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最強の味方。
さっきのエリオットでも物凄い強かったのに、そのエリオットが言う「最強」にレイラは期待しかなかった。そんなレイラが太陽の光を浴びた時、約束された勝利を確信して、目を閉じた。
そして、どんな最強の味方がいるのか、ゆっくりと目を開ける。
「嘘でしょ・・・っ」
そこには誰もいなかった。
正確には自分たちが乗ってきた馬車とその運転手がいたけれど、運転手なんか手を繋いで走って来た二人と、そのうしろの化け物たちを見て、物凄い驚いていて、最強の「誰か」に当てはまる要素なんて一つもなかった。
「どういうことっ!!?いないじゃない。エリオットっ!!!」
大人しく継母や義母妹の言うことを聞いていたレイラとは思えないくらい大声で叫んで、怒っていた。
「ふふっ。見えないのかい?最強の味方が」
「そんなのどこにいるのよっ」
外に出た二人が立ち止まって口論・・・というか、レイラの文句を余裕そうにエリオットが聞いている。
「ギャアアアアアアアッ」
(こんなことしている場合じゃなかったっ)
レイラが慌てて、追ってきた魔物たちを見る。
「嘘でしょ・・・っ」
苦しみだす3匹の魔物たち。煙が出て身体がどんどん溶けていく。
「どういう・・・」
レイラがエリオットに尋ねようとすると、エリオットは天を指さす。
キュラドが倒されたせいか霧が晴れ、空には一片の雲すらなかった。
そんな空で唯一存在するモノ・・・それは・・・
「太陽?」
レイラは眩しそうに太陽を見る。
「天は、悪を赦さない」
エリオットが3匹を見ながら、そう呟いた。
「「「ギャアアアアアアアアアッ」」」
霧が晴れてぽかぽかの陽気。
それは普通の人間にとってとても心地がよい天気。
しかし、三匹には違う。
地獄の業火に焼かれる罪人の断末魔の叫びのような声で転がり苦しみ、踊る姿はこの世のものとは思えなかった。
「・・・・・アァ」
そして、黒い霧となった3匹は跡形もなく消えていった。
「どうやら・・・彼女らに善意は残っていなかったらしいね・・・さて・・・」
片膝をついて、右手の拳を胸に当てるエリオットはレイラに頭を下げる。
「ボクの名前はエリオット。シンギュランド王国の王子です。キミを探しに参りました」
「私を探すって・・・どういうこと?」
レイラはわけのわからないことが多すぎて混乱しつつも、エリオット王子に尋ねる。
「キミの父君チューター王と母君パンプキン王妃はさらわれた娘をずーっと探していました。そして、私の国であるこの地でキミをさらったとされていたマルガリータを見つけたという知らせがあり、ボクが馳せ参じました」
「マルガリータが、私をさらった?嘘・・・っ、だって、マルガリータ様は・・・」
「王に惚れ、王妃に嫉妬した落ちぶれの貴族でございます。さらったときは独りと聞いており舞いしたが、娘までいたとは知りませんでした。きっと、慣れない土地で一人で生きることができず、この地で男でも作り・・・そして、別れたのでしょう」
「嘘・・・」
その言葉を聞いても全然レイラの心には入ってこなかった。
「嘘ではございません。現に彼女に卑しさがなければ、障気にあてられても、魔物堕ちすることもなく、彼女に罪がなければ、太陽の下でも平気でいられたはずです」
「でもだからって・・・私が王族だなんて・・・」
「僭越ながら、レイラ様のお顔は、パンプキン王妃にそっくりですし、髪に愛された王家しか現れないと言う、チュータ王と同じ白い光のオーラを感じます。そして、その首からぶらさげているお守りが何よりの証拠です」
エリオットはレイラの首飾りのペンダントを見た。
「さぁ、レイラ姫。バレンタイン城へ向かいましょう」
エリオットは手を差し出す。彼の瞳は真っすぐで、濁ることはなかった。レイラはエリオットを信じ、彼が差し出した右手をそっと手に取った。
さっきのエリオットでも物凄い強かったのに、そのエリオットが言う「最強」にレイラは期待しかなかった。そんなレイラが太陽の光を浴びた時、約束された勝利を確信して、目を閉じた。
そして、どんな最強の味方がいるのか、ゆっくりと目を開ける。
「嘘でしょ・・・っ」
そこには誰もいなかった。
正確には自分たちが乗ってきた馬車とその運転手がいたけれど、運転手なんか手を繋いで走って来た二人と、そのうしろの化け物たちを見て、物凄い驚いていて、最強の「誰か」に当てはまる要素なんて一つもなかった。
「どういうことっ!!?いないじゃない。エリオットっ!!!」
大人しく継母や義母妹の言うことを聞いていたレイラとは思えないくらい大声で叫んで、怒っていた。
「ふふっ。見えないのかい?最強の味方が」
「そんなのどこにいるのよっ」
外に出た二人が立ち止まって口論・・・というか、レイラの文句を余裕そうにエリオットが聞いている。
「ギャアアアアアアアッ」
(こんなことしている場合じゃなかったっ)
レイラが慌てて、追ってきた魔物たちを見る。
「嘘でしょ・・・っ」
苦しみだす3匹の魔物たち。煙が出て身体がどんどん溶けていく。
「どういう・・・」
レイラがエリオットに尋ねようとすると、エリオットは天を指さす。
キュラドが倒されたせいか霧が晴れ、空には一片の雲すらなかった。
そんな空で唯一存在するモノ・・・それは・・・
「太陽?」
レイラは眩しそうに太陽を見る。
「天は、悪を赦さない」
エリオットが3匹を見ながら、そう呟いた。
「「「ギャアアアアアアアアアッ」」」
霧が晴れてぽかぽかの陽気。
それは普通の人間にとってとても心地がよい天気。
しかし、三匹には違う。
地獄の業火に焼かれる罪人の断末魔の叫びのような声で転がり苦しみ、踊る姿はこの世のものとは思えなかった。
「・・・・・アァ」
そして、黒い霧となった3匹は跡形もなく消えていった。
「どうやら・・・彼女らに善意は残っていなかったらしいね・・・さて・・・」
片膝をついて、右手の拳を胸に当てるエリオットはレイラに頭を下げる。
「ボクの名前はエリオット。シンギュランド王国の王子です。キミを探しに参りました」
「私を探すって・・・どういうこと?」
レイラはわけのわからないことが多すぎて混乱しつつも、エリオット王子に尋ねる。
「キミの父君チューター王と母君パンプキン王妃はさらわれた娘をずーっと探していました。そして、私の国であるこの地でキミをさらったとされていたマルガリータを見つけたという知らせがあり、ボクが馳せ参じました」
「マルガリータが、私をさらった?嘘・・・っ、だって、マルガリータ様は・・・」
「王に惚れ、王妃に嫉妬した落ちぶれの貴族でございます。さらったときは独りと聞いており舞いしたが、娘までいたとは知りませんでした。きっと、慣れない土地で一人で生きることができず、この地で男でも作り・・・そして、別れたのでしょう」
「嘘・・・」
その言葉を聞いても全然レイラの心には入ってこなかった。
「嘘ではございません。現に彼女に卑しさがなければ、障気にあてられても、魔物堕ちすることもなく、彼女に罪がなければ、太陽の下でも平気でいられたはずです」
「でもだからって・・・私が王族だなんて・・・」
「僭越ながら、レイラ様のお顔は、パンプキン王妃にそっくりですし、髪に愛された王家しか現れないと言う、チュータ王と同じ白い光のオーラを感じます。そして、その首からぶらさげているお守りが何よりの証拠です」
エリオットはレイラの首飾りのペンダントを見た。
「さぁ、レイラ姫。バレンタイン城へ向かいましょう」
エリオットは手を差し出す。彼の瞳は真っすぐで、濁ることはなかった。レイラはエリオットを信じ、彼が差し出した右手をそっと手に取った。
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