57 / 225
魔王国アディス 首都サタニア
無理
しおりを挟むポークレア王国
王城客間
勇者シュウヤの『従者召喚』により二つの魔方陣が起動し、明滅する。
一際激しく光り、その光が収まると魔方陣は消え二人の人影が見える。
「………………」
「召喚に応え参上しましたよ、シュウヤ」
「やあ、来たね『博士(ドクター)』。…あと君が来るとは思わなかったよ『ヒイロ』。………君、『騎士』じゃなくて『戦士(ファイター)』か『暗殺者(アサシン)』じゃなかったっけ?」
「………………『零』が教えてくれた。お前が行った方が良いと…」
『ヒイロ・ライト・グリーンリバー』
職業(クラス):戦士
シュウヤの世界の神代のアーティファクト、未来予測に近い演算能力を誇るインテリジェンスウェポン『大型魔導銃:双極』を持つ少年が静かにそう応える。
「君は予定通りかな、『博士』」
「…そうですね、私の楽しめる事があると良いんですがね、ふふ…」
「『博士』はほどほどにね…」
「自重はしますよ………なるべくね…」
『シュウ・"博士"・ホワイトリバー』
職業(クラス):魔術師
白衣を纏った紫髪の青年は不適に笑い、応える。
「でも『博士』が来たって事は君の兄貴が騒いだんじゃない?」
「………………ああ」
「マサキ・ライト・グリーンリバーですか…随分と騒いでましたね…」
「………………お陰で抑えつけられていた兄貴に俺が押されて魔方陣に入ってしまった」
「ふふ…、しようがない人ですねマサキは…」
「君…さっき『零が』って言ってなかった?」
「………………」プイ
「………ふ…」
ヒイロは無視、シュウは肩を竦め鼻で軽く笑う。
「………やれやれ」
シュウヤは首を振りながら、「さて、どうするかなぁ」と薄く笑いながら、次の動きを考え始めた…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
首都への街道
「………………」
「「………………」」
「………………先輩」
「『シュボッ』………すぅ………ふぅ………」プカァ
「………………」ヤレヤレ
「………………アレ、何ですか?」
「すぅ………ふぅ………………知らん」
「………………」アタマイター
「………………ヴィーネさん」
「すぅ………ポッポッポッ…」ドーナツドーナツ
「………………知らないわ」プイ
「………………」
「「………………」」
「いや、絶対知ってるでしょっ!?お揃いの法被着てるし、あの旗『ヴィーネLOVE』って書いてあるじゃんっ!?『ヴィーネFC本部』って書いてあるじゃんっ!?」
「………………知らん」プイ
「………………知らないわ」プイ
「一秒で分かる嘘、止めてっ!?」
そう………俺たち………いや、俺だけだな。はもう少しで首都かな?というところで『ヴィーネFC本部』という組織に足止めされた。
俺が「二人でなんとかしてくださいね」と言うと…
「火つけたばっかだから無理」
「ソウシにお茶入れるから無理」
とか抜かしたので…
「………………レイクラクスエンペラーの肉、もうあげませ「「よしっ、任せとけっ!行くぞヴィーネ(ソウシ)っ!!」」
と言って、『ヴィーネFC本部』の大軍に突撃していった。
この後、『ヴィーネFC本部』の大軍が宙に舞ったのは言うまでもない。
~~~~~~~~~~~~~~~~
魔王国アディス
首都への街道
??????
ヴィーネ様とベルウッド、あと誰だ?………三人を確認。
速やかに本隊へ連絡する。
あとはベルウッドが本隊へ突撃した後に我々遊撃部隊がヴィーネ様を確保する。
完璧な作戦だ。
そうほくそ笑んでいると…
「隊長っ!ヴィーネ様も一緒に本隊の方にっ!」
「っ!?」
ソレは予定外………いや、まだだ。まだ終わらんよ。
「問題無い。我々も出て挟撃、対ベルウッドを援護、ヴィーネ様を確保する」
「「「了解っ!!」」」
そう、挟撃出来るのだ。
こちらがより有利になるだけだ。
そして我々遊撃部隊もベルウッドの後方から出て、挟撃のために距離を詰める………が…。
「隊長、知らない奴が残ってる。どうする?」
「無視して良い、邪魔をするなら潰せっ」
そう命令するが、どうやら我々の邪魔をするようだ。
………それならっ!
「退けぇっ、小僧ぉっ!!『縮地』」
『縮地』で距離を詰めた次の瞬間、俺の意識は途切れた…。
病院のベッドの上で意識を取り戻す。
どうやら全身打撲なのに重症との診断で入院中らしい。
全身包帯でぐるぐる巻きにされていた。
こうなった状況を現地で少し離れていた会員に聞くと、俺が『縮地』で突っ込んだあと「誰が小僧だっ、こらぁっ!!」とボコボコにされ、頭から地面に刺されたらしい。
「………………」
地面に刺されたって何?
どうやら頭から首まで地面に刺さって、何故かピンっと直立不動だったとか………何それ怖い。
遊撃部隊は全員、地面に刺されたとの事。
ちなみにボコボコにされたのは俺だけらしい…。
どうも『小僧』って言葉に怒ったみたい、との事だったが…。
今後、あの小僧に手を出すのは止めておこう…俺はそう誓った。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ヒイロ・ライト・グリーンリバー
モデルはもちろんあの人。
大型魔導銃:双極
モデルはもちろんアレ。
ついでに『零システム』搭載。
シュウ・"博士"・ホワイトリバー
モデルはもちろんあの人。
マサキ・ライト・グリーンリバー
モデルはもちろんあの人。
マサシ(ギルマス)と名前が被り気味なので出番をヒイロに取られた。
頭が地面に=多分パイルドライバー
部隊全員に=多分楽しくなって一人ずつやった
次回もよろしくお願いします。
41
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。