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失踪の真実(後編)
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5年前、美奈子が消えた理由……それは拉致監禁であった。ただ、彼女を拉致したのは殺害した小平保ではなく、中西康博という男だったのだが。
中西は美奈子に恋心を抱いていた。それは接客業であった美奈子の営業上の対応を、一方的に思い勘違いしただけであったが、彼は日々美奈子との関係を夢想し、いつしか自分こそが彼女の真の恋人と思いこむようになっていった。そこに現れたのが光一の存在。
混乱する中西。だが、ある日彼は光一と美奈子が言い合いをしている現場を目撃する。ただの恋人同士の犬も食わないケンカにすぎなかったのだが、中西はそれを光一が美奈子に関係を強要していると勝手に解釈する。
(待ってておいで、僕が必ずそんな男から救ってあげるから)
中西は定職には就いていなかったが、今よりずっとセキュリティーの甘いネット界で巧みに隙間を見つけて荒稼ぎをしており、かなりの金を持っていた。
彼は家を買い、その一室に防音を施してそこに美奈子を監禁した。
逃げ出せぬよう、空調で24時間快適な温度に保つ代わりに、全裸で鎖に繋がれる生活。鎖だけではない、中西は自分も一糸纏わぬ姿で共に生活し、彼の欲望の赴くままに昼夜問わず彼女と繋がった。初めは抵抗していた美奈子も次第にその気力を失い、発情期の動物さながらな生活を受け入れていった。
それが崩れたのは彼女が監禁されてから2ヶ月経った頃。美奈子を拉致した後、自分も稼がずに遣うばかりだった中西の財力は底をつくまでには至らずとも、かなり激減していた。
(一発大きなヤマを当てなければ)不安に思った中西は賭に出た。
彼女との暮らしを長く続けるために中西がターゲットにしたのは、とある指定暴力団の組長。中西はまんまと彼から億単位の額を搾取する事に成功したのだが、その途端気が緩んだのかもしれない、あちらに中西の素性が知られてしまった。
それに気付いた中西は、久々美奈子に服を着せ、一本の鍵を渡すと、
「この中身を別の場所に移して〇〇で待っててくれ。後で僕も行く」
と言って、裏口から彼女を外に出した。
美奈子は出されたその足で警察に駆け込めばよかったのだ。しかし、彼女は長い間拉致されていたことで正常な判断能力をなくしていたのかもしれない。
彼女は預けられた鍵ー渋谷駅コインロッカーーを使ってその『パンドラの箱』を開けてしまう。そして、中から出てきたおびただしい現金の束と、その直後街中に映し出された中西惨殺のニュースにすっかり怯えてきってしまった。
ここにいたら殺されてしまう。さりとて、今警察に行っても、このような大金を持っているのだ、中西殺しの汚名を着せられてしまうかもしれない。2ヶ月も拉致されていたのだ、充分殺害動機があると取られると……
美奈子は旅行用のキャリーバッグに現金を詰め替えると、それを持ち、急ぎ新幹線で東京を離れた。
中西は美奈子に恋心を抱いていた。それは接客業であった美奈子の営業上の対応を、一方的に思い勘違いしただけであったが、彼は日々美奈子との関係を夢想し、いつしか自分こそが彼女の真の恋人と思いこむようになっていった。そこに現れたのが光一の存在。
混乱する中西。だが、ある日彼は光一と美奈子が言い合いをしている現場を目撃する。ただの恋人同士の犬も食わないケンカにすぎなかったのだが、中西はそれを光一が美奈子に関係を強要していると勝手に解釈する。
(待ってておいで、僕が必ずそんな男から救ってあげるから)
中西は定職には就いていなかったが、今よりずっとセキュリティーの甘いネット界で巧みに隙間を見つけて荒稼ぎをしており、かなりの金を持っていた。
彼は家を買い、その一室に防音を施してそこに美奈子を監禁した。
逃げ出せぬよう、空調で24時間快適な温度に保つ代わりに、全裸で鎖に繋がれる生活。鎖だけではない、中西は自分も一糸纏わぬ姿で共に生活し、彼の欲望の赴くままに昼夜問わず彼女と繋がった。初めは抵抗していた美奈子も次第にその気力を失い、発情期の動物さながらな生活を受け入れていった。
それが崩れたのは彼女が監禁されてから2ヶ月経った頃。美奈子を拉致した後、自分も稼がずに遣うばかりだった中西の財力は底をつくまでには至らずとも、かなり激減していた。
(一発大きなヤマを当てなければ)不安に思った中西は賭に出た。
彼女との暮らしを長く続けるために中西がターゲットにしたのは、とある指定暴力団の組長。中西はまんまと彼から億単位の額を搾取する事に成功したのだが、その途端気が緩んだのかもしれない、あちらに中西の素性が知られてしまった。
それに気付いた中西は、久々美奈子に服を着せ、一本の鍵を渡すと、
「この中身を別の場所に移して〇〇で待っててくれ。後で僕も行く」
と言って、裏口から彼女を外に出した。
美奈子は出されたその足で警察に駆け込めばよかったのだ。しかし、彼女は長い間拉致されていたことで正常な判断能力をなくしていたのかもしれない。
彼女は預けられた鍵ー渋谷駅コインロッカーーを使ってその『パンドラの箱』を開けてしまう。そして、中から出てきたおびただしい現金の束と、その直後街中に映し出された中西惨殺のニュースにすっかり怯えてきってしまった。
ここにいたら殺されてしまう。さりとて、今警察に行っても、このような大金を持っているのだ、中西殺しの汚名を着せられてしまうかもしれない。2ヶ月も拉致されていたのだ、充分殺害動機があると取られると……
美奈子は旅行用のキャリーバッグに現金を詰め替えると、それを持ち、急ぎ新幹線で東京を離れた。
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