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第九章
第三十六話
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フワッとワープをしておっさん達が帰ってきたのは、しばらく留守にしていたホビット族の街にある自宅だった。
セーブルとシェリーの、愛の進捗状況はわからないが、何かあれば携帯が鳴るであろうと、とりあえず放置して落ち着く我が家へと帰ってきた。
トゥティパの三人は色々と買ってきた服でファッションショーがしたいらしく、汗を流すためシャワーを浴びに向かった。
リリはそういった露出の多い服装には用がないようで、「旦那様、お背中をお流ししますよ」
と言うので、久しぶりに屋上露天風呂へと向かい、
硫黄入り入浴剤をたっぷりと入れた
温泉臭く、雄黄色に濁った湯でまったりと寛いだ。
過去の凄惨な事件をきっかけに、日本ではもう買う事が出来なくなってしまったこの入浴剤なのだが、若い頃からこの湯を至高としていたおっさんがケースで大量に保管してあった為、偶に使う贅沢品としては一生安泰であろうと思っている。
だが気を付けねばならないのは、一般的な追い焚き機能のあるユニットバスなどでコレを投入した場合、あっという間に配管が腐食し、風呂釜を故障させてしまうという一点だ。
リリの真っ白で華奢な背中も、柔らかいスポンジで丁寧に洗ってやり、湯船に冷酒をお盆で浮かべて乾杯した。
何が彼女の食指を動かしたのかは全くわからないのだが、昨日の謁見の間での出来事をやたらと褒められて、
「もぅ…これ以上好きにならせないで下さいね?」
などと耳元で囁かれた。
先程の女騎士を言い伏せた一件は何なのか?と聞いてみると、「貴方様の十歩先の小石を掃いただけですので──」そう微笑む彼女の横顔は、湯気に霞んで神秘的にすら見えた。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
セーブル達がひと月近くも航海して、釣りも素潜り漁もしたというのに、刺身で食って美味いと思える程の魚は、数える程しかなかったそうだ。
その辺の岸壁に張り付いたトコブシみたいな小さな貝が、唸るほど美味しいあの港町は、
ラッキー君の魔力とやらのお陰らしいが、
それだけ異常な環境なのであろう。
ということで風呂を出たおっさんは、チョイっと港町の魚市場へ赴いて、今晩食べる程度の美味そうな魚介を適当に見繕って帰った。
アルマジロから沢山の足が生えたような見た目のイカや、本当に刃がついている太刀魚っぽい魚を刺身にし、サッと湯掻いてもまだ生きている生(?)シラスっぽいやつを生姜醤油で〆て、
見た目の華やかさは然程ないが、抜群に旨い海鮮丼を振る舞ってみた。
一切れづつ両個に並べた事により、
白銀の風車、とでも言えば映えるだろうか?
それなりに見栄えのする上品な盛り付けとなったのだった。
さっきまで三人でワイワイと喧しく騒いでいた娘達は、普通のパジャマ姿で自室から降りてきた。
「あの国の服マジヤバかわっしょ~!アレまんま?ワニのおっさんに仕立ててもらったらさ~
金甌無欠魔導舞踏少女?爆誕するって絶対~!」
何やら色とりどりの薄っぺらい服を大量に買っていると思っていたが、
それは意匠が気に入っただけであって、本当に着る服は王都の凄腕防具職人とやらに作ってもらう算段のようだった。
そうすると魔素だかの効率が格段に良くなって魔法を行使したまま熟睡出来るほど、夜も安心後ろ漏れヒップガードとなるらしい。
そのデザインをワニの職人に見せる為だけに買ったということは──後は不要になるのであろう。
「また…王都の女神像様にでもくれてやっけ…」
ボソリと呟くおっさんであった。
「トゥエラはねー!お魚さんの服買ったのー!」
この前は猫になりきっていたこの幼女は、今度は地上を泳ぐつもりなのだろうか?
人魚っぽいヒレのようなものがついた服を抱えてたように見えたが、アレはコスプレ用であって、歩けなくなるような気がしたのだが……
まぁ本人が気に入っているならば良しとするか。
「わ、私には…少々派手すぎではなかったでしょうか?」
上品なドレスっぽい服も沢山吊るされていたというのに、テティスが王女に押し付けていたのは、妖艶な占い師みたいな服だった。
ベリーダンサーと占い師と魚が並んで歩いていたら──それはさぞかし愉快な光景であろう。
おっさんはイカ刺しを摘みつつ宙を見るのであった。
「貴女たち……旦那様が“好きに買ってよい”と仰ったから買いましたが──
今日の衣装だけで、平民が家を一軒買えるほどの金額であることを弁えてくださいね?」
リリは溜息を吐き、もう諦めたように娘たちへ言い聞かせる。
そういえば、ペラペラな生地なのにやけにキラキラしていた。
よく見れば──宝石を糸のように加工して縫製されていたらしい。
……平民が家買えるのか。
──どんな服だよ。
作業服のおっさんは、苦笑いを浮かべるのであった。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
「明日はどうすっぺか?海に潜って宝探しすんのけ?」
とみんなに聞いてみると、三人は大喜びで
「行く!」と答えた。
細かく聞けばまずは早朝に、『アリガーターヤ防具店』に行き、今日買った服を預けるのだそうだ。
それから島国の海岸を目指し、潜水して宝石探しの段取りだ。
そっちは娘達に任せて、おっさんは深海ゴブリンとやらを少々捕獲する予定だ。
新築工事の方は、今回は自重する事なくトゥティパの力を全面的に借りようと企んでいるので、
彼女らの欲求がひと段落する迄は取り掛かることはない。
あとは──「そうだ忘れてたっぺ」
話の途中で急に席を立ち、おっさんはいそいそと地下室へ降りる。
しばらくの留守の間に、地下室の半分はほぼ酒樽で埋まっていた。
ビートル君達が暇を持て余していたら申し訳ないと思っていたが、人間風の集合体になった彼らは、机の上で紙の束に何やら字を書いていた。
──覗き込んでみて驚いた。
一般的なA4サイズくらいの紙に、蟻よりも小さい……ダニ?くらいの文字を、紙が真っ黒になる程書き詰めていた。
「コレは一体、何を書いていんだっぺ?」
と、聞いてみると…
『マスターノクレタホン、ヨミオエテヒマ、ダカラホンカイテル。マスタードワーフノ、ハンエイトマツロ。』
なんとも驚いた事に、虫っぽいロボの集合体である彼らは、
【歴史作家になろう】を目指しているようであった。
幾百年と仕えてきたドワーフ族が、何がどうなって滅んでしまったのかを、ノンフィクション作品として書き上げるつもりのようだ。
それはいいのだが──
幾百年を最初から現在まで書き起こすつもりらしく……あれ程細かい字で綴ったとしても、一体どれ程の紙と期間がかかるのか──気の遠くなりそうな執筆活動であった。
「んだか……んでは忙しくて無理だっぺね」
と諦めて戻ろうとすると──
ガチャリとドアが開き、なんと人型ビートル君がもう一人(?)酒造場から現れた。
「あんれ~?前は全員集合して人型になってたんじゃなかったっけか?」
と尋ねると、
『マスターノホン、コーリツガク、サイテキカ、サプレスコスト、タイヘンキョウミブカイ。』
つまり、少数の虫で複数の人型を同時運用できるようになった、ということだった。
「すげぇなぁ。──そこでだ、コレなんだけんどもよ」
おっさんはジュエルモヒートが大層気に入ったらしく、見かけたスパイスを片っ端から買い込んでいた。
それをドサリと机に並べると、先程呑んだ酒について熱く語り始めた。
氷も入っていないのに不思議と冷えていて、ウイスキー並みの酒精を持ち、色も美しく、味わいも実にユニークだった──と。
「カレーノ、オウヨウ、ムズカシクナイ」
そう言ったかと思うと──
なんとビートル君は、全部のスパイスを次々と開封し、机の上で混ぜ始めてしまった。
「あっちゃぁ……そりゃないべしたぁ……全部、独特で強烈な粉なんだっぺよ?」
赤、白、ピンク、黄色、黒、緑。
絵の具のように多彩な色合いで、しかも砂粒ひとつ分で途轍もない効果を発揮する代物だ。
しかしビートル君は聴く耳を持たず──いや、耳など最初からないが──
無造作にコネコネと山盛りの粉を混ぜ続ける。
やがて虹色だった粉の山は、均一な無彩色へと変わった。
すると、ビートル君の指先から十匹ほどの玉蟲が排出され、粉の山へと潜り込む。
ゴソゴソと崩しながら這い出てきた彼らの背中には──
艶やかに七色を放つ──
約一カラットの煌めく欠片が載っていた。
セーブルとシェリーの、愛の進捗状況はわからないが、何かあれば携帯が鳴るであろうと、とりあえず放置して落ち着く我が家へと帰ってきた。
トゥティパの三人は色々と買ってきた服でファッションショーがしたいらしく、汗を流すためシャワーを浴びに向かった。
リリはそういった露出の多い服装には用がないようで、「旦那様、お背中をお流ししますよ」
と言うので、久しぶりに屋上露天風呂へと向かい、
硫黄入り入浴剤をたっぷりと入れた
温泉臭く、雄黄色に濁った湯でまったりと寛いだ。
過去の凄惨な事件をきっかけに、日本ではもう買う事が出来なくなってしまったこの入浴剤なのだが、若い頃からこの湯を至高としていたおっさんがケースで大量に保管してあった為、偶に使う贅沢品としては一生安泰であろうと思っている。
だが気を付けねばならないのは、一般的な追い焚き機能のあるユニットバスなどでコレを投入した場合、あっという間に配管が腐食し、風呂釜を故障させてしまうという一点だ。
リリの真っ白で華奢な背中も、柔らかいスポンジで丁寧に洗ってやり、湯船に冷酒をお盆で浮かべて乾杯した。
何が彼女の食指を動かしたのかは全くわからないのだが、昨日の謁見の間での出来事をやたらと褒められて、
「もぅ…これ以上好きにならせないで下さいね?」
などと耳元で囁かれた。
先程の女騎士を言い伏せた一件は何なのか?と聞いてみると、「貴方様の十歩先の小石を掃いただけですので──」そう微笑む彼女の横顔は、湯気に霞んで神秘的にすら見えた。
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セーブル達がひと月近くも航海して、釣りも素潜り漁もしたというのに、刺身で食って美味いと思える程の魚は、数える程しかなかったそうだ。
その辺の岸壁に張り付いたトコブシみたいな小さな貝が、唸るほど美味しいあの港町は、
ラッキー君の魔力とやらのお陰らしいが、
それだけ異常な環境なのであろう。
ということで風呂を出たおっさんは、チョイっと港町の魚市場へ赴いて、今晩食べる程度の美味そうな魚介を適当に見繕って帰った。
アルマジロから沢山の足が生えたような見た目のイカや、本当に刃がついている太刀魚っぽい魚を刺身にし、サッと湯掻いてもまだ生きている生(?)シラスっぽいやつを生姜醤油で〆て、
見た目の華やかさは然程ないが、抜群に旨い海鮮丼を振る舞ってみた。
一切れづつ両個に並べた事により、
白銀の風車、とでも言えば映えるだろうか?
それなりに見栄えのする上品な盛り付けとなったのだった。
さっきまで三人でワイワイと喧しく騒いでいた娘達は、普通のパジャマ姿で自室から降りてきた。
「あの国の服マジヤバかわっしょ~!アレまんま?ワニのおっさんに仕立ててもらったらさ~
金甌無欠魔導舞踏少女?爆誕するって絶対~!」
何やら色とりどりの薄っぺらい服を大量に買っていると思っていたが、
それは意匠が気に入っただけであって、本当に着る服は王都の凄腕防具職人とやらに作ってもらう算段のようだった。
そうすると魔素だかの効率が格段に良くなって魔法を行使したまま熟睡出来るほど、夜も安心後ろ漏れヒップガードとなるらしい。
そのデザインをワニの職人に見せる為だけに買ったということは──後は不要になるのであろう。
「また…王都の女神像様にでもくれてやっけ…」
ボソリと呟くおっさんであった。
「トゥエラはねー!お魚さんの服買ったのー!」
この前は猫になりきっていたこの幼女は、今度は地上を泳ぐつもりなのだろうか?
人魚っぽいヒレのようなものがついた服を抱えてたように見えたが、アレはコスプレ用であって、歩けなくなるような気がしたのだが……
まぁ本人が気に入っているならば良しとするか。
「わ、私には…少々派手すぎではなかったでしょうか?」
上品なドレスっぽい服も沢山吊るされていたというのに、テティスが王女に押し付けていたのは、妖艶な占い師みたいな服だった。
ベリーダンサーと占い師と魚が並んで歩いていたら──それはさぞかし愉快な光景であろう。
おっさんはイカ刺しを摘みつつ宙を見るのであった。
「貴女たち……旦那様が“好きに買ってよい”と仰ったから買いましたが──
今日の衣装だけで、平民が家を一軒買えるほどの金額であることを弁えてくださいね?」
リリは溜息を吐き、もう諦めたように娘たちへ言い聞かせる。
そういえば、ペラペラな生地なのにやけにキラキラしていた。
よく見れば──宝石を糸のように加工して縫製されていたらしい。
……平民が家買えるのか。
──どんな服だよ。
作業服のおっさんは、苦笑いを浮かべるのであった。
➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖➖
「明日はどうすっぺか?海に潜って宝探しすんのけ?」
とみんなに聞いてみると、三人は大喜びで
「行く!」と答えた。
細かく聞けばまずは早朝に、『アリガーターヤ防具店』に行き、今日買った服を預けるのだそうだ。
それから島国の海岸を目指し、潜水して宝石探しの段取りだ。
そっちは娘達に任せて、おっさんは深海ゴブリンとやらを少々捕獲する予定だ。
新築工事の方は、今回は自重する事なくトゥティパの力を全面的に借りようと企んでいるので、
彼女らの欲求がひと段落する迄は取り掛かることはない。
あとは──「そうだ忘れてたっぺ」
話の途中で急に席を立ち、おっさんはいそいそと地下室へ降りる。
しばらくの留守の間に、地下室の半分はほぼ酒樽で埋まっていた。
ビートル君達が暇を持て余していたら申し訳ないと思っていたが、人間風の集合体になった彼らは、机の上で紙の束に何やら字を書いていた。
──覗き込んでみて驚いた。
一般的なA4サイズくらいの紙に、蟻よりも小さい……ダニ?くらいの文字を、紙が真っ黒になる程書き詰めていた。
「コレは一体、何を書いていんだっぺ?」
と、聞いてみると…
『マスターノクレタホン、ヨミオエテヒマ、ダカラホンカイテル。マスタードワーフノ、ハンエイトマツロ。』
なんとも驚いた事に、虫っぽいロボの集合体である彼らは、
【歴史作家になろう】を目指しているようであった。
幾百年と仕えてきたドワーフ族が、何がどうなって滅んでしまったのかを、ノンフィクション作品として書き上げるつもりのようだ。
それはいいのだが──
幾百年を最初から現在まで書き起こすつもりらしく……あれ程細かい字で綴ったとしても、一体どれ程の紙と期間がかかるのか──気の遠くなりそうな執筆活動であった。
「んだか……んでは忙しくて無理だっぺね」
と諦めて戻ろうとすると──
ガチャリとドアが開き、なんと人型ビートル君がもう一人(?)酒造場から現れた。
「あんれ~?前は全員集合して人型になってたんじゃなかったっけか?」
と尋ねると、
『マスターノホン、コーリツガク、サイテキカ、サプレスコスト、タイヘンキョウミブカイ。』
つまり、少数の虫で複数の人型を同時運用できるようになった、ということだった。
「すげぇなぁ。──そこでだ、コレなんだけんどもよ」
おっさんはジュエルモヒートが大層気に入ったらしく、見かけたスパイスを片っ端から買い込んでいた。
それをドサリと机に並べると、先程呑んだ酒について熱く語り始めた。
氷も入っていないのに不思議と冷えていて、ウイスキー並みの酒精を持ち、色も美しく、味わいも実にユニークだった──と。
「カレーノ、オウヨウ、ムズカシクナイ」
そう言ったかと思うと──
なんとビートル君は、全部のスパイスを次々と開封し、机の上で混ぜ始めてしまった。
「あっちゃぁ……そりゃないべしたぁ……全部、独特で強烈な粉なんだっぺよ?」
赤、白、ピンク、黄色、黒、緑。
絵の具のように多彩な色合いで、しかも砂粒ひとつ分で途轍もない効果を発揮する代物だ。
しかしビートル君は聴く耳を持たず──いや、耳など最初からないが──
無造作にコネコネと山盛りの粉を混ぜ続ける。
やがて虹色だった粉の山は、均一な無彩色へと変わった。
すると、ビートル君の指先から十匹ほどの玉蟲が排出され、粉の山へと潜り込む。
ゴソゴソと崩しながら這い出てきた彼らの背中には──
艶やかに七色を放つ──
約一カラットの煌めく欠片が載っていた。
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