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潜入!ポークレア王国!!
ep.2 潜入side:リディア②
しおりを挟むポークレア王国
領主貴族の街『テンダーロ』
トーイチと別行動になってから二日が経過…。
私とリュウジの二人は無事、今回の事件の元凶であろう領主貴族の治める街『テンダーロ』への潜入に成功。
現在は宿を拠点に食事処や酒場を中心に情報収集をしている。
「いやいや、アンタ門番を詰所の裏に引っ張っていってスマッシュしてたでしょうが…」
やれやれ…といった手振りでそう宣うリュウジ。
いやいや、アレはイヤらしい目で私を見てきたあの門番が悪いのだからセーフ案件よ…。
それより私の心の中の語りにツッコミ入れないでくれないかしら…?
まあ、そんなことは置いておいて………今日も情報収集のため街に繰り出す。
しかし…
「………………」
「………………」
「………昨日見て、分かってはいたけれど…」
「………ここは、獣人の奴隷が労働力として成り立っているんだな…」
その痛ましい姿を見て、怒りが湧いてくる。
「リディアさん………魔力が漏れだしてる。抑えて…」
「………ふぅ、ごめんなさい」
リュウジに宥められ、溢れそうな魔力を抑える。
可能なら直ぐに街ごと吹き飛ばしたいのだけど…。
「物騒な………止めてくださいねホント…」
「………リュウジも………でしょ?」
「………ああ、まあ、獣人がいなければ、あの領主館をまるごと両断したいとこですね」
そう言い、領主館に視線を向ける…。
私も視線を移し、その視界に捉え…
「………許してやることを考える必要も無いわね…」
そう呟き、直ぐに視界から外した…。
~~~~~~~~~~~~~~~~
翌日…
私は服を買いにブティックへと足を運んだ。
もちろんお仕事のためである。
前日の情報の中にあった…
『奴隷オークションが開催される』
私たち二人は参加することに決めたものの、このオークションに参加するのにドレスコードがあり、急遽必要になったからだ。
「もう少し淡い色の物はないかしら?」
「ではこちらなどは如何でしょう?」
「………良いわね、コレにするわ。あとコレに合うアクセサリーも見繕ってくれるかしら?」
「畏まりました…」
決して楽しんでいるワケじゃないんだからね。
買ったドレスと小物はアイテムバッグに仕舞い、予め決めていたカフェへ移動。
リュウジが来るまで三人ほどスマッシュして待つ。
リュウジが到着して、リュウジはコーヒーを。私は紅茶のお代わりとパウンドケーキを注文。
ケーキを一口ぱくり………と口に入れ、紅茶を啜る。
「………でオークションの方は?」
「ま、王国内………とは言っても商人としての伝手はあるんでね………招待券、手に入りました」
さすがリュウジね。
こういったことはトーイチやソウシよりも断然頼りになる。
「開催日は何時なのかしら?」
「二日後………場所はテンダーロ領主館」
「………………好都合ね」
表立っての開催ではないから領主館裏口から入場。開催時間も深夜から。
その割には噂になっていたけれど…?
まあ、こちらに都合が良いことには変わりないわね。
「………参加する人たちも主催者も纏めて………フフフ…」
「リディアさん………漏れてる!黒い笑みが漏れてるからっ!?」
おっと、いけない…。
私はまた一口………大きめに切ったケーキをぱくりと口に放り込んだ。
うん、美味しい!
〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
順調なリディアside。
そして顔を覗かせる黒リディアさん。
人知れずスマッシュの犠牲になった三人。………いや、門番さんもか…。
次回もよろしくお願いします。
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