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復讐
◇旦那視点◇
最近不幸が続いている。
職場では身に覚えがない出来事で上司から怒られ職を失った。
「お前何したんだ!?」
「え?何がですか?」
「とぼけるんじゃねえ!いくつものお得様がうちのポーションの取り扱いを辞めるって言いだしたんだ。理由を聞いたら何処もお前の名前を上げてるんだよ!」
「ちょっと待ってください!僕は何も知りませんし、何もやってません!」
「うるせえ!お前を解雇しないと取り扱いは無効だって言われてんだ、悪いがお前は今日で解雇させてもらう」
「…そんな」
ドルナには愛想をつかされた。
「ドルナ、僕の弁当は?」
「なんで私が作らないといけないの?あなたが自分で作りなさいよ」
「いや、そういうのは妻の仕事だろ?前の妻はちゃんと…」
「最低!そうやって私と前妻のことを比べるの!?」
結婚してからヒステリックな所があるのを知った。
「すまない、そういう意味じゃないんだ」
「そう、ならいいわ。じゃあ出かけてくるから」
「またか?昨日もどこかに出かけてただろう。せっかくの休日なんだしたまにはデートをしよう」
「休日って、あなたは毎日が休日じゃない。デートなんかしてる暇あるの?」
「そ、それは…」
「無いわよね、妻の稼ぎで生きているんだから。本当に情けない」
そういって妻は家を出て行く。
その日こっそりと妻の後を付けると容姿の整った男性が女性を接待する店に入っていく現場を目撃した。
自分はもう男としても見られていないのか。
◇1年後◇
あれから僕は再就職先が見つからず妻もあの店の男に心を奪われ離婚を言い出してきた。
最初は抵抗したが妻は僕にこう言った。
「これも全部あなたのためよ」
前の妻と別れるときに言ったセリフだ。
まさか自分が言われるとは思っていなかったな。
そのまま妻とは離婚、いろんな所からお金を借りたが借金に首が回らなくなり担保にしていたこの家も今日差し押さえになる。
トントン
ドアがノックされた。
もう来たのか、本当にこれからどうやって生きて行けばいいんだ。
家が無ければ仕事も見つからないのに…。
もう少し借金の返済を待ってもらおう。
ドアを開け即座に土下座をする。
「すみません!どうかもう少しだけ返済期限を延ばしてくれませんか!!」
「....本当に無様ね」
聞こえてきたのは借金取りの怖い男の声ではなく、聞き覚えのある女性の声だった。
顔を上げるとそこにいたのは前の妻だった。
「君がどうしてここに…?」
「……」
「まさか僕とよりを戻して欲しくて来たのか?」
なんだ、こんな健気な所があったのか。
一度は結婚していたのに知らなかった。
けどよりを戻せば当分は生活に困らなくなるだろう!
このチャンスはなんとしても逃してはいけない。
「聞いてくれ、昔の僕はどうかしていた。ドルナという魔性の女に心を奪われ最愛の人である君にひどいことをしてしまった。でもやっと正気を取り戻した。頼む僕とよりを戻してくれ」
そういって優しくハグをする。
前妻はゆっくりと僕の体を押し返すと…僕の頬に平手打ちをする。
「え…?」
「さっきから聞いていれば随分と勝手なことばかり言うじゃない」
「…どうしてだ?僕に会いに来たのではないのか?」
「は?そんなわけないでしょ。この家を取り戻しに来たのよ私は。じゃあお願いします」
前の妻の言葉で屈強な男たちが家の中へと押し入り家具や家財を差し押さえていく。
「私ね、再婚したの。彼はこの辺では一番の権力者で一声かければ誰でも協力してくれる。例えばとあるポーションを取り扱うなと言えば、皆取り扱わなくなるし、どこぞの女を色仕掛けで落としてこいと言えば男たちは本気で落としに行くわ。今の旦那は凄い人なのよ」
腑に落ちなかった物が全て頭の中で繋がる感覚がした。
「もしかして、いや、もしかしなくても全部君がやったことなのか?」
「ええそうよ」
「なんで…なんでそんなことをしたんだ!?」
彼女は僕の慌てる姿を見るや否や腹を抱えて笑いだす。
ひとしきり笑った後目に溜まった涙を拭き一言。
「あなたに復讐がしたかったから」
「……狂ってる」
「そうね、でも私はこうしたいと思ったことは必ずやり遂げる質なのよ。でももう駄目ね。遊び道具が使い物にならなくなったし。後は楽な余生を過ごすわ」
そういうと彼女は僕の前から姿を消した。
最近不幸が続いている。
職場では身に覚えがない出来事で上司から怒られ職を失った。
「お前何したんだ!?」
「え?何がですか?」
「とぼけるんじゃねえ!いくつものお得様がうちのポーションの取り扱いを辞めるって言いだしたんだ。理由を聞いたら何処もお前の名前を上げてるんだよ!」
「ちょっと待ってください!僕は何も知りませんし、何もやってません!」
「うるせえ!お前を解雇しないと取り扱いは無効だって言われてんだ、悪いがお前は今日で解雇させてもらう」
「…そんな」
ドルナには愛想をつかされた。
「ドルナ、僕の弁当は?」
「なんで私が作らないといけないの?あなたが自分で作りなさいよ」
「いや、そういうのは妻の仕事だろ?前の妻はちゃんと…」
「最低!そうやって私と前妻のことを比べるの!?」
結婚してからヒステリックな所があるのを知った。
「すまない、そういう意味じゃないんだ」
「そう、ならいいわ。じゃあ出かけてくるから」
「またか?昨日もどこかに出かけてただろう。せっかくの休日なんだしたまにはデートをしよう」
「休日って、あなたは毎日が休日じゃない。デートなんかしてる暇あるの?」
「そ、それは…」
「無いわよね、妻の稼ぎで生きているんだから。本当に情けない」
そういって妻は家を出て行く。
その日こっそりと妻の後を付けると容姿の整った男性が女性を接待する店に入っていく現場を目撃した。
自分はもう男としても見られていないのか。
◇1年後◇
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最初は抵抗したが妻は僕にこう言った。
「これも全部あなたのためよ」
前の妻と別れるときに言ったセリフだ。
まさか自分が言われるとは思っていなかったな。
そのまま妻とは離婚、いろんな所からお金を借りたが借金に首が回らなくなり担保にしていたこの家も今日差し押さえになる。
トントン
ドアがノックされた。
もう来たのか、本当にこれからどうやって生きて行けばいいんだ。
家が無ければ仕事も見つからないのに…。
もう少し借金の返済を待ってもらおう。
ドアを開け即座に土下座をする。
「すみません!どうかもう少しだけ返済期限を延ばしてくれませんか!!」
「....本当に無様ね」
聞こえてきたのは借金取りの怖い男の声ではなく、聞き覚えのある女性の声だった。
顔を上げるとそこにいたのは前の妻だった。
「君がどうしてここに…?」
「……」
「まさか僕とよりを戻して欲しくて来たのか?」
なんだ、こんな健気な所があったのか。
一度は結婚していたのに知らなかった。
けどよりを戻せば当分は生活に困らなくなるだろう!
このチャンスはなんとしても逃してはいけない。
「聞いてくれ、昔の僕はどうかしていた。ドルナという魔性の女に心を奪われ最愛の人である君にひどいことをしてしまった。でもやっと正気を取り戻した。頼む僕とよりを戻してくれ」
そういって優しくハグをする。
前妻はゆっくりと僕の体を押し返すと…僕の頬に平手打ちをする。
「え…?」
「さっきから聞いていれば随分と勝手なことばかり言うじゃない」
「…どうしてだ?僕に会いに来たのではないのか?」
「は?そんなわけないでしょ。この家を取り戻しに来たのよ私は。じゃあお願いします」
前の妻の言葉で屈強な男たちが家の中へと押し入り家具や家財を差し押さえていく。
「私ね、再婚したの。彼はこの辺では一番の権力者で一声かければ誰でも協力してくれる。例えばとあるポーションを取り扱うなと言えば、皆取り扱わなくなるし、どこぞの女を色仕掛けで落としてこいと言えば男たちは本気で落としに行くわ。今の旦那は凄い人なのよ」
腑に落ちなかった物が全て頭の中で繋がる感覚がした。
「もしかして、いや、もしかしなくても全部君がやったことなのか?」
「ええそうよ」
「なんで…なんでそんなことをしたんだ!?」
彼女は僕の慌てる姿を見るや否や腹を抱えて笑いだす。
ひとしきり笑った後目に溜まった涙を拭き一言。
「あなたに復讐がしたかったから」
「……狂ってる」
「そうね、でも私はこうしたいと思ったことは必ずやり遂げる質なのよ。でももう駄目ね。遊び道具が使い物にならなくなったし。後は楽な余生を過ごすわ」
そういうと彼女は僕の前から姿を消した。
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