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魔王国アディス~アライズ連合国
調査隊『ティターニア』半円
しおりを挟むアライズ連合国
港町プエルト 詰所
プエルトの詰所にリディアに手を引かれながらやってきて、隊長室でいつまでも手を離さないリディアにチョップをお見舞いしたら、たくさんの目のハイライトさんがサボっているエルフさん達に囲まれた…。
長いうえに、ちょっとよく分からないことになっているのだが…。
原因は分かっている。
「(おいっ、リディアさん。何とかしてくれませんかねぇ…)」
「(えぇ~、まだ叩かれたところが痛いしぃ~。どうしようかなぁ~………撫でてくれたらなぁ~…)」
………あざというえにうぜぇ。
しかし、武器を抜きジリジリと近付こうしてくるエルフさん達をぶっ飛ばすワケにはいくまい。
だがしかし…
「(お前………今俺がお前の頭撫でたら、どうなるか分かって言ってんだろ?)」
「(ん~………、えへへぇ?)」
瞬間、俺はチョップのお代わりをお見舞いした。俺は悪くない。
「ぁ痛ぁっ!?」
そして…
『『『ギンッ!!!』』』
リディアの叫び声に合わせて、目を光らせたエルフさん達が一斉に動き出す!
「「「くぉらぁっ!!!」」」
「「「そこ動くなぁっ!!!」」」
だが甘い………俺はエルフさん達の頭上に『スクエアビット』を出現させ、落とす。
『ゴゴゴゴゴンッ!!!』
無防備な脳天にオリハルコン製の鈍器………いや武器をまともに喰らい、一撃でエルフさん達を気絶させた。
しかし、一人だけ動いておらず、頭上から落とされるスクエアビットを冷静に避けていた人物がいた。
隊長さんである。
………チッ。ハイライトさんがサボっている状態から目を光らせていたから、感情に任せて動くと思っていたんだがな…。
そして隊長さんが口を開く…。
「フッ………なかなかやるが詰めが甘いようだな。だがリディア様に手を出した罪は重い。………覚悟しろ小僧っ!!」「誰が小僧だっ、こらぁっ!!」
『ドゴォッ!!』
俺の渾身の右アッパーが火を吹いた。
隊長さんは真上に吹き飛び、天井に頭が刺さりブラーンとしているのだが…
「ぷっ………隊長さん…頭………刺さって…」
「ある意味、お前のせいだろっ」
『ビシィッ』
「ぁ痛ぁっ」
俺はリディアに三発目のチョップをお見舞いして、この詰所での騒動は終息を迎えた…。
誰も得しない、悲しい事件だった…。
ホント何しにきたんですかねぇっ!?
~~~~~~~~~~~~~~~~
「誘拐事件ですか………プエルトでは特に聞きませんね」
あの後、俺は隊長さんを降ろすべく、両足を持って「エイッ」と下方に引っ張ったのだが…。
『ズボッ』と天井から引き抜いた隊長さんは、そのまま綺麗な半円を宙に描き、『ガンッ!』と後頭部を床にダイレクトアタック。『チーーーン…』というオノマトペが出そうな感じに白目を剥いて気絶を継続。ピクリとも動かなかった…。
という事があったのだが、リディアの範囲回復魔法により他のエルフさん達と共に回復させて、隊長さん後頭部強打事件は闇に葬り、シレッと本題に入ったのである。
うん、何かごめんなさい。
~~~~~~~~~~~~~~~~
死の山岳地帯
中立都市ヘリオ 商業ギルド
「………希望は?」
商業ギルド・ギルドマスターのシーハンに情報収集を依頼したところで対価を求められたリュウジ・ベルウッドはそう聞き返す…。
「情報は入っているぞ?」
シーハンのその言葉に『ピクリ』と眉根を動かすリュウジ。
しかしリュウジからは口を出さず、シーハンの言葉を待つ…。
「………………」
「………………」
二人の沈黙………そして二人の間の空間に緊張が走り、今にも亀裂が入りそうな雰囲気を醸し出す…。
「(………一体何を要求する気だ?)」
数瞬の沈黙の後………シーハンの発した言葉は…
「新作のソースを手に入れたらしいな…。それも肉専用の…」
某焼肉のタレの事だった…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
リディアさん=確信犯
隊長さん=半円を描く
トーイチ=なんだかんだいって共犯
シーハンとリュウジ=無駄にシリアス
報酬のオチが焼肉のタレなのはバレてましたね。特に変更もしませんでしたが…。
次回もよろしくお願いします。
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