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魔王国アディス~アライズ連合国
準備期間九日目①
しおりを挟む魔王国アディス
魔王城 客間
翌日…
かろうじて堕天するのを避けた俺は、賢者モードに突入した働かない頭と重い体を引きずって、昼食を摂った後に調査隊編成会議に参加する。
昨夜、食堂の手伝いに呼び出した冒険者ギルド・ギルドマスターのマサシは手伝いには不満だったものの、その後にカレーとラーメンを食べれたことで満足し、そのまま魔王城に泊まったようである。
また午前中は自ら厨房に入り、魔王城の料理人達にバリエーションをレクチャー。チーズカレー、オムライスカレー、ハンバーグカレーなどがメニューに加わった。
ラーメンはスープ作りが難しかったので味噌、塩味は断念。野菜炒めや肉のせラーメンなどにとどまった。
閑話休題。
さて会議である。
「………………」
「「………………」」
「………何で先輩がいるんですかね?」
「………いや、俺も呼び出されたんだが?」
「………ヴィーネさんがいるのは?」
「妻だから?」
ソレは理由じゃねえっ!とツッコミたいのを抑え、放置することにした。
「あぁ…ソウシさんは俺が呼びました」
とはマサシ。ヴィーネさんのことには触れないのな…。
しかし先輩を呼び出したってことは同行者は…
「あっ、ソウシさんは同行者じゃないですよ」
…あ、そう。なら何故?
「確認…ですかね。同行者候補として俺はリュウジ・ベルウッドを推薦します。念の為、ソウシさんには聞いておこうかと…」
なるほど、息子さんか…。
「リュウジか…。別に構わんな」
「そうね、あの子ならまあ…」
先輩夫妻に反対の反応はない。
「ふむ、リュウジなら何かあっても対処出来るし…」
「ソウシのせいで影が薄いもんね」
「確かに…」
ルシファス、リディアからも反対の声はない。
しかし…………………やはり先輩のせいか…。
「いやいや俺のせいじゃねえだろ」
「「「ソレはないっ!!」」」
総ツッコミである。
「解せぬ…」とか言ってるけれど、間違いないんだろうな…と俺もうんうんと納得しておく。
「リュウジなら商人であるということから情報収集も長けているし、それに加えて戦闘力もあります。正直、冒険者から選ぶよりも適任なんですよね」
マサシの発言に俺は、そうか、そう言えば商人だったな先輩も…と思ったのは内緒である。
こうして、推薦の理由も納得ではあるが、そもそも反対意見もなく満場一致で同行者はリュウジ・ベルウッドに決定された…。
あれ?決定?
本人の意思は?
「「「………………」」」
言えよっ!?
~~~~~~~~~~~~~~~~
会議後…
俺は先輩とマサシを連れてルセリア帝国ベルセのベルウッド商会本店へ転移し、リュウジを捕獲。
その際…
『ガシィッ』
「「確保ぉっ!!」」
「なっ!?親父っ!?マサシさんっ!?」
両脇を先輩とマサシに抱えられ確保されたリュウジは…
「リ…リサ、助けてくれぇっ!」
娘に助けを求めるのはどうかと思うが…
「お父さん…」ニコリ
「リサ…」
「行ってらっしゃい」テ、フリフリ
「リサァッ!?」
あっさりと売られたリュウジに俺は涙したが、速攻で魔王城に転移したのは言うまでもない。
ちなみに確保した瞬間、俺は高速で動きリサさんとクラウさんに調味料やらなんやらを手渡し、光の速さで買収したのは秘密である。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
先輩&ヴィーネ会議に参加=一応親だし
影が薄い=やっぱり
商人=そう言えば
確保=ベタ?
買収=タレとかルーとか
というワケで微妙に影の薄い息子リュウジ・ベルウッド参戦………となりました。
ハルトは何処いった…。
次回もよろしくお願いします。
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