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第十話
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「アラン、患者さんだ」
「分かりました、お入りください」
「入るわよ」
入ってきたのはとても気の強そうな女性だった。
身長は165㎝くらいで髪は紫のショートカット、顔だちは整っていて美人だがどこか人を寄せ付けない雰囲気がある。
「お名前を聞いてもいいですか?」
「ふん!人に名前を聞く前に自分の名前を言うのが筋じゃないの」
「え、えーとアランと言います。ここの診療所で回復魔導士として働いでます」
「そう、私はタナス。B級冒険者よ」
「今日はどうされたのですか?」
「ここに来たんだから治療に決まっているでしょ!」
一つ聞けば一つ説教が返って来る人だ。
正直やりずらいしムカつく。
「で、ではどこを怪我したのですか?」
「そんなのあんたが勝手に見つけなさいよ」
さすがの僕も堪忍袋の緒が切れる。
「いい加減にしてください!患者だからって何でもしていいわけじゃないんです!!」
「ご、ごめんなさい」
驚いたことにタナスは怒られるとすぐに縮こまり少し震えながら謝って来た。
「ええっと、こちらこそすみません。急に怒鳴ったりして」
「いえ、大丈夫です。悪いのがこっちってわかってますから。私もともと気が弱くて冒険者になってもそれは変わらなくて、なんとか自分を取り繕うとあんな感じになったんですけどあんまり評判がよくなくて…」
「そうなんですか…苦労をされているんですね」
「はい」
「でも僕はそっちのタナスさんのほうが親しみやすくて好きですよ」
「す、好き!?」
「はい、そっちの方が断然」
「そんな、私たちまだ会ったばかりなのに…」
なんだか話がかみ合っていない気がするが今はそんなことよりも大切なことがある。。
「タナスさんは今日どこを治療してほしいのですか」
「あの、ここなんですけど」
タナスさんは着ていた服の胸元を開け僕に見せる。
タナスさんの胸元には異様な模様が浮かび上がっていた。
「これは呪い虫にやられたんですか」
「そうです」
呪い虫とは名前道理攻撃を食らうと体のどこかに呪いを付与する虫だ。
呪いを受けると魔力の扱いに制限がかかり魔法が使いずらくなるのだ。
「これなら治療できますよ」
「本当ですか!お願いします」
「分かりました、では『ヒール』」
「あっああああああああああ!!」
タナスさんの胸元にある模様がだんだんと消えていく
「あっ…これ…ダメ…我慢できないっ」
「っ!ああああああああああああああ!!」
タナスさんの胸元の模様は完全になくなった。
タナスさんは息を整えると真剣な表情でこちらを向く。
「アランさん、不束者ですが宜しくお願いします」
「え?」
「え?」
「私の事好きって言ったじゃないですか」
「あれはそっちの方が印象が良くなって好ましいというだけで恋愛感情では…」
「ひどい」
そういうとタナスさんは泣き始めてしまった。
しばらくすると泣き止みこちらを睨めつけながら
「こうなったらもう既成事実をつくるしかないです」
と言うといきなり襲ってきた。
抵抗しなかったわけではないがどうもここの女性冒険者は腕が立つ
そのまま流れで二人の夜を過ごした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「最近タナス性格変わったよね」
「そうだね、なんだか親しみやすくなった気がする」
僕は診療所に向かう途中そんな話を耳にする。
なんやかんやあったけどタナスさんがみんなに好かれ始めているのはいいことだ。
「分かりました、お入りください」
「入るわよ」
入ってきたのはとても気の強そうな女性だった。
身長は165㎝くらいで髪は紫のショートカット、顔だちは整っていて美人だがどこか人を寄せ付けない雰囲気がある。
「お名前を聞いてもいいですか?」
「ふん!人に名前を聞く前に自分の名前を言うのが筋じゃないの」
「え、えーとアランと言います。ここの診療所で回復魔導士として働いでます」
「そう、私はタナス。B級冒険者よ」
「今日はどうされたのですか?」
「ここに来たんだから治療に決まっているでしょ!」
一つ聞けば一つ説教が返って来る人だ。
正直やりずらいしムカつく。
「で、ではどこを怪我したのですか?」
「そんなのあんたが勝手に見つけなさいよ」
さすがの僕も堪忍袋の緒が切れる。
「いい加減にしてください!患者だからって何でもしていいわけじゃないんです!!」
「ご、ごめんなさい」
驚いたことにタナスは怒られるとすぐに縮こまり少し震えながら謝って来た。
「ええっと、こちらこそすみません。急に怒鳴ったりして」
「いえ、大丈夫です。悪いのがこっちってわかってますから。私もともと気が弱くて冒険者になってもそれは変わらなくて、なんとか自分を取り繕うとあんな感じになったんですけどあんまり評判がよくなくて…」
「そうなんですか…苦労をされているんですね」
「はい」
「でも僕はそっちのタナスさんのほうが親しみやすくて好きですよ」
「す、好き!?」
「はい、そっちの方が断然」
「そんな、私たちまだ会ったばかりなのに…」
なんだか話がかみ合っていない気がするが今はそんなことよりも大切なことがある。。
「タナスさんは今日どこを治療してほしいのですか」
「あの、ここなんですけど」
タナスさんは着ていた服の胸元を開け僕に見せる。
タナスさんの胸元には異様な模様が浮かび上がっていた。
「これは呪い虫にやられたんですか」
「そうです」
呪い虫とは名前道理攻撃を食らうと体のどこかに呪いを付与する虫だ。
呪いを受けると魔力の扱いに制限がかかり魔法が使いずらくなるのだ。
「これなら治療できますよ」
「本当ですか!お願いします」
「分かりました、では『ヒール』」
「あっああああああああああ!!」
タナスさんの胸元にある模様がだんだんと消えていく
「あっ…これ…ダメ…我慢できないっ」
「っ!ああああああああああああああ!!」
タナスさんの胸元の模様は完全になくなった。
タナスさんは息を整えると真剣な表情でこちらを向く。
「アランさん、不束者ですが宜しくお願いします」
「え?」
「え?」
「私の事好きって言ったじゃないですか」
「あれはそっちの方が印象が良くなって好ましいというだけで恋愛感情では…」
「ひどい」
そういうとタナスさんは泣き始めてしまった。
しばらくすると泣き止みこちらを睨めつけながら
「こうなったらもう既成事実をつくるしかないです」
と言うといきなり襲ってきた。
抵抗しなかったわけではないがどうもここの女性冒険者は腕が立つ
そのまま流れで二人の夜を過ごした。
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「最近タナス性格変わったよね」
「そうだね、なんだか親しみやすくなった気がする」
僕は診療所に向かう途中そんな話を耳にする。
なんやかんやあったけどタナスさんがみんなに好かれ始めているのはいいことだ。
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