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VS王国+勇者
フラグトフクセン
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 裏門前
「悪いけど………そいつは譲ってもらうよ従姉さん」
『魔王:ルシファス・ヴィ・サタニア』が自身の従姉にあたるヴィーネ・ベルウッドに声をかけながら裏門から現れる。
「………何をふざけた事を言っているのかしら………って、いつもなら言うところなのだけれど…」
チラッと白衣の男を見て、視線をルシファスに戻す。
「アイツは一緒に戦った方が良くないかしら?」
ルシファスはヴィーネの横まで移動し、白衣の男をジッと見て答える。
「………そうだね。アイツはちょっと厄介そうだ…」
『魔王』と『魔王姫』、二人同時に相手をしないといけない敵だと認めるほどの『何か』を『白衣の男』=『シュウ・"博士"・ホワイトリバー』に直感的に感じ、ヴィーネに同意する。
一方でシュウは…
「(………一対一ならともかく、二人同時に相手するのは面倒ですね…。やはりグランザードを出しておくべきでした…)」
不適な笑みを浮かべ、表情を変えずにそんな事を思っていた。
仕方ないですね………と思ったところで…
「………で、貴様は何故勇者一向を離れ裏門から来た?」
ルシファスがシュウに質問する。
この質問にシュウは乗った。
自身の目的の為に…。
「………フッ。敵にその質問を投げるのもどうかと思いますが…良いでしょう」
そう答え、続ける。
「私は勇者に魔王を殺されては困るのですよ。『ソレ』は魔王がいなくては手に入らないのでね…」
「………………」
ヴィーネは『ソレ』が思いあたらないのか沈黙する。
ルシファスは思考を続ける。
「(魔王がいなくては手に入らない?殺されると困る?『ソレ』と言うことは何らかの『モノ』だろうが…。殺されると困る、と言うことは生きていなくては手に入らない=『魔王』が作り出せる『モノ』という事になるが?)」
シュウの言葉から推測するものの、答えを見つけ出せない。
しかしシュウは目的の『モノ』を手に入れればこの場を退くのでは?とも推測する。
「貴様はその『モノ』が手に入れば、この場を退くのか?」
「物分かりが早い方ですね…。私は目的の『モノ』さえ手に入れば魔王の命も…いえ、この世界にも興味はありません。何もせずに還りましょう…」
相変わらず表情を変えず、笑みを浮かべたまま応えるシュウ。
その言葉に嘘はない様に見える。
ルシファスも駄目元でと口を開く…。
「用意できるかは分からんが貴様の目的の『モノ』とは何だ?」
「………フフ、話しが早くて助かります。私の目的は『大魔王石』…ソレさえ手に入れば戦闘なんてっ魔王なんてっ世界なんてっ興味ありませんっ!」
いきなり拳を握りしめテンションの上がるシュウに「「おおうっ!?」」とやや引いてしまうルシファスとヴィーネだが…
「ああ………申し訳ないけど作れないぞ『大魔王石』なんて伝説級の物…」
「………は?」
「いや、お前らの世界では知らんがこっちの世界の『魔王』はそんなもん作れないぞ」
「………なん………だと」
ガクーンと項垂れるシュウ…。
えっ?何か俺悪いこと言った?みたいになるルシファス…。
しかし、そこに一筋の希望の光が射す…。
「………有るわよ『大魔王石』」
「「………………は?」」
~~~~~~~~~~~~~~~~
ルセリア帝国
ベルセの街 冒険者ギルド
「………と言うことなんだが…」
『なるほど…どおりで国境が渋滞してるワケだ』
「あん?そんな事になってんのか?というかもうそこまで来てるのか?」
『ああ…。もう用は済ませた。全員ここにいるし、並んでるぞ』
「そうか…ああ………どうすっかなあ…」
『アレだ、全部潰して良いんだろ?』
「………え?出来んの?」
『第二・第三騎士団なんてアレだぞ?精鋭とか宣ってる貴族のボンボンばっかりカスしかいない雑魚集団だぜ?なあ、お前らっ!?』
『『『ウェーイッ!!』』』
「ウェーイッじゃねえよ、後ろっ!お前も煽んな、並んでるなら周りに迷惑だろっ」
『ははっ、すまんすまん。じゃあ取り敢えず潰して行くから安心してくれ。じゃあなっ!』
「あっ?おい、ちょっと待て………ん?まだ、切れてねえな…」
『よおーしお前ら、戦闘準備!第二・第三騎士団潰してルセリアに入るぞ!』
『『『ラジャッ!!』』』
『『『ウェーイッ!』』』
『第二・第三か…』
『アイツら弱いくせに…』
『貴族だからって…』
『いつも上から…』
『この恨み…』
『晴らさで…』
『おくべきか…』
『じゃあ副隊長ぉ………あと頼むわあ』
『あんたも働け』
『いや、面ど…』『働かなかったらステルク支部長に報こ』『よしっ、やるかっ!』
「………………」カチャ、ツーツーツー
ソッと通話を切り、そこはかと無く不安になるステルク支部長だった…。
「………ま、大丈夫か」
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
魔王&魔王姫VS博士=まさかの戦闘無し?
大魔王石=まさかの再登場。
通信の相手=名前出さない(しかしこの誰だか分かる感)
勇者VS勇者の裏側(文字通り)。
そして帝国VS王国は…。
次回もよろしくお願いします。
アレ?主人公は?
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