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激情
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-身体で言うことを聞かせるつもりなのかー
修司の向かった先は、加奈子が予想した通り近くのホテル街だった。修司はその一軒の駐車場に車を滑り込ませると、助手席のドアを開け、降りようとはしない加奈子を引きずり降ろす。そして、加奈子の頬をがっちりと固定し、このことに抗議しようとして開いた彼女の口を自身の唇で覆い尽くす。
「あっ、ふん……ふんっ」
加奈子は修司の舌を噛んでやろうかと思ったが、瞬く間に自分の舌を絡めとられ、歯列がなぞられ、加奈子の下腹部が鈍く疼き始める。その上修司の手は加奈子の顔をがっちりとつかんでいるはずなのに、その小指は巧みに耳たぶの裏をなぞって、背中にぞくぞくとしたものを感じさせる。修司が唇を離す頃には加奈子はすっかり腰砕けになってしまっていた。
修司はそんな加奈子の腰に手を回してフロントとは名ばかりの場所に行き、空いている部屋のボタンを押す。すると、光の帯が彼らを導くように光る。最近のこうしたホテルでは、こうして人に会わずに出入りできるようだ。
「手慣れたものね」
と、加奈子がそう嫌みを言うと、
「こんなもん、見りゃ一発で解んだろ」
と、不機嫌そうに修司は返した。
その際も加奈子の身体は片手で逃げないようにホールドされたままだ。
やがて、加奈子が逃げるつもりはないが、その場から動くつもりもないのが解ると、修司は加奈子を抱き抱えて、選んだ部屋へと進む。今自分に3桁の体重があったなら絶対にできないことだ。こんな風に修司に好きにさせるために体重を落としたのではない。加奈子は唇を噛みしめて修司から顔を背けた。
目指す部屋に着いた修司は、加奈子をベッドの上に放り出して覆い被さった。
そのまま加奈子の首筋に赤い印を施す。
「止めてよ、お客さんに見つかったら恥ずかしいじゃない」
それに、加奈子がそう抗議すると、
「誰もおまえのそんなとこなんぞ見てないって。それに、そんなことを指摘するようなのはウチの客層にはいない」
修司はそう返した。確かに、ファミリー客の多い「いたくら」では、よしんばその花に気づいたものがいても敢えて指摘するような下世話な客はいないだろう。
「だからって……」
と言う加奈子に修司は、
「おまえは俺のもんだ。誰にも渡しゃしない」
と、耳元で囁いてそのまま耳たぶを食む。予想外の刺激に、加奈子の背がしなった。
「おまえは俺のもんだ。公共の場所で色目使いやがって」
そう言いながら加奈子の衣類を剥ぎ取っていく修司。その手つきはそのぎらぎらした眼に反して丁寧だ。
そして、乳輪に沿ってぽつぽつと赤い『花』を増やしていく。
「うっとりと見ていた画面を俺が来たらさっと別のにすり替えてたのを俺が気づかないとでも思ってたか? けどよ、所詮そいつは箱の中だ。お前をこんなふうに悦ばせることなんてできない」
続けてそう言った修司に、
「勝手なものね、自分は余所の女に入れあげてたくせに、私のパソコンでのささやかな楽しみにまで文句言うの? 最っ低」
加奈子は口調だけは強気にそう返す。内心はドキドキだが、修司は不貞を本当に知ってる訳ではなく、過剰なファン意識-例えて言うならアイドルの追っかけのようなもの-にやっかんでいるだけだと踏んだのだ。
「男はな、ちょっとしたことで調子にのって、『こいつは俺に惚れてる』って思うもんなんだぞ」
そして案の定加奈子の予想した言葉が返ってくる。
「それで、調子に乗った結果が浮気って訳? バカに……」
加奈子がそう言うと、分の悪くなった修司が加奈子の唇を塞ぐ。執拗に絡められた舌ですっかり息の上がってしまった加奈子に、修司は、
「お前の感じる場所を一番解っているのは俺だ」
と言いながら唇を加奈子の肌に付けながら下がっていき、足首を持って両膝を立たせ、左右に開く。そして膣口をゆっくりと撫で上げた。指を奥に入れずに何周もそうする間に、加奈子のそこは蜜を垂らし始め、撫でる指を飲み込もうとするように腰が揺れる。まるでおあずけを食らって涎を垂らしながら尻尾を振っている犬のようだ。
「そうがっつくなって」
修司はそう言って、加奈子の蕾を口に含んだ。それを膣口同様、くるくると舌でころがすと、軽く歯を立てる。
「ああっ」
加奈子の背が弓のようにしなった。それにどうやらこれで身体の官能のスイッチが入ってしまったようで、修司にどこを触られても甘い疼きが止まらない。太股を擦りあわせて我慢しようにも、間に修司がいるのでそれもさせてもらえない。
前は、修司はこんな攻め方はしなかった。愚直なまでの正攻法。修司のセックスが変わってきたのは、日進に来る前からだろうか。 それは、千夏が関わったからに間違いないのだが、それで修司もまた『こんなもの』だと思っていた夫婦の営みに一石を投じられたのかもしれない。加奈子は官能の波に飲まれて働かなくなっていく頭でそんなことを考えていた。
修司の向かった先は、加奈子が予想した通り近くのホテル街だった。修司はその一軒の駐車場に車を滑り込ませると、助手席のドアを開け、降りようとはしない加奈子を引きずり降ろす。そして、加奈子の頬をがっちりと固定し、このことに抗議しようとして開いた彼女の口を自身の唇で覆い尽くす。
「あっ、ふん……ふんっ」
加奈子は修司の舌を噛んでやろうかと思ったが、瞬く間に自分の舌を絡めとられ、歯列がなぞられ、加奈子の下腹部が鈍く疼き始める。その上修司の手は加奈子の顔をがっちりとつかんでいるはずなのに、その小指は巧みに耳たぶの裏をなぞって、背中にぞくぞくとしたものを感じさせる。修司が唇を離す頃には加奈子はすっかり腰砕けになってしまっていた。
修司はそんな加奈子の腰に手を回してフロントとは名ばかりの場所に行き、空いている部屋のボタンを押す。すると、光の帯が彼らを導くように光る。最近のこうしたホテルでは、こうして人に会わずに出入りできるようだ。
「手慣れたものね」
と、加奈子がそう嫌みを言うと、
「こんなもん、見りゃ一発で解んだろ」
と、不機嫌そうに修司は返した。
その際も加奈子の身体は片手で逃げないようにホールドされたままだ。
やがて、加奈子が逃げるつもりはないが、その場から動くつもりもないのが解ると、修司は加奈子を抱き抱えて、選んだ部屋へと進む。今自分に3桁の体重があったなら絶対にできないことだ。こんな風に修司に好きにさせるために体重を落としたのではない。加奈子は唇を噛みしめて修司から顔を背けた。
目指す部屋に着いた修司は、加奈子をベッドの上に放り出して覆い被さった。
そのまま加奈子の首筋に赤い印を施す。
「止めてよ、お客さんに見つかったら恥ずかしいじゃない」
それに、加奈子がそう抗議すると、
「誰もおまえのそんなとこなんぞ見てないって。それに、そんなことを指摘するようなのはウチの客層にはいない」
修司はそう返した。確かに、ファミリー客の多い「いたくら」では、よしんばその花に気づいたものがいても敢えて指摘するような下世話な客はいないだろう。
「だからって……」
と言う加奈子に修司は、
「おまえは俺のもんだ。誰にも渡しゃしない」
と、耳元で囁いてそのまま耳たぶを食む。予想外の刺激に、加奈子の背がしなった。
「おまえは俺のもんだ。公共の場所で色目使いやがって」
そう言いながら加奈子の衣類を剥ぎ取っていく修司。その手つきはそのぎらぎらした眼に反して丁寧だ。
そして、乳輪に沿ってぽつぽつと赤い『花』を増やしていく。
「うっとりと見ていた画面を俺が来たらさっと別のにすり替えてたのを俺が気づかないとでも思ってたか? けどよ、所詮そいつは箱の中だ。お前をこんなふうに悦ばせることなんてできない」
続けてそう言った修司に、
「勝手なものね、自分は余所の女に入れあげてたくせに、私のパソコンでのささやかな楽しみにまで文句言うの? 最っ低」
加奈子は口調だけは強気にそう返す。内心はドキドキだが、修司は不貞を本当に知ってる訳ではなく、過剰なファン意識-例えて言うならアイドルの追っかけのようなもの-にやっかんでいるだけだと踏んだのだ。
「男はな、ちょっとしたことで調子にのって、『こいつは俺に惚れてる』って思うもんなんだぞ」
そして案の定加奈子の予想した言葉が返ってくる。
「それで、調子に乗った結果が浮気って訳? バカに……」
加奈子がそう言うと、分の悪くなった修司が加奈子の唇を塞ぐ。執拗に絡められた舌ですっかり息の上がってしまった加奈子に、修司は、
「お前の感じる場所を一番解っているのは俺だ」
と言いながら唇を加奈子の肌に付けながら下がっていき、足首を持って両膝を立たせ、左右に開く。そして膣口をゆっくりと撫で上げた。指を奥に入れずに何周もそうする間に、加奈子のそこは蜜を垂らし始め、撫でる指を飲み込もうとするように腰が揺れる。まるでおあずけを食らって涎を垂らしながら尻尾を振っている犬のようだ。
「そうがっつくなって」
修司はそう言って、加奈子の蕾を口に含んだ。それを膣口同様、くるくると舌でころがすと、軽く歯を立てる。
「ああっ」
加奈子の背が弓のようにしなった。それにどうやらこれで身体の官能のスイッチが入ってしまったようで、修司にどこを触られても甘い疼きが止まらない。太股を擦りあわせて我慢しようにも、間に修司がいるのでそれもさせてもらえない。
前は、修司はこんな攻め方はしなかった。愚直なまでの正攻法。修司のセックスが変わってきたのは、日進に来る前からだろうか。 それは、千夏が関わったからに間違いないのだが、それで修司もまた『こんなもの』だと思っていた夫婦の営みに一石を投じられたのかもしれない。加奈子は官能の波に飲まれて働かなくなっていく頭でそんなことを考えていた。
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