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「どうして・・・?」
いるはずのない、いてはいけないはずの幼馴染リチャード。
政治のことはよくわからないけれど、ザクセンブルク公国とこの国と確執ができたらしく、それ以来リチャードとは会うことはなかった。そんなリチャードがこんな時になぜいるのか私にはわからなかった。
「キミの御父上が亡くなったという知らせを聞いて来たんだ」
弱った私を慈しむように見るリチャード。
「よし、準備は済んだか!!?」
中の方からエドワードの声が聞こえた。
「・・・ひとまずこの場を離れよう」
そう言って、私はお姫様抱っこをされながら、門へと連れていかれた。
すると、大層豪華な馬車が止まっており、私たちに気づいた付き添うの人が駆け寄ってきて、急いで私たちを傘にいれてくれた。
「どうなさったんですか、旦那様っ。これは・・・?」
付き人が歩いてきた弱った私と、少し怒っているリチャードを交互に見て尋ねる。
「今は一刻を争う。彼女を連れて帰国するぞ」
馬車の扉を開けていた付き人はびっくりしていたけれど、リチャードの真剣な言葉に
「かしこまりましたっ!!」
と言って、扉を閉めて、急いで運転席へと向かった。
私はそっとソファーに横にさせられて、リチャードがタオルで私を優しく吹いてくれる。
「パパ・・・」
幼少の頃に風邪を引いてしまった時にお父様に看病してもらったことを思い出して、思わずそんなことを漏らしてしまった。そして、ツーーーッっと頬に冷たい水滴が流れた。
「・・・出せっ」
私の言葉に物言われぬ顔をして一瞬止まったリチャードは壁越しにそう伝えると言うと、
「はっ。はいよっ!!」
パチンッ
ヒヒーーンッ
カタ、コト、カタ、コト―――
付き人がムチを馬に打ち、ゆっくりと馬車が進んでいく。
「はっ、はあっ」
付き人がムチを何度か打つと、馬車は加速していく。
「少し揺れるけれど、我慢してほしい。アリア」
そう言って、私の頬を触るリチャード。
「あったかあい・・・」
私はその手に手を重ねてその温もりを感じると、思わず笑みがこぼれた。
お父様とお母様の二人が亡くなってから、久々に心の底から笑えた気がした。
「もう・・・大丈夫だから。もう・・・ボクがキミを守るからっ」
リチャードは涙を堪えながらそう、言ってくれた。
私は一瞬、エドワードの言葉をリチャードの言葉に重ねてしまったけれど、私のためにこんな風に涙を流すリチャードを見て、今度こそ心が穏やかになった。
私の代わりに震えてくれる彼を見て、私はもう片方の手で彼の背中を優しく撫でた。
いるはずのない、いてはいけないはずの幼馴染リチャード。
政治のことはよくわからないけれど、ザクセンブルク公国とこの国と確執ができたらしく、それ以来リチャードとは会うことはなかった。そんなリチャードがこんな時になぜいるのか私にはわからなかった。
「キミの御父上が亡くなったという知らせを聞いて来たんだ」
弱った私を慈しむように見るリチャード。
「よし、準備は済んだか!!?」
中の方からエドワードの声が聞こえた。
「・・・ひとまずこの場を離れよう」
そう言って、私はお姫様抱っこをされながら、門へと連れていかれた。
すると、大層豪華な馬車が止まっており、私たちに気づいた付き添うの人が駆け寄ってきて、急いで私たちを傘にいれてくれた。
「どうなさったんですか、旦那様っ。これは・・・?」
付き人が歩いてきた弱った私と、少し怒っているリチャードを交互に見て尋ねる。
「今は一刻を争う。彼女を連れて帰国するぞ」
馬車の扉を開けていた付き人はびっくりしていたけれど、リチャードの真剣な言葉に
「かしこまりましたっ!!」
と言って、扉を閉めて、急いで運転席へと向かった。
私はそっとソファーに横にさせられて、リチャードがタオルで私を優しく吹いてくれる。
「パパ・・・」
幼少の頃に風邪を引いてしまった時にお父様に看病してもらったことを思い出して、思わずそんなことを漏らしてしまった。そして、ツーーーッっと頬に冷たい水滴が流れた。
「・・・出せっ」
私の言葉に物言われぬ顔をして一瞬止まったリチャードは壁越しにそう伝えると言うと、
「はっ。はいよっ!!」
パチンッ
ヒヒーーンッ
カタ、コト、カタ、コト―――
付き人がムチを馬に打ち、ゆっくりと馬車が進んでいく。
「はっ、はあっ」
付き人がムチを何度か打つと、馬車は加速していく。
「少し揺れるけれど、我慢してほしい。アリア」
そう言って、私の頬を触るリチャード。
「あったかあい・・・」
私はその手に手を重ねてその温もりを感じると、思わず笑みがこぼれた。
お父様とお母様の二人が亡くなってから、久々に心の底から笑えた気がした。
「もう・・・大丈夫だから。もう・・・ボクがキミを守るからっ」
リチャードは涙を堪えながらそう、言ってくれた。
私は一瞬、エドワードの言葉をリチャードの言葉に重ねてしまったけれど、私のためにこんな風に涙を流すリチャードを見て、今度こそ心が穏やかになった。
私の代わりに震えてくれる彼を見て、私はもう片方の手で彼の背中を優しく撫でた。
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