偽装離婚のつもりでしたが、ちょうどいい機会なのでそのまま離婚します!

京月

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「すまなかった!!」

 
 メイドから何があったか聞いたのだろう。私と会うなり頭を下げるカイル。


「…いいのよ。カイルも領地の仕事で疲れていらしたのよね」

「そうなんだ!!聞いてくれよ、3つの村を束ねてるゴゴっていう村長が僕のことを馬鹿にしたんだ!あのジジイが僕を馬鹿にしなければあんなことにならなくて済んだのに…」


 そう言ってすぐに責任転換をして自分を正当化したカイルを見てライネは表情を暗くする。

 カイルがこういう性格なのは元々知ってましたけど、最近はそれがどんどんと酷くなっているような気がします。なんででしょうか、カイルを見ていると嫌な気分になりますわ。


「そうですか。もうこんな時間ですが仕事に行かなくてよろしいのですか?」

「そうだった!今日は家で食事をするから。ライネの手料理が食べたいな」

「…分かりました。行ってらっしゃいませ」


 カイルが慌てて屋敷を飛び出した後、ライネはメイド長を呼ぶ。


「今日の料理を頼んでもいいかしら。どうしても作る気になれませんの」

「……畏まりました。それとお嬢様に手紙が届いております」

「手紙?」


 手渡された手紙の差出人を見てライネの表情は明るくなった。


「すぐに出かける準備をしますわ!手伝ってください!」


◇◇◇◇


 馬車を走らせライネがやってきたのは町のはずれにある一軒の小屋だった。

 馬車を下りるライネに1人の青年が声を掛ける。


「やあライネ!久しぶり」

「会えてうれしいですバロン!!」


 清潔に整えられた髪に整った容姿、程よく鍛えられた大きな体は頼りがいを感じる。
 
 彼の名はバロン、ライネの幼馴染だ。

 身分は平民だがその愛嬌の良さと何でもそつなくこなせる器用さからライネの両親に大変気に入られ幼少期にはよくライネの屋敷に出入りしていた。

 ある程度歳を重ねた頃、ライネの父の紹介で他国の学園に留学をしたのだが、届いた手紙に戻ってきたことが記されており急いで駆け付けたのだ。


「背が伸びましたわね」

「そうかな?ライネが小さくなっただけじゃない?」

「またそんなことを言って私をからかいますの?…フフフ」


 相変わらずの性格ですが最後に見た時からバロンは成長しています。背丈もライネと比べると15センチ程高いですね。スラっとした手足が何だか大人っぽくて素敵に…何を考えているんですの私は!!

 顔を赤くするライネを他所にバロンは小屋に入るよう促す。


「いいお茶を持ってきたんだ。飲んでいってくれ」

「もちろん!いただきますわ!!」



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