転生先は王子様

五珠 izumi

文字の大きさ
11 / 13

11 幸せな宝物

しおりを挟む

「すみませんカール王子様。せっかくランディ様とのデートなのに。私、お邪魔ですね」

『彼女』であるリゼット・モーガン伯爵令嬢の邸宅へと向かう馬車の中。
 ランディの横に座っているシシリア嬢が、おかしなことを言ってきた。

「デ、デートじゃないよっ? 今から私の『彼女』の所へ行くんだよ?」

 そんなこと、他の人に聞かれたらあの噂は本当だったと思われてしまう。

「……そうですかぁ?」

 シシリア嬢は笑みを浮かべ、ランディを横目で見る。
 ランディはといえば、馬車に乗ってからずっと仏頂面をして窓の外を眺めていた。

 昨日、シシリア嬢を紹介された時にはランディの彼女何じゃないかと思ったりもしたのだけれど。
 どうも、違うみたいだ。
 シシリア嬢の言う通り、二人は本当に友人なのだろう。

「リゼット伯爵令嬢とは、どんな方なのですか?」

 シシリア嬢がまん丸な目を向けて聞いてきた。

 モーガン伯爵家までは、まだ少し距離がある。
 私はシシリア嬢に話をすることにした。

「リゼット嬢はね……」

 8人目の『彼女』リゼット・モーガン伯爵令嬢。
 薄い紫色の髪と青い目のかわいい女性だ。

 出会ったのは2年前。
 彼女を一目見て、私から『彼女』になって欲しいと頼んだ。あの時、私はなぜだかどうしてもリゼット伯爵令嬢に『彼女』になって欲しいと思ったのだ。

 ーーだが、すぐに断られた。

「カール王子様、私はこんな姿なのです」

 リゼット伯爵令嬢は、自身の持つ白い杖を見せると寂しそうに笑った。

 リゼット嬢は生まれた時から足が悪かった。
 この国には、聖女も魔女もいる、魔法も使えるのに、彼女の足は治すことができなかった。

 だが、足の治らない原因こそが、魔法だった。

 はじまりは、リゼット嬢が生まれてすぐ、モーガン伯爵が足の治療のために呼んだ魔女だ。
 魔女は彼女の足の原因となる骨を治した。歩くようになるまでは完全に治っているのかわからないと言い、何かあれば再び自分を呼ぶようにと告げた。
 それから数年後、しばらくは何事もなく歩いていたリゼット嬢が、足が痛いと泣くようになった。
 モーガン伯爵は、もう一度あの魔女を呼んだ。
 しかし、訪れた魔女は、あの魔女の孫娘だった。
 最初にリゼット嬢に治癒を施した魔女は、高齢のため亡くなっていたのだ。
 そのため、魔女の孫娘がリゼット嬢に痛みを取り除く治癒魔法を掛けた。
 痛みは一旦治ったものの、一年後には再び痛みはじめた。

 魔法は一人一人が微妙に違う性質を持つ。それが同じ呪文でもだ。
 ただ、当時その事を知るものは、聖女にも魔法を使う魔女たちの中にも少なかった。
 当然、何も知らないモーガン伯爵は、娘の足を治してやりたいという思いで、いろいろな聖女や魔女に治癒をたのんだ。
 しかし、重ねられた治癒魔法はリゼット嬢の足を治すどころか悪化せ、杖がなければ歩けない状態になったのだ。

「リゼット嬢の足を治せる人を探すためにも、私の『彼女』になって、と言ったんだ。でも、ぜんぜん見つけられなくてさ」

 ノーラ聖女にも見てもらったけれど、自分にはどうにもできないと言われた。
 あれから1年半、リゼット伯爵令嬢とは会えずじまいだ。

 私が話終えると、シシリア嬢はゆっくり目を伏せた。

「それは……モーガン伯爵もさぞ悲しまれたでしょうね」
「うん、そうなんだ」

 娘のためにと思ってやったこと。
 モーガン伯爵は悪くない。

 それに、誰であろうと、自分が望みが叶うときけば、どんなものにも手を出してしまうのだ。

 話を終えた私は、窓の外に目を向けた。


 ーー私も、前世で似た様なことがあった。

 それは、子どもが欲しいと切に願っていた頃。
 私は、子宝の御利益があるときけばそこへ足を運んでいた。
 数々の神社でお祓いをし、お札にお守り、子宝の石にパワーストーンなど手に入れていた。
 けれど、赤ちゃんを授かる気配すらなくて。
 そんなある日、商店街のイベントに有名な占い師がきたのだ。
 占いも好きだった私は、もちろん占ってもらった。

『あなた、いろんな所に行き過ぎて、たくさんの生き霊が付いているわよ。子どもを授かれない原因はそれね』
『えっ、それじゃ私は、どうすればいいんですか?』
『これを持っていれば大丈夫』

 そう言って渡されたパワーストーン、五千円也。

 その占いを信じたわけじゃないけれど、その後は人の多いところを避けるようになった。
 だって生き霊って、生きている人の霊でしょ?

 お札や御守りはある程度返しに行った。たくさんあった子宝グッズはどうにもできなくて、そのまま箱に仕舞い込んだ。

「そういえば、招き猫を買いに朝から並んだ事もあったなぁ……あれ、どうしたっけ」

「マネキネコってなんですかぁ?」

「ーーへっ?」

 やばっ、口に出てた。
 とりあえず、笑ってみたけれど、私を見るシシリア嬢の顔は興味津々で。

 うわぁー、この国、招き猫ないのかな? ないよね⁈


「……猫の置物だろ」

 ランディが外を眺めたまま言った。

「ああ! 猫の置物! そういえばマネキネコという名前のものがありましたね!」

 知ってる、知ってると言いながら、シシリア嬢は頷いた。

 ーー招き猫……この国にはそんなの無いよね?


◇◇◇◇


 カールが呟いた『招き猫』。
 それは、一人になって半年が過ぎた頃。実家へ戻るため、部屋を片付けていた時に見つけた白いダンボール箱に入っていた。
 箱には大小様々なたくさんの招き猫、変な黒い人形と唐辛子みたいな飾りが入ってた。
 それから、香がよく着けていた白とピンクの石の腕輪と、子宝の御守りが一つ。
 後でわかったけど、箱の中身全て、子宝祈願の物だった。

 ーーこれを香は……どんな気持ちで箱に仕舞い込んだんだろう。

 想像して……俺は、箱を抱えて泣いた。

 ーーごめん、ごめん香。子どもができなかったのは俺のせいだ。
 俺が正直に言っていれば、それでも、ずっとそばにいてほしいと伝えれば……。
 いなくなった今、こんなこと思ってもどうしようもない。

 ーーダンボール箱はそのまま寺に持っていった。
 お祓いして処分しておきますね、と言われ、慌てて香がよく着けていた白とピンクの石の腕輪を取り出した。
 男の俺が着けるのには抵抗があったから、部屋に飾った香の写真の前に置いた。
 毎朝仕事へ行く前に握りしめて「行ってきます」と言うのが俺の定年までの習慣となっていた。

 40年の間には紐も切れて、腕輪はバラバラになったけれど。
 そのバラバラの石を、香を思って握りしめていた。

『転生したらまた会える』
 そう思うことが、俺の生きる希望だった。
(再び香に会ったなら、全部話して謝って、もう一度一緒になって欲しいと伝える)

 一日も早く転生したいと願っていたが、自ら命を断つことも、命を縮める行為もしなかった。
 俺の転生には、条件があったのだ。
 転生を急ぎ、自ら命を絶ってはならない。必ず寿命を全うしなければならない。

 それが守れなければ、二度と香と同じ場所に転生することはない。


 今、生まれ変わった香はすぐそこにいる。
 この腕に抱きしめられるほど近くにいるのにーー。


◇◇◇◇


 ーーしっ視線を感じる。
 思わず逸らしてしまったが、さっきまで外を眺めていたランディが、招き猫の話の後から、ずっと私を見ているのだ。
 それも、すごく熱い視線で。

 それを、シシリア嬢がワクワクした顔をして見ているのも気になる。

 ううっ、ランディ。その顔で見つめてくるなっ、男でも恥ずかしいぞ!


「うふふ、氷の騎士の熱視線、凍るの? 溶けるの? なーんて!」

 小さな声でシシリア嬢がくだらない事を言っている。
 聞こえてないフリをしてるけど、全部聞こえてるからね!

「あっ、と・ろ・け・ちゃう、かな~?」
「……」

 ランディの熱視線を受けながし、シシリア嬢の話を聞きながしながら、やっとモーガン伯爵邸へと着いた。
 先ぶれを出していたからか、玄関先でモーガン伯爵と夫人が待っていた。

「カール王子様、ようこそいらっしゃいました」

 モーガン伯爵と夫人は深々と頭を下げる。

「久しぶりだね。って、モーガン伯爵、夫人も、どうしたの?」

「その……あったといいますか。どうか! カール王子様、我々に温情をお与え頂きたいのです」
 二人はさらに頭を下げる。

「……どういう事?」
 頭を上げて詳しく話すよう告げると、モーガン伯爵夫妻は顔を上げた。

「詳しくは、見ていただければおわかりになると思います」
 モーガン伯爵夫妻はもう一度頭を下げた。

「どうぞこちらへ……。リゼット達が待っております」
「……達?」

 リゼット嬢は一人娘のはずだけど?
 モーガン伯爵に案内され、リゼット嬢の待つ部屋へ向かった。
 はじめて入った彼女の部屋の中に、リゼット嬢がいた。

「カール王子様、お久しぶりでございます」

「ああ、長らく会いに来なくてすまなかったね。変わりはない……?」

 ーーないことは無いよね?
 どう見ても、何かあった。

 リゼット嬢は腕に、かわいい赤ちゃんを抱いていた。
 二人の横には、くの字に体を折り曲げ頭を下げる茶髪の青年もいる。

 ーー誰?

 リゼット嬢は私の視線の先に気づくと、赤ちゃんの顔を私に見せた。

「カール王子様、この子は私の子供です」
「そ、そのようだね。そっくりだ、うん、とても可愛い」

 かわいい赤ちゃんだ。ぷにぷにしている、何ヶ月くらいかな?
 などと考えている間も、リゼット嬢の隣では茶髪の青年が頭を下げ続けていた。
 ーーリゼット嬢、リゼット嬢の赤ちゃん、となるとその青年は……。

「ねぇ君、頭を上げてよ。そのままでは話も出来ないよ?」

 申し訳なさそうに顔を上げた青年を見て、ハッとした。
 その青年は、幼少期の剣術の先生であったハミルトン伯爵の次男、セレス令息だったのだ。
 彼も一緒に指導を受けていた。私はあまり上手くなかったが、彼は父親譲りの腕前で素早い突きは秀逸だった。

「カール王子様、お久しぶりです。セレス・ハミルトンです」

「久しぶりだねセレス。もしかして、君がその子の父親なの?」
「はい、その通りです」

 そうか、父親。ーー父親?

「ほぇっ⁉︎ ほ、本当に?」
 驚いて変な口調になってしまった。

 リゼット嬢は私の、この国の王子の『彼女』だ。
 とはいえ、恋をしてもかまわないし、他に好きな相手が現れたなら『彼女』から外れることもできる。
 リゼット嬢からそう言った話はこれまでまったくなかった。
 それなのに、子ども?

 意味がわからない私は、ただ目を丸くした。

「一年半程前になります」

 セレス伯爵令息が、申し訳なさそうに話をはじめた。

 事業の一部で庭の造形を請け負っていたハミルトン伯爵は、モーガン伯爵から庭を作り替えたいと頼まれ、ハミルトン伯爵はセレスと職人を連れて、モーガン伯爵家を訪れた。

 セレスは、そこで初めてリゼット嬢と出会い、何度か会って話をする内に、互いに惹かれあい、子供が出来たという。

「ちょっ、待ってよ。互いに惹かれ合ったのはわかるけど、それだけじゃ子供は出来ないだろうっ!」

 早すぎる、セレス! お前早いのは突きだけじゃなかったのか!

「申し訳ありません!」

 セレスは深々と頭を下げた。

 ーーまったく。

(ーーああ、だからモーガン伯爵夫妻は、温情をと言ったのか……)
 玄関先で深々と頭を下げたモーガン伯爵夫妻の理由が、ここでようやくわかった。
 モーガン伯爵夫妻は『彼女』となっているにもかかわらず、妊娠し子どもを産んだ娘に、私が罰を与えると思っていたのだ。

 うーん?
『彼女』は『婚約者』ではない。婚約者候補だ。
 罰なんて与えるつもりはないし、与えるのはおかしな気がする。
 それに『彼女』に入ってもらったのは私だ。一年以上も会わなかったのも私。

「リゼット嬢、手紙でもいいから私に一言伝えてくれればよかったのに。セレスもだよ?」

 笑みを浮かべ伝えると、セレスが再び頭を下げた。

「本当に申し訳ありません」
「カール王子様、本当に……」

 リゼット嬢が頭を下げようとすると、赤ちゃんがぐずりだした。
「お腹が空いたの?」
 リゼット嬢は優しく語りかけながら、赤ちゃんをあやしている。

 その光景を微笑ましく見ていた私は、あることに気がついた。

 リゼット嬢は赤ちゃんを両手で抱いているのだ。
 もちろん杖は持っていない。
 セレスが支えている訳でもなく、一人でしっかりと立っている。

「リゼット嬢! 杖が無くても平気なの⁉︎」

 リゼット嬢は優しく微笑み小さく頷いた。

「何故かわかりませんが、妊娠がわかってから徐々に足の痛みが消えたのです。今では普通に歩く事が出来るほどです。本当に不思議なのですが、どうしてなのか……」

 すると突然、私の後ろにいたシシリア嬢が「失礼」と言い、リゼット伯爵令嬢の前に立った。
 頭の先から爪先までを舐めるように見ると、何やらわかったように、ふむふむと頷いた。

「赤ちゃんを授かったことで、重なり複雑になっていた治癒魔法が綺麗になったようです」

「えっ、どういうこと?」
「この赤ちゃんが、少しずつ魔力を吸収していたようです。大きくなったら、聖女になれるかもしれませんね」

 へぇ、なるほどと感心した私は、シシリア嬢を見て首を傾げた。
 
「何で分かるの?」

 シシリア嬢はランディの友人だ。
 手伝いを頼むほど優秀な人であるには違いないけど……。

 シシリア嬢はハッとした顔をして、変な作り笑いをした。

「ほほっ、そういった事例を知っています」

 ほほっ、ほほっと笑って、シシリア嬢はランディの後ろに隠れるように下がった。

「よくわかんないけど、良かった。うん、良かった!」

 彼女の足が治ったんだ、かわいい赤ちゃんも生まれてる。
 父親になる男は、私も知っている誠実な……誠実な奴だ。
 喜ばしいことだ、リゼット嬢があんなに笑っている顔を私は初めて見た。
 ーーもう、それだけでいい。

「おめでとう、リゼット嬢」

 まだ言ってなかったお祝いの言葉を告げると、リゼット嬢が「カール王子様、よろしければ赤ちゃんを抱っこしてもらえませんか?」と言ってくれた。

「いいの? もちろん喜んで抱かせてもらうよ!」

 私はリゼット嬢に赤ちゃんを抱かせてもらった。
 
 ーーうわぁ、小さい! かわいい! ミルクの匂いがする!

「あうーっ、あーっ」

 覗き込む私の頬を、リゼット嬢の赤ちゃんがペチペチと叩いてキャッキャと笑う。
 それを見てオロオロしているセレスが何とも可笑しかった。

「リゼット嬢の足を治してくれてありがとう。幸せになるんだよ」
 そう告げると、赤ちゃんが「あうー」とまるで返事のように声を上げた。
「カール王子様、ありがとうございます」

 リゼット嬢が嬉しそうな顔をしながら涙ぐんでいる。その隣で、セレスは号泣していた。

 私はそんな二人を羨ましく思いながら、もう一度祝福の言葉を告げて、城へと帰った。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

一途な皇帝は心を閉ざした令嬢を望む

浅海 景
恋愛
幼い頃からの婚約者であった王太子より婚約解消を告げられたシャーロット。傷心の最中に心無い言葉を聞き、信じていたものが全て偽りだったと思い込み、絶望のあまり心を閉ざしてしまう。そんな中、帝国から皇帝との縁談がもたらされ、侯爵令嬢としての責任を果たすべく承諾する。 「もう誰も信じない。私はただ責務を果たすだけ」 一方、皇帝はシャーロットを愛していると告げると、言葉通りに溺愛してきてシャーロットの心を揺らす。 傷つくことに怯えて心を閉ざす令嬢と一途に想い続ける青年皇帝の物語

冷徹と噂の辺境伯令嬢ですが、幼なじみ騎士の溺愛が重すぎます

藤原遊
恋愛
冷徹と噂される辺境伯令嬢リシェル。 彼女の隣には、幼い頃から護衛として仕えてきた幼なじみの騎士カイがいた。 直系の“身代わり”として鍛えられたはずの彼は、誰よりも彼女を想い、ただ一途に追い続けてきた。 だが政略婚約、旧婚約者の再来、そして魔物の大規模侵攻――。 責務と愛情、嫉妬と罪悪感が交錯する中で、二人の絆は試される。 「縛られるんじゃない。俺が望んでここにいることを選んでいるんだ」 これは、冷徹と呼ばれた令嬢と、影と呼ばれた騎士が、互いを選び抜く物語。

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ
恋愛
 10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。  多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。  もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

ゲームには参加しません! ―悪役を回避して無事逃れたと思ったのに―

冬野月子
恋愛
侯爵令嬢クリスティナは、ここが前世で遊んだ学園ゲームの世界だと気づいた。そして自分がヒロインのライバルで悪役となる立場だと。 のんびり暮らしたいクリスティナはゲームとは関わらないことに決めた。設定通りに王太子の婚約者にはなってしまったけれど、ゲームを回避して婚約も解消。平穏な生活を手に入れたと思っていた。 けれど何故か義弟から求婚され、元婚約者もアプローチしてきて、さらに……。 ※小説家になろう・カクヨムにも投稿しています。

優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした

ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。 彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。 そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。 しかし、公爵にもディアにも秘密があった。 その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。 ※本作は「小説家になろう」さんにも投稿しています ※表紙画像はAIで作成したものです

ヤンデレ王子に鉄槌を

ましろ
恋愛
私がサフィア王子と婚約したのは7歳のとき。彼は13歳だった。 ……あれ、変態? そう、ただいま走馬灯がかけ巡っておりました。だって人生最大のピンチだったから。 「愛しいアリアネル。君が他の男を見つめるなんて許せない」 そう。殿下がヤンデレ……いえ、病んでる発言をして部屋に鍵を掛け、私をベッドに押し倒したから! 「君は僕だけのものだ」 いやいやいやいや。私は私のものですよ! 何とか救いを求めて脳内がフル稼働したらどうやら現世だけでは足りずに前世まで漁くってしまったみたいです。 逃げられるか、私っ! ✻基本ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

処理中です...