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アライズ連合国~ポークレア王国
初日が終わる…
しおりを挟むポークレア王国
初級ダンジョン『ウァーアンダーの神殿』前
盗賊団への事情聴取を終えて俺達三人は一先ず街道を目指し移動を開始する。
盗賊団御一行はこれ以上精神的にお仕置きするのも可哀想になったので、移動先の街の警備隊とか冒険者ギルド等に引き渡すことにした。
どのみち引き渡すのだけれど、リディアのスマッシュは可哀想過ぎるからな…。
えっ?その間の食料とかはって?
ちゃんと置いてきましたよ………身ぐるみ剥いだけれど…。
対価としては盗賊団の持ち物なんて不足するだろうけれど、二束三文にでもなれば良いか………ってね。
と言うワケで盗賊団の連中は神殿前の岩の牢獄内で捕縛隊が到着するまでお留守番である。
神殿から数時間移動して街道を発見。
この街道を南下して街を目指すのだが…
「見える範囲に町とか街とか無えな…」
「うへぇ…」
「面倒ぉ…」
『マップEX』で見ても結構遠い…。
ここは『転移』一発でサラッと移動してしまいたいが…
「トーイチぃ………転移で跳べないのぉ?」
「行ったことないトコは無理だな…」
とサラッと嘘を付いておく…。
『マップEX』との併用で余裕だが、後々便利に使われても困るしな………俺がっ!
街道を南下し始めてからは植生が変わったのか、今まで見たことのない植物などが多く見られたので、スクエアビットを幾つか飛ばして簡単採取。
ついでに高く売れるように『アイテムボックス』内で錬金しておく。
また出てくる魔物も帝国・連合国に比べて若干変わってはいるが、こちらはリュウジとリディアがサクサクと倒していた。
解体は俺の『アイテムボックス』にお任せである。
結局、本日中には何処にもたどり着くことはなく日が落ちてしまったので、野営開始である。
バーベキューコンロや魔導コンロを出し、調理開始。
材料はまだまだあるし、今日狩った魔物の肉もある。
足りない物は『タブレット』で購入できるし、食事にはまったく困らないな。
串焼きの肉にはにんにくダレを漬けて焼き上げる。
極上の匂いを放つソレにかぶり付き、喉に冷たいビールを流し込む…。
「くぅ~~~っ………………美味い…」
「はぁ~~~………幸せ…」
「ぷはっ………………最高…」
俺も含めて三人ともご満悦である。
食べ終えて食休み中…
「しかし、誰ともすれ違わなかったな…」
街道に出るまで、そして街道に出てからも…。まあまあ長い時間移動していたのだが…
「人通りが少ない………というのも誘拐犯にとって都合が良かったんでしょうね…」
「初級………といってもダンジョンが在るんだから、もう少し人通りがあっても良いと思うんだけれどねぇ…」
リュウジとリディアが言う…。
恐らく、その辺も踏まえてのダンジョンの選択だったのだろうな…。
それに…
「移動時はそれなりに偽装しているだろうしな…」
「そうね………見た目だけでは分からないでしょうね…」
「ですね…」
ん~~~………………つ!?いや………ということは…
「町や街に入る時は検閲するよな?」
「?………するわね…」
「………つまり?」
「ソレをスルーするってことは…?」
俺の質問に二人は表情を変える…。
「「わざと見逃している…?」」
「………というよりソコの長なり権力者が犯人の一味………または主犯そのもの…」
まあ………もっと上の立場の人物かも知れないが協力者以上なのは間違いないと思うが…。
新たな推理から当りをつけて、翌日からの動きを決めていく…。
拐われたエルフさん達も心配だけど………獣人の子供たちは特に早く助けてあげないとな…。
こうして…
この異世界に召喚された時以来のポークレア王国初日が終わろうとしていた…。
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
『暫定:誘拐犯一味』改め『ただの盗賊団』は可哀想過ぎる………という理由でスマッシュ回避。
リディアさんは力を貯めた。
そしてラストはちょっとシリアス気味に…。
次回もよろしくお願いします。
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