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魔王国アディス~アライズ連合国
調査隊『ティターニア』同調
しおりを挟む魔王国アディス
調査隊『ティターニア』に入隊させら………入隊した俺とリュウジ・ベルウッド、そしてリディア・フォン・エルフリアの三人で、中立都市ヘリオに続く街道を進む。
途中、宿場町や野営地の幾つかを通過したり泊まったり…。
順調に………順調に?
まあ、リディアの奇襲以外は大体順調に進んだ。
そのリディアの奇襲も、俺の結界が破れないのを思いしり、ここ最近はおとなしい。
うん、順調である。
そして…
順調だな…。とそう思ったことがフラグであったのだろう。
「ほう………魔王国にハイエルフとは珍しい。言い値で買ってやろう………幾らだ?」
街道を移動中、貴族が乗っているであろう馬車に抜かれたと思っていたら、その馬車は俺達の前で停車した。
馬車の中からはツーブロックで前髪パッツン、カイゼル髭の恰幅の良い魔族のオッサンが出てきた途端、偉そうにそう宣った。
「「「………………」」」
「リディア………変化とか認識阻害の魔法、使ってんじゃなかったっけ?」コソ
「王国に入ってないんだから使っているワケないでしょう…」コソ
「まさか魔王国内で絡まれるとは…。どうします?」コソ
三人でコソコソと話すが、思いはシンクロしていた…。
「「「(………面倒だな)」」」
もう見た目から面倒そうな雰囲気を醸し出すソイツにヤレヤレ…と思っていると、護衛であろう騎士がオッサンの後ろから口を出す。
「おいっ、男爵様が聞いているだろうっ!さっさと答えろっ!」
「「「(うわぁ………面倒くさ…)」」」
再びシンクロする俺達。
どうやら男爵位のオッサンらしい。余計面倒な情報を聞いてしまった…。
「平民にそう怒鳴るでない。怯えているではないか…」
オッサンはそう騎士を嗜め、チラッチラッとリディアに視線を向けている。
何だろう?部下を嗜める自分格好良いアピールかな?
「(おいっ、リディア………何とかしなさいよ)」
「(えぇ…、いやよ面倒くさい…)」
アイコンタクトするも面倒なのがバッチリわかってしまうのが悲しい。
「そう緊張しなくて良い…。ほら言い値で良いのだ、答えるがよい」
いや、緊張して黙ってるワケじゃねえから…。
仕方ない…。
「そもそも仲間を売る気はありません。申し訳ありませんが御断りします」
俺はそう言い、横を通り抜けようとする。
オッサンは断られると思っていなかったのかポカンとしているが、騎士は違った。
片腕を上げ、俺達の進路に立ち塞がる…。
「貴族の申し出を断ってただで済むと思っているのか?」
ギロリッと睨んでくる騎士に俺達は…
「「「(面倒くさっ!!!)」」」
三度シンクロする。
「(………殺るか)」
「(………殺りましょう)」
「(………殺るしかないわね)」
三人でのアイコンタクトにコクリと頷き、リュウジが動く。
「ふっ!」
『ゴキンッ!』
「ごふぅっ!?」
『縮地』からのボディブローで鎧の上から拳を叩きつける。
リュウジと俺が入れ代わり膝から崩れ前のめりになった騎士を背中越しに持ち上げ…
「ふんっ!」
『ドスンッ!』
パイルドライバーで地面に頭を突き刺す。
俺はリディアとハイタッチを交わしチェンジ。
リディアはアイテムバッグから愛用しているであろう杖を取り出し…
「えいっ!」
可愛い声を出しながら上段から杖を振り下した………頭が地面に刺さった騎士の無防備な股間に…。
『ボグゥッ!』
「っ!?」
騎士は頭が刺さった状態で内股になりピクピクと痙攣している…。
リディア………恐ろしい子。
貴族のオッサンと残りの護衛の奴らを含め、俺とリュウジも玉ヒュンしたのは言うまでもない。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
ちょっと中途半端に…。
リディアの「えいっ!」が描きたかっただけです。
次回もよろしくお願いします。
応援ありがとうございます!
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