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宣戦布告
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そして、未来は短大を卒業後早々に結城家に嫁ぐこととなった。それは、剛造が未来の母志穂が大学卒業後社会勉強のつもりで入れた自社-上河原精工で、剛造が意図しなかった男飯塚雅彦と恋に落ち、あっという間にかっさらわれたという苦い経験からきたものだ。当の志穂の、
「今は余計そんな時代じゃないのに」
という言葉も、
「秀一郎君が一日も早く未来と暮らしたいと言っておるんだ。志穂はよほど馬に蹴られたいとみえるな」
と取り合わない。もちろんそれは、秀一郎が人の見ているところではしっかりと未来に惚れているという態度を取っているからだ。それは、未来も時々彼の気持ちがいつしか自分にきたのではないかと錯覚しかけるほどで、これが映画なら賞を総ナメにするのではないかと言うぐらいの名演技である。
また、新居は現在住んでいる結城の本宅でいいと秀一郎は言う。未来はいきなり同居なのかと思ったが、祖父総一郎は、もう何十年も前に秀一郎の父龍太郎とその母弘美とをこの家に残して家を出てしまっているし、残された弘美も龍太郎も既にこの世にはいない。また、龍太郎に嫁いだ母の夏海も再婚し、政治家である今の夫の地盤にいるから、現在でも使用人を除けば住んでいるのは秀一郎と、双子の妹ほのかだけなのだ。そのほのかも、新婚の彼らに気遣ってか、かつて曾祖父母が使っていた離れに手を入れて住むという。(一人暮らしと変わらないのなら、わざわざ探す必要はないわね)
そう思った未来は、秀一郎の提案をすんなりと受け入れた。だが、結婚後未来はこのことを激しく後悔することになる。
そして、時はあっという間に過ぎ、結婚式当日を迎えた。
「未来、旦那様イケメンじゃないの」
「お見合いでこんなすてきな人がくるんなら、私もお見合いしようかな」
という学友たちに、
「バカね、未来は次期社長令嬢だよ」
普通こんな当たりくじなんてないわよと、高校時代からの親友、櫻木清華が笑う。
しかし、本当にこれは当たりくじなのだろうかと未来は思う。その『当たりくじ』に目をやると、秀一郎は深紅のパーティードレスを着た女性と腕を絡ませて談笑していた。その表情は未来に向ける作り物の笑顔とは違う本物の笑顔。もしかして、彼女が彼の『想い人』……まさか、そんなはずはない。そんなことはあってはならないのだ。
なぜなら彼女の名は、結城ほのか。夫となった秀一郎の双子の妹なのだから。
だが、ほのかは未来から友人たちが離れるのを見計らって未来に近づき、会場の喧噪にまぎれて、
「あなたが秀の奥さんだなんて、私は認めないわ。
秀は私のものよ」
と未来の耳元でそう囁いた。その言葉を聞いて、未来は震えが止まらなくなった。
「今は余計そんな時代じゃないのに」
という言葉も、
「秀一郎君が一日も早く未来と暮らしたいと言っておるんだ。志穂はよほど馬に蹴られたいとみえるな」
と取り合わない。もちろんそれは、秀一郎が人の見ているところではしっかりと未来に惚れているという態度を取っているからだ。それは、未来も時々彼の気持ちがいつしか自分にきたのではないかと錯覚しかけるほどで、これが映画なら賞を総ナメにするのではないかと言うぐらいの名演技である。
また、新居は現在住んでいる結城の本宅でいいと秀一郎は言う。未来はいきなり同居なのかと思ったが、祖父総一郎は、もう何十年も前に秀一郎の父龍太郎とその母弘美とをこの家に残して家を出てしまっているし、残された弘美も龍太郎も既にこの世にはいない。また、龍太郎に嫁いだ母の夏海も再婚し、政治家である今の夫の地盤にいるから、現在でも使用人を除けば住んでいるのは秀一郎と、双子の妹ほのかだけなのだ。そのほのかも、新婚の彼らに気遣ってか、かつて曾祖父母が使っていた離れに手を入れて住むという。(一人暮らしと変わらないのなら、わざわざ探す必要はないわね)
そう思った未来は、秀一郎の提案をすんなりと受け入れた。だが、結婚後未来はこのことを激しく後悔することになる。
そして、時はあっという間に過ぎ、結婚式当日を迎えた。
「未来、旦那様イケメンじゃないの」
「お見合いでこんなすてきな人がくるんなら、私もお見合いしようかな」
という学友たちに、
「バカね、未来は次期社長令嬢だよ」
普通こんな当たりくじなんてないわよと、高校時代からの親友、櫻木清華が笑う。
しかし、本当にこれは当たりくじなのだろうかと未来は思う。その『当たりくじ』に目をやると、秀一郎は深紅のパーティードレスを着た女性と腕を絡ませて談笑していた。その表情は未来に向ける作り物の笑顔とは違う本物の笑顔。もしかして、彼女が彼の『想い人』……まさか、そんなはずはない。そんなことはあってはならないのだ。
なぜなら彼女の名は、結城ほのか。夫となった秀一郎の双子の妹なのだから。
だが、ほのかは未来から友人たちが離れるのを見計らって未来に近づき、会場の喧噪にまぎれて、
「あなたが秀の奥さんだなんて、私は認めないわ。
秀は私のものよ」
と未来の耳元でそう囁いた。その言葉を聞いて、未来は震えが止まらなくなった。
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