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最終兵器?
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あたしは朝から落ち着かへんかった。何でて今日はこの前買うたワゴン車の引き渡しの日、ていう事は、同時にフレンがシュバルからやってくる日でもある。 車の方は、ついさっきお姉から電話があって、無事もうてきたて言うてたから、この近所のコインパーキングに置いてこっちに来るとしたら、小一時間ほどでここに着くやろ。お姉とフレン、どっちが早いやろなと思いながら気を落ち着かせるためにお茶を飲む。ホントはこういう時はコーヒー飲みたいんやけどな……まぁ、しゃーない。コレ、一生続く訳やないんやし。
そう思てると、玄関のチャイムが鳴る。電話からそう経ってないから、来たんはフレンや。あたしは慌てて玄関に飛び出した。
で、玄関の横開きのドアを開けてビックリする。そこに居てたんは確かにフレンやったんやけど、フレンは何を思たんか、オラトリオの正装してた。
【フレン、その格好……何で?】
【チーズ、義父上はおられるか】
フレンはあたしの疑問には答えず、お父がいるか聞いたんで、あたしはお父を呼びに行こうと思たらその前にお父が来た。
「フレン君、何遍来ても一緒や、千鶴はあんたにはやらん。解ったらさっさと帰れ」
んで、お父は家の中から玄関の土間のフレンを見下ろしてそう言うた。けど、あたしがそれを通訳しょうかどうしょうかと迷てると、フレンはいきなり土間に膝をついて、
「オトウ、オカア、チーズケッコン、ユルスマス」
と言ってそのまま地面に頭を擦り付けたのだ。This is Dogeza! しかも怪しい日本語付きで。あんた一体誰にコレなろたんや? おそらくデニスさん辺りやとは思うけど、あんたが許してどないすんねん……あたしとお父は顔を見合わせて、その後大爆笑。
「ひー、可笑しい。可笑しすぎるわ」
絶対に反対するて思てたから、わからんちんのお父にガツンと最終兵器かましたろと思てたのに、脱力したやんか。そんでも何とか気を取り直して、あたしはお父の方に向く。
「なぁ、何であかんの。お父もビデオ見てくれたやろ。あたし、あっちでごっつ大事にしてもうてんねん。
お父がどう言おうがこう言おうが、あたしはもうフレンの奥さんやねん。こっちではもう死んでることになっとるんやろ。せやったら頼むからあっちで生きさしてぇな。
それに……」
あたしはそこで一呼吸置いてフレンをちらっと見る。
「あたしはこの子を父親のない子にしたないんやけど」
そして、続けて言うた言葉にお父の瞳孔が開いた。
「子供て……」
「あたしが帰ってきた翌日、微熱出たやろ? あれ下がらへんし、何か胃の調子も悪いて言うたら、お母がもしかしたらて検査薬買うてきてな。調べたら陽性やった。
んで、どうせ産婦人科の検査なんて保険効かんし実費で診てもうたら七週やて」
「な、何でそれを早よ言わん」
子供なんて聞いてないぞとお父は拗ねる。
「いや、やっぱしフレンに一番最初に言いたかったし……て、今日本語で言うてもたやん。お父、ちょっと待っててや」
あかんあかん、何で今まで黙ってきたんな。一番先にフレンに言いたかったからやのに。
【フレン、後八ヶ月経ったら、あんた父親になれるよ。だから、一緒に帰ろう、シュバルへ】
あたしが改めてオラトリオ語でそういうと、今度はフレンの目が丸くなる。
【真実(まこと)か!】
その言葉にあたしが頷くと、フレンは急いで立ち上がってあたしを抱きしめて、
【では早速、父上や母上にも知らせねば。ああ、本当だ、命の鼓動を感じる。俺とチーズの子がここにいるのだな】
そう言いながらあたしのまだ全然ぺたんこのお腹を愛おしそうに触った。治癒師のフレンは触るだけで、お腹の子供の心音が聞けるみたい。まるで、人間エコーやなと思いながらお父の方を改めて見た。お父は、何かめちゃ複雑な表情をして、
【フレン君、千鶴を幸せにしてくれるか】
と英語でフレンに聞いた。
【ええ、この命に代えても】
その言葉に、フレンは忠誠を尽くす礼をしながらそう答える。それを見たお父は、しゃーないなという感じのため息を吐いて、
「千鶴、そんなにこの男がええんやったら異世界でもどこでも行ってまえ。ワシはもう知らん」
それだけ言うとまた奥にすっこんでもうた。
【義父上!】
日本語の解らへんフレンはまた交渉決裂かと思て不安そうに奥を眺めている。
【大丈夫、お父今許してくれたよ】
あたしがそう説明すると、フレンの目から涙がボロボロと流れた。泣きなや、そんな無防備に泣かれたら、あたしまで泣いてまうやん。
その後、玄関先で泣き続けたあたしらを見て、車を取りに行ってくれたお母とお姉は、お父がまだ許してないんやと思てお父を怒鳴りつけるという、お父にとっては踏んだり蹴ったりのオチがあったりしたんやけどな。ま、頭ごなしに反対なんかするから。自業自得や。
そう思てると、玄関のチャイムが鳴る。電話からそう経ってないから、来たんはフレンや。あたしは慌てて玄関に飛び出した。
で、玄関の横開きのドアを開けてビックリする。そこに居てたんは確かにフレンやったんやけど、フレンは何を思たんか、オラトリオの正装してた。
【フレン、その格好……何で?】
【チーズ、義父上はおられるか】
フレンはあたしの疑問には答えず、お父がいるか聞いたんで、あたしはお父を呼びに行こうと思たらその前にお父が来た。
「フレン君、何遍来ても一緒や、千鶴はあんたにはやらん。解ったらさっさと帰れ」
んで、お父は家の中から玄関の土間のフレンを見下ろしてそう言うた。けど、あたしがそれを通訳しょうかどうしょうかと迷てると、フレンはいきなり土間に膝をついて、
「オトウ、オカア、チーズケッコン、ユルスマス」
と言ってそのまま地面に頭を擦り付けたのだ。This is Dogeza! しかも怪しい日本語付きで。あんた一体誰にコレなろたんや? おそらくデニスさん辺りやとは思うけど、あんたが許してどないすんねん……あたしとお父は顔を見合わせて、その後大爆笑。
「ひー、可笑しい。可笑しすぎるわ」
絶対に反対するて思てたから、わからんちんのお父にガツンと最終兵器かましたろと思てたのに、脱力したやんか。そんでも何とか気を取り直して、あたしはお父の方に向く。
「なぁ、何であかんの。お父もビデオ見てくれたやろ。あたし、あっちでごっつ大事にしてもうてんねん。
お父がどう言おうがこう言おうが、あたしはもうフレンの奥さんやねん。こっちではもう死んでることになっとるんやろ。せやったら頼むからあっちで生きさしてぇな。
それに……」
あたしはそこで一呼吸置いてフレンをちらっと見る。
「あたしはこの子を父親のない子にしたないんやけど」
そして、続けて言うた言葉にお父の瞳孔が開いた。
「子供て……」
「あたしが帰ってきた翌日、微熱出たやろ? あれ下がらへんし、何か胃の調子も悪いて言うたら、お母がもしかしたらて検査薬買うてきてな。調べたら陽性やった。
んで、どうせ産婦人科の検査なんて保険効かんし実費で診てもうたら七週やて」
「な、何でそれを早よ言わん」
子供なんて聞いてないぞとお父は拗ねる。
「いや、やっぱしフレンに一番最初に言いたかったし……て、今日本語で言うてもたやん。お父、ちょっと待っててや」
あかんあかん、何で今まで黙ってきたんな。一番先にフレンに言いたかったからやのに。
【フレン、後八ヶ月経ったら、あんた父親になれるよ。だから、一緒に帰ろう、シュバルへ】
あたしが改めてオラトリオ語でそういうと、今度はフレンの目が丸くなる。
【真実(まこと)か!】
その言葉にあたしが頷くと、フレンは急いで立ち上がってあたしを抱きしめて、
【では早速、父上や母上にも知らせねば。ああ、本当だ、命の鼓動を感じる。俺とチーズの子がここにいるのだな】
そう言いながらあたしのまだ全然ぺたんこのお腹を愛おしそうに触った。治癒師のフレンは触るだけで、お腹の子供の心音が聞けるみたい。まるで、人間エコーやなと思いながらお父の方を改めて見た。お父は、何かめちゃ複雑な表情をして、
【フレン君、千鶴を幸せにしてくれるか】
と英語でフレンに聞いた。
【ええ、この命に代えても】
その言葉に、フレンは忠誠を尽くす礼をしながらそう答える。それを見たお父は、しゃーないなという感じのため息を吐いて、
「千鶴、そんなにこの男がええんやったら異世界でもどこでも行ってまえ。ワシはもう知らん」
それだけ言うとまた奥にすっこんでもうた。
【義父上!】
日本語の解らへんフレンはまた交渉決裂かと思て不安そうに奥を眺めている。
【大丈夫、お父今許してくれたよ】
あたしがそう説明すると、フレンの目から涙がボロボロと流れた。泣きなや、そんな無防備に泣かれたら、あたしまで泣いてまうやん。
その後、玄関先で泣き続けたあたしらを見て、車を取りに行ってくれたお母とお姉は、お父がまだ許してないんやと思てお父を怒鳴りつけるという、お父にとっては踏んだり蹴ったりのオチがあったりしたんやけどな。ま、頭ごなしに反対なんかするから。自業自得や。
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