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VS王国+勇者

キレルモノ

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 魔王国アディス
 魔王城 正門前



 眼を開く…。

「………………」

 見た事のない景色、城に………二人の人物。そのうちの一人は『勇者』か?
 
 手には『魔剣:イエロルタール』

 ………………ふむ。

 なかなか厄介な状況で替わってくれたね、シュウヤは…。

 ………ふふふ。



 ………面白い。






 どうやって…







 壊そうかなぁ…





~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王城 正門前
 

 シュウヤ・アーク・ルティマが眼を開いた。
 先ほどは碧眼だったのだが、金色になり瞳孔が獣………いや、龍………か?
 
 纏っていた『黒い光』は鳴りを潜めてはいるものの、内包する『力』は大きく跳ね上がっている。

 気のせいか…、魔剣も禍々しさが増している様な気がする…。

 明らかに替わった…。

「………………」

 はぁ~~~………、厄介そうだなぁ…。
 俺は嘆息を吐き、隣を見る。

『ガキンッガキンッ』

 と左右の拳を打つけ、ソウシさんはヤる気満々だけれど…。

 まあ、しょうがない…。

 俺は『聖剣:クラルシュヴェルト』を握り直し、シュウヤ・アーク・ルティマの動向を見守ると同時に警戒を強めた…。




~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王城 正門前


 おぉ………かなり強くなったんじゃないか?なんか『眼』も変わったし…。マサシも警戒を強めたし…、俺も…。

 と思ったところで、別の事に気付く…。いや、気付いてしまった…。



 俺が倒した奴らが、光の粒子となって消えていくのだ。
 まさかっ?と思い、俺は視線を移すっ!




「あかーーーんっ!!」

 マサシと遠目にだが勇者も俺の声に『ビクッ』としたっぽいが、そんな事はどうでもいいっ!
 俺は無駄に『縮地』で少年兵の持っていた魔導銃の元へ移動し、手に取ろうとする。

 

 ………が

 光の粒子と化した『ソレ』を手にする事は当然出来ず、俺は…

「あ…ああ………なんて………なんて事だ…。俺の………俺の銃が…」

 俺は『ガクーン』と肩を落とし項垂れた…。



 ………くっ。銃なら………銃なら俺でも遠距離攻撃が出来ると思ったのに…。

 俺は異世界に来た頃に描いた魔法戦闘や射撃戦の夢を押し殺し、『スゥ』っと立ち上がる。

 マサシの横まで静かに歩き、『ギンッ』と勇者に視線を送る。







「てめえは俺を怒らせたっ!選べっ、フルボッコか全身複雑骨折か?二つに一つだっ!!」

「理不尽っ!?」

 マサシからのツッコミは無視して、勇者の反応を待つ。

「………ふふふ。面白いね、お前。私に勝てると思っているのが凄く良い…。いいよ、かかってきなよ………二人掛かりでいいからさあっ!」

 その言葉にマサシは…

「………はぁ」

 嘆息を一つ溢す。
 そして…


 俺は…




「………てめえ………死んだぞ…」
『ゴキン』

 指を鳴らし…



『気』を解放した…。


 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王国アディス
 ?????
 
 
 その頃…。
 北の衛生都市を目指し、街道を歩くトーイチは…。

「………はっ!先輩がなんか理不尽にキレた気がするっ!?」

 そして…






「………………いつもの事か」

 ウンウンと納得して再び歩き始めた。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓



金色の眼に龍の瞳孔=ありがち?
俺の銃=違います
理不尽っ!?=いつもの事

短め。
『光の粒子になって消える』は重要な事、とはコレ。当然リュウジ→先輩には伝わっていません。
そして後半はシリアス疲れの反動か…?

次回もよろしくお願いします。
 
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