異世界召喚されました……断る!

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VS王国+勇者

DADAMORE

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 魔王国アディス
 魔王城 裏門


「………有るわよ『大魔王石』」

「「………………は?」」

『大魔王石』なんて『魔王』に作る事は出来ませんよ…と白衣の男に告げた後、激しく落ち込む様なリアクションを取る白衣の男。
 しかし、直後に従姉の発した言葉に俺と白衣の男は声を揃えて口を開けていた…。

「いやいや、従姉さん。城に『大魔王石』なんて無いぞ………『魔王石』だって残り少ないのに…」

 この間潰した貴族派の馬鹿共が持ち出したせいで…。
 なので先日、宝物庫奥の超貴重品置き場にはトーイチに俺しか入れない様に結界を張ってもらったのだが…。
 しかし『大魔王石』なんて無かったはずだ…。
 
「従姉さん…一体どこに…?」

「ほら、勇者温泉に行った時に試練の洞窟踏破したって話したでしょ?その時の十五層のボスが落としたのよ」

 なるほど…試練の洞窟で…。



 って、いやいや聞いてないよっ!いや試練の洞窟に行ったとは聞いたけれど、踏破してたの?あの特級ダンジョンを?で『大魔王石』入手とか全然聞いてないからっ!?

「………従姉さん、踏破したとは聞いてないし、『大魔王石』入手したとも聞いてないから…」

「………あら、話さなかったかしら…」

 いや、人差し指を顎につけて首を傾げなくていいから………そういうのはソウシさんにしてくださいごめんなさい。

 俺がやれやれ、としていると白衣の男が目を輝かせ会話に入ってくる。

「有るのですか?『大魔王石』が?」

「有るわよ、今持ってるのはトーイチくんだけど…私たちの前にも踏破したって言ってたから、二つ持ってるんじゃないかしら?」

「「………二つっ!?」」

 さらっと従姉さんの口から発せられた重要な情報に水を差す様に…神々しくも禍々しい力が正門の方で溢れるのを感知する。

「「「っ!?」」」

「コレは…」

「嫌な感じね…」

 白衣の男も…

「………シュウヤ。コレは良くないですね…」

 と呟く…。

 俺は直ぐにでも正門に向かいたいが対『勇者』とは相性が悪過ぎる『魔王』持ちの為、移動を躊躇っていると…

「ルシファス、あんたは離れなさい。『魔王』持ちじゃ分が悪過ぎるから」

「………しかし」「しかしじゃないっ!あんたはこの国のトップなんだから、国の事を考えなさい。アッチはソウシがいるし私も行く。…大丈夫よ」

 確かにソウシさんもいるし、マサシもいる。多分なんとでもなるとは思うが…。

「………早く離れないと………打つわよ」「分かった従姉さん、直ぐ離れる事にするよ」

 俺は反射的にそう答え、右手をこめかみ辺りに『ビシィッ』と持ってくる。
 所轄、敬礼である。

 俺、一応『魔王』なんですけど?
 
 そして従姉さんは…

「貴方…もう私達と戦う気ないでしょ?『大魔王石』なんとかしてあげるから手伝いなさい」

 と、白衣の男にとんでもない事を言いだす。

「………貴女、とんでもない事を言いますね。一応、私は勇者の仲間なんですけれど?」

 だよなぁ………そう思うよなぁ。

「『大魔王石』を持ってるトーイチくんは相当に強いし、モノは収納スキルの中。貴方が殺して奪うのは無理だし、転移スキルも持ってるってソウシが言っていたから直ぐ逃げられるわよ。」

「………なるほど。貴女を介した方が………いえ、介さないと私が手に入れる事は難しそうですね」

「………フフ、理解が早くて助かるわ…」

「いえいえ、貴女もその頭の回転の速さは見事なものです。あっさり私を理解させるとは…」

 こうして従姉さんは、あっさりと白衣の男を言いくるめ、正門へと連れていってしまった…。
 
 俺は裏門に一人、ポツンと残っているワケだが…





「………アレ?俺、いらない子?」



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『魔王石』
魔物の中で『魔王種』と呼ばれる希少種の残す魔石。ダンジョン以外での魔王種は極稀な為、またダンジョンでも討伐難易度が高い為、入手は難しく超が付くほど貴重。

『大魔王石』
魔王石の上位に当たる最上級の魔石。今のところ、これより上の魔石は確認されていない。この世界でも存在はしているらしいが『伝説級』との事。シュウヤのいる世界もしくは喚ばれた世界では『魔王』が作り出せるのか落とすらしい。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


トーイチ=個人情報だだ漏れ。この世界に個人情報保護法はない?
博士=裏切りは定番?

魔王様オンリー一人称なのに何故かヴィーネさん無双。
置いていかれた魔王様。
ヴィーネさんに着いていく博士。
またも出番の無かった主人公。

次回もよろしくお願いします。
 
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