7 / 10
6
しおりを挟む
馬に乗って、草原を縦横無尽に駆け巡ったジンとフェイロン。
興奮するジンと見づらい状態で馬を操っていたフェイロン。
夕日が山に沈む頃、一番最初に疲れてしまったのは、二人より遥かにでかい馬の方だった。
「よっと」
馬から先に降りたのはフェイロン。
ジンはそのまま置いてけぼりになるんじゃないかと不安な顔をする。
(ふふっ。かわいいな・・・)
フェイロンは、ジンを安心させるような穏やかな笑顔でジンに手を差し伸べると、ジンは安堵の顔をして馬から降りるのを助けて貰った。
「・・・んっ」
地面に降りたジンは、さっきまで馬の上で散々揺れていたのが無くなり、身体が揺れを求めているのか、地面がぐらつくような錯覚を味わった。ジンはその酔ったみたいな面白い感覚を噛みしめた。
「どうだい、楽しかったかい?」
フェイロンに話しかけられて、ジンは自分一人で盛り上がっていたのが少し気恥ずかしくなりながら、
「うん、ああ・・・」
ジンは少し歯切れが悪かった。
というのも、ジンはフェイロンと出会った時よりも仲良くなりたいと思った。
でも、自分よりも優れているであろうフェイロンにため口で良いのか、丁寧語がいいのか少し悩んでいたからだ。
ジンはフェイロンがどんな反応をするのか、心配そうに見ていたけれど、
「それは良かった」
フェイロンはジンの言い方など少しも気にせず、得意げな顔で嬉しそうに笑った。それを見てホッとしたジンはフェイロンと対等に胸が張れそうなのが嬉しくて、ニヤけるのを堪えた。
キューーーーっ。
初めての乗馬はとても興奮したが、緊張もしていた。安堵したジンのお腹は貰った桃なんてあっという間に消化は済んでいて、催促の警報音を鳴らした。
「ふふっ。ジンはお腹だけは正直だね」
「うっ、うるせー」
(やっぱり、嫌な奴だ)
フェイロンにしてみれば、ちょっとしたかわいがりだったけど、ジンは意地悪に慣れていなかった。
「なんだよ・・・?」
「いや」
ただ、フェイロンから敵意を感じなくなったジンは、フェイロンの笑顔が喧嘩を売っているわけではないと分かり、先ほどよりは少しだけ嫌な気はしなかった。
「火は起こせる?」
「馬鹿にすんな、当然だろ」
「じゃあ、お願いするよ」
「はぁ!? なんで、俺が」
ジンは大きな声を出した。別に火を起こすのなんて、造作もないことだ。けれど、お願いであっても命令されることを反射的に拒んでしまった。
「うん、じゃあそこら辺にいてくれるかな?」
そんなジンの態度に動じることなく、フェイロンは命令でもお願いでもなく、提案してみた。
「・・・分かった」
「うん、ありがとう」
フェイロンはジンの返事にお礼を言って「さて・・・」と言いながら手を擦り合わせて周りを確認し、何かを始めようとする。
「おい・・・」
「ん? なんだい?」
ジンはバツが悪そうに頬を掻きながら、
「・・・どこに火を作ればいいんだ」
と、ジンは初めてフェイロンに歩み寄ってみた。
興奮するジンと見づらい状態で馬を操っていたフェイロン。
夕日が山に沈む頃、一番最初に疲れてしまったのは、二人より遥かにでかい馬の方だった。
「よっと」
馬から先に降りたのはフェイロン。
ジンはそのまま置いてけぼりになるんじゃないかと不安な顔をする。
(ふふっ。かわいいな・・・)
フェイロンは、ジンを安心させるような穏やかな笑顔でジンに手を差し伸べると、ジンは安堵の顔をして馬から降りるのを助けて貰った。
「・・・んっ」
地面に降りたジンは、さっきまで馬の上で散々揺れていたのが無くなり、身体が揺れを求めているのか、地面がぐらつくような錯覚を味わった。ジンはその酔ったみたいな面白い感覚を噛みしめた。
「どうだい、楽しかったかい?」
フェイロンに話しかけられて、ジンは自分一人で盛り上がっていたのが少し気恥ずかしくなりながら、
「うん、ああ・・・」
ジンは少し歯切れが悪かった。
というのも、ジンはフェイロンと出会った時よりも仲良くなりたいと思った。
でも、自分よりも優れているであろうフェイロンにため口で良いのか、丁寧語がいいのか少し悩んでいたからだ。
ジンはフェイロンがどんな反応をするのか、心配そうに見ていたけれど、
「それは良かった」
フェイロンはジンの言い方など少しも気にせず、得意げな顔で嬉しそうに笑った。それを見てホッとしたジンはフェイロンと対等に胸が張れそうなのが嬉しくて、ニヤけるのを堪えた。
キューーーーっ。
初めての乗馬はとても興奮したが、緊張もしていた。安堵したジンのお腹は貰った桃なんてあっという間に消化は済んでいて、催促の警報音を鳴らした。
「ふふっ。ジンはお腹だけは正直だね」
「うっ、うるせー」
(やっぱり、嫌な奴だ)
フェイロンにしてみれば、ちょっとしたかわいがりだったけど、ジンは意地悪に慣れていなかった。
「なんだよ・・・?」
「いや」
ただ、フェイロンから敵意を感じなくなったジンは、フェイロンの笑顔が喧嘩を売っているわけではないと分かり、先ほどよりは少しだけ嫌な気はしなかった。
「火は起こせる?」
「馬鹿にすんな、当然だろ」
「じゃあ、お願いするよ」
「はぁ!? なんで、俺が」
ジンは大きな声を出した。別に火を起こすのなんて、造作もないことだ。けれど、お願いであっても命令されることを反射的に拒んでしまった。
「うん、じゃあそこら辺にいてくれるかな?」
そんなジンの態度に動じることなく、フェイロンは命令でもお願いでもなく、提案してみた。
「・・・分かった」
「うん、ありがとう」
フェイロンはジンの返事にお礼を言って「さて・・・」と言いながら手を擦り合わせて周りを確認し、何かを始めようとする。
「おい・・・」
「ん? なんだい?」
ジンはバツが悪そうに頬を掻きながら、
「・・・どこに火を作ればいいんだ」
と、ジンは初めてフェイロンに歩み寄ってみた。
0
あなたにおすすめの小説
バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる
衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。
男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。
すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。
選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。
二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。
元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。
夜が明けなければいいのに(洋風)
万里
BL
大国の第三皇子・ルシアンは、幼い頃から「王位には縁のない皇子」として育てられてきた。輝く金髪と碧眼を持つその美貌は、まるで人形のように完璧だが、どこか冷ややかで近寄りがたい。
しかしその裏には、誰よりも繊細で、愛されたいと願う幼い心が隠されている。
そんなルシアンに、ある日突然、国の命運を背負う役目が降りかかる。
長年対立してきた隣国との和平の証として、敵国の大公令嬢への婿入り――実質的な“人質”としての政略結婚が正式に決まったのだ。
「名誉ある生贄」。
それが自分に与えられた役割だと、ルシアンは理解していた。
部屋に戻ると、いつものように従者のカイルが静かに迎える。
黒髪の護衛騎士――幼い頃からずっと傍にいてくれた唯一の存在。
本当は、別れが怖くてたまらない。
けれど、その弱さを見せることができない。
「やっとこの退屈な城から出られる。せいせいする」
心にもない言葉を吐き捨てる。
カイルが引き止めてくれることを、どこかで期待しながら。
だがカイルは、いつもと変わらぬ落ち着いた声で告げる。
「……おめでとうございます、殿下」
恭しく頭を下げるその姿は、あまりにも遠い。
その淡々とした態度が、ルシアンの胸に鋭く突き刺さる。
――おめでとうなんて、言わないでほしかった。
――本当は、行きたくなんてないのに。
和風と洋風はどちらも大筋は同じようにしようかと。ところどころ違うかもしれませんが。
お楽しみいただければ幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる