り切って、再び魔力の増強と、アンチエイジングの魔法を自分にかけて過ごそうと思っていたら、私のところに王子が来たの。

「おぉ、噂に聞く絶世の美女とは本当だったか」

 もうね、この言葉。私のハートを鷲掴みにしましたよ。声も爽やかだし、私を見つめる目が宝石のようにきれいだったのね。多分それを言われたとき、私の目はハートに変わったと思うわ。

 それでね、私わかっちゃったの。
 自分だけではキレイにできないものがあるって。
 それは・・・・・・心。

 私は優しい王子とお話したり、お食事したり、散歩をしたりして、心がとてもキレイになっていくのがわかったの。なんだろうな。フレッドの時にはエサをあげないと私を愛さないみたいな感じがあったのだけれど、王子とはもっと功利的な考えじゃなくて、相手のためにやりたいからやる、見返りは無くてもいいってそう思えたの。それぐらい王子には返せないほど大事にしてもらったと思う。これが、愛ってものなのかしら。

「最初は、美女だと言うからキミに会いたいと思った。でも、キミにあってキミと過ごして、キミは美女のうちの一人だが、ボクにとってのかけがいのない一人になった」

「私もです」

 奇遇だった。
 同じ価値観だったのでしょう。
 私も王子の見た目から入ったけれど、今では王子はかけがいのない唯一のお人。
 
「結婚しよう」

「・・・はい」

 惚れ薬で王子を落とした魔法使いも何人もいる。
 魔法で王子を落とすほど魔力を持った魔法使いはいないけれど、そのうち生まれるかもしれない。
 でも、真実の愛で愛される喜びを知っている魔法使いは私だけに違いない。

 真実の愛は永遠に美しい。

 ・・・って、真理を見つけたし、永遠に美しくいたいのも、永遠に愛されたいからのような気がするけれど、私って魔法の勉強が好きだし、私がキレイだと思う私を王子にキレイって言って欲しいから、私の探求はまだまだ続く。もしかしたら、美を永遠に維持する魔法はないかもしれないし、あったとしても私にその魔法は扱えないかもしれない。

 人は中身が大事って言う。それはフレッドを見ていてよーくわかった。でも、私は、中身も大事だけれどやっぱり外見にもこだわりたい。身なりを整えたり、お化粧したり、私の場合は魔法も含めて私の出せる最高の姿で、相手である王子は王子の出せる最高の姿で一緒にいることが、愛し愛される条件だと私は思っているから。


 FIN


 
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