グレーな天使はサイコパス。~自殺しようとしていたら、天使が現れて、イジメていた奴を殺せと言う~【6/2完結予定】

西東友一

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『なら、イジメている人を殺したらいかがですか?』

 私は思った。
 人の命をなんだと思っているのだろうか。

 天使の言った当たり前のような言葉に私はおののいた。

「あなたが自殺したとしましょう」

 人であれば、私の様子が落ち着くまで待ってくれたであろう。(あぁ、人と言ってもイジメてくるような人を除くが)けれど、天使は私が驚きつつも心の中でその言葉に興味を持つぐらいの余裕と、早く聞きたくなっているのを察知したかのように話を続ける。

「あなたは地獄で千年単位で罰を受けるでしょう。そして、あなたをイジメていた人たち、彼女らはおそらく天国に行きます」

「えっ・・・」

「あなたが遺書を残さないのもありますが、彼女らは社会的制裁も受けませんし、罪悪感もありません。なんなら、あなたが死んだことによる不快感をあなたのせいにします」

「・・・」

「天界としても、彼らがすぐになんらかの理由で死んだ場合、あなたを自殺に追い込んだ制裁として数年から数十年の罰を地獄で与えることになるでしょう。しかし、彼らはすぐに死ぬ予定はありません。なので、罰を与えることはないでしょう」

「そんな、なんですぐじゃないと駄目なんですか?」

「生きると言うことはそれだけで価値があり、徳を重ねていくのです。生きる上で誰かに迷惑をかけるのは当たり前であり、我々は人々の善なる行動を評価していきます。罪を一生背負うというような発想は天にも地にもありません」

 それじゃあ・・・私は・・・

「そうです。馬鹿みたい・・・というか「馬鹿」なのです、「憐れ」なのです」

 心のどこかで私が地獄に行くのだから、彼女達も地獄、それも私以上の罰を受けること期待していた。けれど、天使は私の苦しみをちっとも理解してくれない。

「私たちはあなた方人類が作った司法よりも適切です。あなたが恨みを持つことも理解はできますが、適切な判断を行っています」

 理解なんて嘘に決まっている。適切って・・・やっぱり、私がいけないの?

「あなたは善ではありません。かといって、今のところ悪でもありません」

 私に寄り添ってくれるわけではないけれど、勝手に私の頭を覗き込んで回答してくる天使。

「ですので、殺したらいかがですか、と提案しているのです」

「そんなこと・・・」

「あなただってわかっているはずです。あなたをイジメている人はあなたより偉いわけではありませんし、社会にとっての価値も私から見ればほとんど差異がありません。しょせん、あなた方の命は同じ価値なのです」

 




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