異世界召喚されました……断る!

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VS王国+勇者

ハナシアウモノタチⅡ ~異世界の者達~

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 魔王国アディス
 魔王城 2F会議室


「………で、えぇ………とアーシュマ………だっけ?」

「………ああ」

「さっきアンタが言ってた通り、還るって事でいいの?」

 ようやく会議室内も落ち着いたので、正門前での話し合いの続きを再開する。
 まったく………誰のせいで話し合いが止まったのやら…?

 え?俺っ?
 さーせんっ!

 俺の脳内だけの思考だと思っていたのだが、全員からジト目を向けられた。
 何?俺はいつからサトラレになったのだろう?

「アホだな」
「アホね」
「アホですね」
「アホだね」
「アホですねぇ」
「アホなんだな」
「ア………ぷっ………ホ………ぷふっ」

 全員からアホ認定だとっ!? 
 失礼なっ!
 脳筋のお前らには言われたくないわっ!

「お前が言うなっ!」

 総ツッコミ………だとっ!?





 閑話休題

「還るって事は送還魔法があるのか?」

 という、召喚されて異世界に来た俺、先輩、マサシにとっては、かなり重要なお題なワケだが…。

「いや?無いんじゃないかな?」

「………じゃあどうやって?」

「シュウヤの持つEXスキル『次元跳躍』………このスキルの力で私は跳ぶ事が出来るんだ」

 さらりと送還魔法が無い事と勇者の力の一端を語る邪神…。
 俺達は…

「あぁ………ちょっと両親には会いたいかなぁ」
「そうだな…」
「そうですね…」

 突然、異世界に送られたからな…。
 この辺は三人とも同じ気持ちだった。

「まあ、帰りたいとは思わないけれど」
「俺も」
「俺は帰れるなら…」

 マサシだけは帰りたいと思っているようだ。
 それもそうか………マサシはまだ子供の頃にこっちに来たみたいだし…。
 
 ちょっと湿っぽくなってしまった…。
 話を戻そう。

「お前の部下達が光になって消えたのは?」

 とは先輩の質問?

「彼らはスキル『従者召喚』で喚び出したんだ。消えたのは死亡認定するほどのダメージを受けたからだね。実際には死んだワケではなく、シュウヤの世界に戻っているよ」

 何その有能スキル。

「俺の………俺の銃はあああっ!!?」『ゴスッ』「ソウシのじゃないでしょ」

 何か叫び出した先輩の頭をヴィーネさんが叩いて諌める。
『グー』だったな…。

「キミの………ではないだろうけれど、当然装備品も一緒だよ」

 それが普通だよなぁ…。
 ダンジョンとかが特別なんだよな…。

「くっ…」

 とか言って、頭を擦っている先輩は放っておこう。

「そっちの白衣の彼はどうなの?」

「………私?」

 とはヴィーネさんの質問。
『白衣の男』………どう見ても俺が知っているシュウにそっくりなのだが…。

「シュウ・"博士ドクター・ホワイトリバーはシュウヤと『従者契約』はしているけれど…」

「フフフ………さすがは邪神アーシュマ。分かって………いや、知っていましたか」

 シュウ・"博士ドクター・ホワイトリバー………。
 名前も似ているし、被ってんな…。
 ホワイトリバー………ホワイト…リバー………白川ホワイトリバー………っ!?

「………まさかアンタっ!?」

 俺は立ち上がりシュウを見ると…

「フフフ………それ以上は…」

 と口の前に人差し指を持ってきていた。
 俺は座り直し思う…。
 


 うん、駄目だな………と。


 そして先輩も俺の様子で気付いたのか、シュウを見て少し考えこみ………

「………あっ!?………冗談………だろ?」

 マサシは俺と先輩の様子を見ても今一ピンッと来ないみたいだ。
 あまりゲームとかしなかったのかな?

「私はシュウ・"博士ドクター"・ホワイトリバー。アーシュマは知っていたようですが………確かに私は『従者召喚』によって喚び出されましたが、『従者契約』は自らの意思で破棄する事も出来ます。もちろんシュウヤも承知済みの話です」

 それはつまり…

「フフフ………私だけこちらの世界に残る事も可能ということですね」

「しかし、それだと君は元の世界に戻れないのではないか?」

 そう問うのは魔王ルシファス。

「フフフ………私は元々シュウヤの世界の人間ではありません。偶々ですが興が乗ったので『従者契約』しただけですからね。それに………戻ろうと思えば…」

 だろうな。
 俺の知っている人物と同じなら、次元跳躍なんて平気で出来そうだ…。

「なので、その辺は気にせず…フフフ」

 なんか………厄介そうな奴が厄介な事言っているな………俺は………いや、多分全員そう思っただろうな………。

 それと同時に俺は…




 グラ◯ゾン見れるかな?とも思ったのは秘密である。







「………………トーイチさん?」

「ごめんなさい」

 もちろん女神様に心が読まれていたのは言うまでもない。








「………………ソウシさん?」

「ごめんなさい」

 もちろん先輩も読まれていたのは言うまでもない。




〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


博士=やっぱりゲストだった?

話が進んでいるようで進んでいない。
シリアスさんとコメディさんの融合………出来たかな?
「アホ」は誰が言ったかギリギリ分かるかなぁ、と心配なのは言うまでもない。

次回もよろしくお願いします。

※ホワイトリバーは漢字に直したら多分駄目だろうな………と思っているのは言うまでもない。
※サブタイはもちろん…。
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