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アライズ連合国~ポークレア王国
リョーサンの洞窟⑤
しおりを挟むアライズ連合国
リョーサンの洞窟 最下層 宝箱部屋
洞窟最奥で一泊することにした俺達は野営の準備を始める。
ボスの『スライムエピオン(EW)』を倒して、この部屋にくるかもしれない冒険者には悪いが、念のため入口に結界を展開して閉ざしておく。
簡単に肉を焼いて、インスタントのカップスープで食事を済ませ就寝。
もちろんリディアとは別々である。まあリュウジが一緒で野営の時は、さすがのリディアさんも無茶はしないけれど…。
翌日、軽めに食事を済ませて魔方陣への突入準備。………まあ着替えるだけなのだが…。
結局、『向こう』からも『新たに』も魔方陣は起動せずだったな…。
まあ、それは仕方ないか…。
「トーイチ、準備できたわよ」
「トーイチさん、準備できました」
「よしっ、んじゃ行くかっ!」
そう言い、俺は魔方陣に一歩踏み出した…。
「………………」
「「………………」」
作動しない………どうやら一方通行の方の魔方陣だったらしい。おいお前ら、何プルプルしてんだ?泣くぞ?
俺は気を取り直して、向かい側の魔方陣に体を向ける。
もちろん恥ずかしかったのでノータイムで魔方陣に足を踏み入れた。
魔方陣は『カァッ』と輝き出し、転移が始まる。
次に俺の視界に映った景色は…
~~~~~~~~~~~~~~~~
転移が終わり、俺の前にはリディアとリュウジが…。
二人とも口元を両手で押さえてプルプル震えている。
「ぶふっ………おか…えり………なさい」
「プフッ………お…帰………り…」
そう…。
一方通行の魔方陣の向かいにあった魔方陣はこのダンジョンの魔方陣だった。
つまり俺は一層に行って戻ってきたのである。
「お前ら………何で付いてきてなかったの?」
「くふっ………いや、だって………ぷっ…」
「ぷっ…そっちの魔方…陣、装置………ぶふっ………無いじゃ…ない」
確かに一方通行の魔方陣と違って装置の類いが無い。
そして部屋の別方向に装置が設置されている魔方陣が見える。
つまり………というか、そういうことである。
「………教えてくれても良かったんじゃないかな?かな?」
「ぶふっ………いや…クッククク…」
「プフフッ………自信………満々で進…むから………フフッ…」
「「もう………無理………アハハハハッ!」」
盛大に笑い出す二人。
「………………へぇ…」
俺は『ギギギ…』と錆びたロボットのように首を傾げ二人を見やる。
所轄、シャフ度である。
俺は右手に『◯鳥』、左手に『雷◯』を発動させる。そして…
「『結界』…」
「甘いっ………うわっ!?」
「甘いわ………えっ!?」
『バターンッ』
結界の発動の前にそっと二人の足元の四方をスクエアビットで囲む。
するとどうなるか?
結界が展開される前に避けようとした二人は見事スクエアビットに引っ掛かり、倒れ込むワケだ。
そして倒れたところを間髪入れずに結界で拘束。
俺は両手を『バチバチ』と音を鳴らしながら二人に近付き…
「喰らえっ………『千◯』『◯切』っ!!」
「「ちょっ………止めアババババッ!?」」
~~~~~~~~~~~~~~~~
『『プシューーー………』』
煙をあげ倒れているリュウジとリディアの二人………今度はボンバヘッド仕上げである。もちろん油性マジックでの落書きも忘れない。
「今度からはちゃんと事前に教えるように…」
「「………………はい」」
まったく………余計なことで時間をロスさせんじゃねえってんだこんちくしょいっ!
そしてようやく俺達は無事………じゃあないが、三人揃って魔方陣へと足を踏み入れた…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
魔方陣=一方通行の出口のモノとその向かい+別の方にもう一つあった。普通、向かいのモノだと思うよね、っていうお話。
落書き=前回とは別パターンらしい?
『リョーサンの洞窟』編終了。
さて次回は…?
未だアップを続けているシリアスさんの投入はあるのか?それとも?
次回もよろしくお願いします。
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