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VS王国+勇者

ハナシアウモノタチⅢ~そして伝票へ~

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 魔王国アディス
 魔王城2F会議室


「………では勇者………いや、邪神はこのまま元の世界に還る。という事でいいか?」

 魔王ルシファス・ヴィ・サタニアの言葉に頷く邪神アーシュマ。

「あぁ、シュウヤも納得したよ。こんなに強い人達とは、もう合いたくないってさ。私もここで全力出しても面白くない結果にしかならなそうだしね」

 ヤレヤレ…といった雰囲気を出すアーシュマ。
 そしてシュウ・"博士ドクター"・ホワイトリバーは…

「私はまだ用が済んでませんので残りますよ」

 との発現。
 
「………だろうね」 

 と言う邪神に…

「「「………えぇ」」」

 と言うトーイチ、ソウシ、マサシ。

「まぁ、そうよね」

 と納得しているヴィーネ。

「………………」

 沈黙してシュウを見つめる女神ヘルベティア。

「用………とは?」

 質問するルシファスにシュウは…

「『大魔王石』…」

「「「「っ!?」」」」

 瞬間………会議室に殺気が溢れる。

「てめえ………また召喚でもする気か?」

『ゴキン』と指を鳴らし、怒気を顕にするソウシ・ベルウッド。

「この世界で、まだなにかすると言うのなら…」

『スゥ』と目を細め、目に見えるほどの闘気を発するマサシ・コバヤシ。

「(『大魔王石』って………確か俺が持ってたよな…)」

 微妙に………いや、全然違う事を考えているトーイチ。

「(『大魔王石』を使った召喚?そんなの主神クラスの邪神がっ…)」

 とんでもないモノを召喚してしまうっ!?と焦る、女神ヘルベティア。

「ソウシ!マサシ!大丈夫よ」

 待ったをかけたのはヴィーネ・ベルウッド。

「………従姉さん」

「大丈夫よルシファス…この人はそんな事しないから」

「ヴィーネ………何か知っているのか?」

「ええ。さっき裏門から正門に向かう時にね」

「フフフ………話しておいて良かった。私の用………目的は…」

 そして語られるシュウ・"博士ドクター"・ホワイトリバーの目的…

「それは…」

『ゴクリ』と全員から聞こえる様な会議室内…。

「私のゴーレムの完成…」






~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王城2F会議室


 結局、先輩の…

「ヴィーネがそう言ってるんだから、譲ってくれるよね?トーイチくん?」

『ニコリ』として『ゴキン』と指を鳴らしながらの説得?に折れた俺は、『大魔王石』をシュウに渡した…。
 そして…

「もう一個有るわよね?トーイチくん?」

 と脅さ………お願いされたのは言うまでもない。

 ちなみに女神様は…

「何で持ってるんですかぁっ!?しかも二個もっ!?」

 と涙目で頭を抱えていた。可愛い。

「もうっ!もうっ!」




 魔王城 正門


「じゃあ私は還るとするよ………それじゃあね」

 とあっさりと還る邪神。で…

「アンタは残るんだな…」

「フフフ………この世界の『大魔王石』ですからね。この世界で調整した方が良い」

 こんな感じで、あっさりと『従者契約』を破棄。
 シュウ・"博士ドクター"・ホワイトリバーはこちらの世界に残った。

「ヴィーネ………アイツに『大魔王石』だっけ?ホントに渡して大丈夫だったのか?」
「大丈夫よ多分…だってあの人、自分のゴーレムの完成以外に興味持っていないもの」

「あぁ、ソウシさん。ソレは俺も聞いたから多分本当だと思う」
「………まあ、ヴィーネとルシファスが言うなら大丈夫か…」

 そんな会話がされているなか、俺は…

「ねえ女神様?」

「はい?」

「俺、戦ってないんだけど必要だった?」

「………え?そ…それは、もももちろん必要だったに決まっているじゃないですかぁ」

「何でどもって目ぇ逸らすんですかねぇ」

 それは暗に要らない子だって言ってない?泣くぞ?

「まあまあトーイチさん」

「マサシ…」

「トーイチさんが来てくれなかったら邪神はまだまだ戦う気でしたよ?」

「………………」

 ………そうなのか?

「多分………邪神はトーイチさんに何か感じたんじゃないですかね?」

「………何か?」

「まあ多分…ですし、ソレが何か俺にも分かりませんけど…」

「………………」

「あのまま戦っていたら、この辺は酷い事になっていましたし、俺達も無傷ってことはなかったでしょうから………」

「感謝してます」って………何か分からないのに?
 そんな言葉で俺が納得すると思っているのか?
 まあ?今回は?今回だけはソレで勘弁しておいてやらないでもないけれど?

 こうして…
 勇者による魔王城襲撃は終息した。
 結果は………無効試合ノーゲームかな?



 あと女神様?
 その生暖かい目は止めてもらえます?



~~~~~~~~~~~~~~~~


 魔王城 客間


「先輩、コレ…」

「あん?何だコレ?」

「伝票です」

「伝票ぉ?………何の伝票だよ?」

「『大魔王石』のです」

「はあ?」

「いや、ヴィーネさんが先輩に回せって言うから」

「………じゃあしょうがないな」




 ヴィーネの名前を出されると何も出来ないソウシ・ベルウッドであった…。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


魔王城襲撃編終息。
ちょっと強引だった………色々と。
特にサブタイとオチは。
そして戦わなかった主人公。
次回は…?

次回もよろしくお願いします。
 
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