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魔王国アディス~アライズ連合国
調査隊『ティターニア』結界
しおりを挟む死の山岳地帯
中立都市ヘリオ
おもちゃのバズーカでお昼寝中のリュウジを起こし、先輩譲りのGフィンガーという名のアイアンクローを喰らった後、三人で食堂に行き夕食となった。
しかし、さっきのリュウジは面白かった。バッチリ映像に納めたし、今度先輩に見せてやろう。
注文を済ませて料理を待っている間に、先ほどのことを思い出し、そんなことを考えていると…
「また悪い顔してるわね…」
「くだらないことを考えている顔だな…」
「あぁ、そうかもね。そういう顔してる」
「失礼だなお前ら…」
まあ、合っているんだが…。
料理を食べ終わり、お茶を飲み一息。そしてリュウジから…
「明日、出発の前に商業ギルドに行きます」
「「商業ギルド?」」
リュウジはコクリと頷き、続きを話す。
「商業ギルドのギルドマスター・シーハンに情報収集の依頼をした。一日しか時間はなかったが出来る限り集めてくれているだろう」
「ああ、シーハン………ここにいるんだ」
「シーハン?」
「グランドマスターの一人で、さっきリュウジが言った通り、商業ギルドのギルドマスターでもある人物よ」
「へぇ………えっ?何?そんな偉い人に頼んだの?」
「偉い人って………トーイチさん…。マサシさんも、そこにいるリディアさんもグランドマスターと呼ばれる人達ですよ」
「………………そうだっけ?特にリディア」
「酷いっ!」
「トーイチさん…」
俺の言葉に、ヤレヤレ…というリアクションをするリュウジ。
酷いとか言っているがリディアは普段の俺への対応を改めてっ!
あとマサシは俺の後輩だから良い~んです。
「まあ、とりあえず…」とリュウジが話しを戻す。
「シーハンなら守秘義務も問題無いし、短い時間でもある程度の情報は手に入る。その後、解決するまでは協力してくれるでしょう…」
「まあ、それなら…」
「そうね、シーハンなら…」
こうして明日はチェックアウトしてからは、まず商業ギルドに向かうことが決まった。
俺達はお茶のお代わりをいただいて、「じゃ、また明日な…」と解散。
各自、部屋に戻る。
~~~~~~~~~~~~~~~~
部屋に戻った俺は考える…。
「明日の出発前に商業ギルドか…。………………となるとだ、さすがに賢者モードは良くないな…。………………今日はおとなしく寝るか…」
とてもくだらないことだった…。
しかし…
その前に…
俺は結界を展開する準備をする。
対リディアにおいて、弱点を弱点のままになどしてはおけんっ!
俺はそう意気込んだ。
ではどうするか…?
簡単なことである。
結界をその『場』に出現させるのではなく、俺の身体から徐々に展開していく。
俺を中心に少しずつ結界の壁を広げて…と。
『ズズズ…』と動かしていくと…
「ぁ痛っ!?」
コテン…と転がり、姿を隠していたリディアが現れた…。
「………………」
「………………」
「やはりいたか…」
「え~っと………えへへ?」
それで誤魔化せると思っているのだろうか?
俺は右手を顔の高さまで上げ『ゴキリ』と拳を鳴らす…。
先輩には及ばないが俺も使えるぞ?先輩がGフィンガーなら俺は…。
俺は拳を無駄に光らせ…
「喰らえ………S………フィンガアァーッ!!」
メキメキしたあと、こめかみからシュー………と煙を出しているリディアを、廊下にポイッとしたのは言うまでもない。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
バッチリ映像に~=先輩大爆笑。あとヴィーネさんも。
拳を光らせ…=何気に魔法を使用
Sフィンガー=光ってる
トーイチ、結界の弱点を克服。
しかし、この日はおとなしくしていたそうな…。
次回もよろしくお願いします。
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