切り取られた青空

神山 備

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切り取られた青空

重圧

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私たちは駅近くのネットカフェに行き、亮平にリクライニング座椅子で横になるように言われた。なんだかパソコンの前にいるのが一番2人らしい気もする。

「ホントにもう大丈夫?」
亮平が冷たいドリンクをボックスに運びながら心配そうに覗き込んだ。

「うん、おかしかったのはあの時だけだから……もう平気よ」
「僕としては2人でいられればどこでも良いんだけど。楽にしてて、ついでだから、更新しておくよ」
「こんな早い時間に更新して大丈夫?」
「どうしてさ」
「結構、更新してる時間も見てたりするわよ、特に女は」
「へぇ~そうなの」

意に介さない様子で、亮平は自分のページを開く。
「あれ、Tomさんからメールが着てる」

-自分、言わないでおこうとも思ってたんですが、なんかやっぱり気になって。
エイプリルさん、もしかしてかりんさんのことを好きなんじゃないですか?かりんさんもまんざらじゃない様子だったし。

でも、かりんさんには旦那さんもお子さんもいらっしゃる訳だし、そういうのって、やっぱダメですよ。
みんなが不幸になるじゃないですか。

自分みたいな若輩者が言うのは失礼かと思いましたが、敢えて言わせてもらいました。
違ってたらすいません
                                                       Tom-


「心配してくれてるのね、みんな……」
「みんなって?」
「あの日、一緒に歩いてたところをうららさんに見られてたみたい。『大丈夫?』みたいなメールが着たわ。『人違い』って返しておいたけど」
「ばれてるか……」
亮平は、ため息を吐き出すかのようにそう言った。
「でも、僕は後悔なんかしてないよ。」
「私も……」
続きの言葉は亮平の唇で塞がれた。
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