6 / 9
06.勇者、何かおかしいと思いはじめる
しおりを挟む
勇の嫌いな授業は、体育だった。
勇はいわゆる運動音痴である。
足は遅いし、筋力も体力もない。
加えて、球技に関しては天才的にセンスがなかった。だから、今日の授業は悪夢に終わるだろうと、勇は考えていた。
体育館の中。筋肉質な体育教師が、地鳴りのように響く声で言う。
「じゃあ今日は、こないだ宣言した通りバスケットボールをやってもらう。5人一組でチームを作ってくれ。いいか、ちゃんとバランス考えてチーム作れよ」
――――だったらそっちでチームを決めてよ。
勇はそう思いながら、不満そうに頬を膨らませた。
バランスを考えろと言われても、生徒たちに任せてチームを構成させれば、仲がいい同士で組むに決まっている。
結果、陽キャは陽キャ、陰キャは陰キャでまとまるのだ。パワーバランスは自ずと偏るだろう。
そして、残念ながら勇は陽キャとは言えなかった。
勇の自己評価では、自分はヒエラルキーの中の下くらいにいると思っているが、周囲の評価は実際のところ、それ以下だ。
結果、勇のチームは、なんとも酷いメンツになる。
メガネのオタクが1人に、太いのが1人。
ヒョロガリが1人と、もう1人は舞島だった。
しっかり動けるのは舞島くらい。
あとは、2人で一人前になるかどうかのメンツだ。
他のチームを見てみれば、どのチームも勇のチームよりはマシに見える。
「……あそこのチーム、ひでえな」
そう言ったのは、舞島だった。彼はあるチームを指さして言う。勇は、彼が指差す方を見て、「なるほど」と頷いた。確かにそのチーム構成は、ひどいものだ。
バスケ部の1年のエース、神山をリーダーにし、後のメンバーは運動部で名を馳せている運動神経のいい連中ばかり。
ヒエラルキーも、もちろん全員上位の人間だった。
明らかに偏ったチームだが、体育教師は指摘しなかった。神山が怖いのだろう。
彼の父親は、政界に通じる権力者だと聞く。何か口を出せば、あとの展開は勇でも予想できた。
チームが全員まとまったところで、体育教師が笛を鳴らす。
「よーし。それじゃあ、試合を始めるぞ。コートは2つしかないから、それ以外のチームは試合を見ていてくれ」
教師が試合をするチームを決める。
「じゃあ、右のコートで、佐藤と山中のチーム。左のコートで、冬樹と神山のチームが対戦してくれ」
――――最悪だ。
よりにもよって、神山との対戦。
ボロ負けが目に見えていた。
負けるとしても、せめて1回くらいはシュートを決めたいものだが、それも難しく思える。
神山と舞島がコートのセンターに立ち、ジャンプボールで試合が始まる。
高く上がったボールを神山が右手でトスし、ボールは勇の陣地に落ちた。神山が走り、そのボールを取る。
神山は周りを翻弄しながら、あっという間にゴールまで近づくと、華麗なフォームでシュートした。ボールは綺麗な弧を描き、バックボードにぶつかることなく気持ちのいい音を鳴らしながらリングを通る。
まるで、それが当たり前であるかのような涼しい顔で、神山はそれを見届けた。
シュートが決まると女子からの歓声が上がる。
ゲームは、予想通り一方的なものになった。
次々と相手チームに点が入り、勇のチームは0点のまま。
勇はといえば、試合中ほとんど動かなかった。コートの端の方で神山を眺めながら、ぼーっとしているだけだ。
勇は、ボールを怖れていた。ボールに当たったら死ぬ。そう思い込んでいた。
相手チームの点数が30点を超えた頃、舞島が端っこで固まっている勇を睨みながら大股で近づいてきた。
「冬樹さんよお!? 少しは動いてくれませんかねえ!?」
舞島は青筋を立てて怒っている。
勇は短く答えた。
「無理。ボール怖い。当たったら死ぬ」
「死なねえよ! 動いてくれよ、マジで! うちのチーム、お前が動かなきゃマジで0点で終わるぞ!?」
舞島が小さく舌打ちをしてから、勇の耳元で囁く。
「お前だって、あんなチームに負けるの悔しいだろ? 負けるにしたって、一矢報いたいとは思わねえの?」
舞島はそうとだけ言って、冬樹から離れた。
再び、試合が始まる。
――――仕方ないなあ。
勇はそう思いながら、とぼとぼとボールを追う。
ボールは舞島が持っていたが、神山がそれを奪った。
勇はそちらに向かって走る。
神山は華麗なパスでオタクやヒョロガリを翻弄すると、ドリブルしながら勇の前に立った。
「なんだ、冬樹。ようやく動いたのか、お前」
神山は涼しい顔で言う。勇の心の中は、逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
どうせ、彼に敵うことはない。勇など、彼には障害物にもならないだろう。それは、わかりきってることだ。
神山が立っているところからは、十分シュートが打てる距離だった。神山はシュートするためにボールを持ち直すと、ジャンプをするためにゆっくりと足を屈伸させる。
――――そう。それは、本当にゆっくりだった。
神山はひどくゆっくりと屈伸し、ゆっくりと腕を伸ばし、ゆっくりとシュートしようとする。勇はそれを見て、首を傾げる。
――――え。なにこれ?
もしかして僕、相当バカにされてる?
……いくら何でも、これは僕をナメ過ぎだろ。
いくら球技が苦手な勇でも、このシュートはブロックできた。
勇は膨れながらも、神山の持つボールを右手で叩き落とす。
ボールは床にバウンドし、相手チームの方へ跳ねていく。しかし、誰もそれを取ろうとしない。勇は仕方なく、ボールを追い、手に持った。
一瞬、体育館が静まり返る。
隣のコートで試合をしている生徒以外は、みんな勇のことを見ていた。
徐々に、体育館はざわつき始める。
「おい……なんだよ、今の冬樹の動き」
「今、ありえないスピードで走らなかった?」
「冬樹って、運動神経悪くなかったっけ?」
そんな声が辺りから聞こえ始める。
滅多に怒らない勇でも、さすがにこの反応には腹を立てた。
――――そんなざわつくほどの事じゃないでしょ。みんなして、僕を馬鹿にして。……頭にくるなあ。
冬樹はそのまま、おぼつかない手つきでドリブルしながら、ゴールへと走る。
すると、勇の前にサッカー部の磯山が立ちふさがった。
「やるじゃん、冬樹。アイツからボール取るとか、まぐれにしてもスゲーよ」
磯山はニヤニヤと笑いながら両手を広げ、道を塞いだ。
勇には、バスケに関しての技術などない。
運動神経のいい磯山をかわすことなど、不可能だ。
その上、周りには味方もおらず、パスもできそうにない。
――――ああ。ここで終わりか。
でも、僕にしては頑張った方だな。
勇は諦め半分で、ドリブルしながら磯山の横を通ろうとする。
当然、ボールは取られる。
勇はそう思った。
しかしその予想に反して、勇は磯山の横を難なく通り過ぎてしまったのである。
――――あれ?
勇は不思議に思い、磯山に振り返る。
磯山は勇を見ながら、口をあんぐりと開けていた。
「……なんだよ、今の」
磯山は、驚きに満ちた目で勇を見てる。
――――なんなの? 一体。
勇は不審に思いながらも、とりあえずゴールへと向かった。
ゴールへと十分に近づいた辺りで、勇はシュートの体制に入る。
勇は、シュートが苦手だった。勇も何度かバスケのシュートを練習したことがあるが、シュートが決まったことは人生において10回にも満たない。
しかし、この時の勇は、不思議とこのシュートが入るような気がした。
――――なんでだろう。
このシュート、外れるような気がしない。
不格好なフォームで、勇はシュートを放つ。
ボールはまるで、吸い込まれるようにリングに入った。
体育館には、ボールの跳ねる音だけが響く。
数秒の沈黙。
その後で、わっと歓声が沸き起こった。
「マジかよ!? 冬樹、神山のチームから1点取りやがった!」
「嘘でしょ!? あの、運動音痴の冬樹が!?」
「なんなんだよ、あいつの動き! ありえねえ!」
舞島が、目をぱちくりさせながら勇に駆け寄ってくる。
「冬樹! お前、やればできるじゃん! すげえよ、さっきの動き! どうしちゃったんだよ、お前!?」
舞島はそう言いながら、勇の背中をバンバンと叩いた。
勇は首をひねる。
別段、特別なことをした覚えはない。
むしろ、周りの動きがおかしいのだと、勇は思った。
その後も試合は続き、結果として勇のチームは神山のチームに勝ってしまった。
ほとんどのゴールは勇が決め、いくつかは舞島が貢献してくれた。
ゲームが終わり、何人かの女子の視線は、勇に熱く注がれる。
男子からも、「お前すげえんだな」「見直したよ」などの声がかけられた。
――――何かがおかしい。
勇はそう思いながらも、しかし、悪い気はしなかった。
勇はいわゆる運動音痴である。
足は遅いし、筋力も体力もない。
加えて、球技に関しては天才的にセンスがなかった。だから、今日の授業は悪夢に終わるだろうと、勇は考えていた。
体育館の中。筋肉質な体育教師が、地鳴りのように響く声で言う。
「じゃあ今日は、こないだ宣言した通りバスケットボールをやってもらう。5人一組でチームを作ってくれ。いいか、ちゃんとバランス考えてチーム作れよ」
――――だったらそっちでチームを決めてよ。
勇はそう思いながら、不満そうに頬を膨らませた。
バランスを考えろと言われても、生徒たちに任せてチームを構成させれば、仲がいい同士で組むに決まっている。
結果、陽キャは陽キャ、陰キャは陰キャでまとまるのだ。パワーバランスは自ずと偏るだろう。
そして、残念ながら勇は陽キャとは言えなかった。
勇の自己評価では、自分はヒエラルキーの中の下くらいにいると思っているが、周囲の評価は実際のところ、それ以下だ。
結果、勇のチームは、なんとも酷いメンツになる。
メガネのオタクが1人に、太いのが1人。
ヒョロガリが1人と、もう1人は舞島だった。
しっかり動けるのは舞島くらい。
あとは、2人で一人前になるかどうかのメンツだ。
他のチームを見てみれば、どのチームも勇のチームよりはマシに見える。
「……あそこのチーム、ひでえな」
そう言ったのは、舞島だった。彼はあるチームを指さして言う。勇は、彼が指差す方を見て、「なるほど」と頷いた。確かにそのチーム構成は、ひどいものだ。
バスケ部の1年のエース、神山をリーダーにし、後のメンバーは運動部で名を馳せている運動神経のいい連中ばかり。
ヒエラルキーも、もちろん全員上位の人間だった。
明らかに偏ったチームだが、体育教師は指摘しなかった。神山が怖いのだろう。
彼の父親は、政界に通じる権力者だと聞く。何か口を出せば、あとの展開は勇でも予想できた。
チームが全員まとまったところで、体育教師が笛を鳴らす。
「よーし。それじゃあ、試合を始めるぞ。コートは2つしかないから、それ以外のチームは試合を見ていてくれ」
教師が試合をするチームを決める。
「じゃあ、右のコートで、佐藤と山中のチーム。左のコートで、冬樹と神山のチームが対戦してくれ」
――――最悪だ。
よりにもよって、神山との対戦。
ボロ負けが目に見えていた。
負けるとしても、せめて1回くらいはシュートを決めたいものだが、それも難しく思える。
神山と舞島がコートのセンターに立ち、ジャンプボールで試合が始まる。
高く上がったボールを神山が右手でトスし、ボールは勇の陣地に落ちた。神山が走り、そのボールを取る。
神山は周りを翻弄しながら、あっという間にゴールまで近づくと、華麗なフォームでシュートした。ボールは綺麗な弧を描き、バックボードにぶつかることなく気持ちのいい音を鳴らしながらリングを通る。
まるで、それが当たり前であるかのような涼しい顔で、神山はそれを見届けた。
シュートが決まると女子からの歓声が上がる。
ゲームは、予想通り一方的なものになった。
次々と相手チームに点が入り、勇のチームは0点のまま。
勇はといえば、試合中ほとんど動かなかった。コートの端の方で神山を眺めながら、ぼーっとしているだけだ。
勇は、ボールを怖れていた。ボールに当たったら死ぬ。そう思い込んでいた。
相手チームの点数が30点を超えた頃、舞島が端っこで固まっている勇を睨みながら大股で近づいてきた。
「冬樹さんよお!? 少しは動いてくれませんかねえ!?」
舞島は青筋を立てて怒っている。
勇は短く答えた。
「無理。ボール怖い。当たったら死ぬ」
「死なねえよ! 動いてくれよ、マジで! うちのチーム、お前が動かなきゃマジで0点で終わるぞ!?」
舞島が小さく舌打ちをしてから、勇の耳元で囁く。
「お前だって、あんなチームに負けるの悔しいだろ? 負けるにしたって、一矢報いたいとは思わねえの?」
舞島はそうとだけ言って、冬樹から離れた。
再び、試合が始まる。
――――仕方ないなあ。
勇はそう思いながら、とぼとぼとボールを追う。
ボールは舞島が持っていたが、神山がそれを奪った。
勇はそちらに向かって走る。
神山は華麗なパスでオタクやヒョロガリを翻弄すると、ドリブルしながら勇の前に立った。
「なんだ、冬樹。ようやく動いたのか、お前」
神山は涼しい顔で言う。勇の心の中は、逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。
どうせ、彼に敵うことはない。勇など、彼には障害物にもならないだろう。それは、わかりきってることだ。
神山が立っているところからは、十分シュートが打てる距離だった。神山はシュートするためにボールを持ち直すと、ジャンプをするためにゆっくりと足を屈伸させる。
――――そう。それは、本当にゆっくりだった。
神山はひどくゆっくりと屈伸し、ゆっくりと腕を伸ばし、ゆっくりとシュートしようとする。勇はそれを見て、首を傾げる。
――――え。なにこれ?
もしかして僕、相当バカにされてる?
……いくら何でも、これは僕をナメ過ぎだろ。
いくら球技が苦手な勇でも、このシュートはブロックできた。
勇は膨れながらも、神山の持つボールを右手で叩き落とす。
ボールは床にバウンドし、相手チームの方へ跳ねていく。しかし、誰もそれを取ろうとしない。勇は仕方なく、ボールを追い、手に持った。
一瞬、体育館が静まり返る。
隣のコートで試合をしている生徒以外は、みんな勇のことを見ていた。
徐々に、体育館はざわつき始める。
「おい……なんだよ、今の冬樹の動き」
「今、ありえないスピードで走らなかった?」
「冬樹って、運動神経悪くなかったっけ?」
そんな声が辺りから聞こえ始める。
滅多に怒らない勇でも、さすがにこの反応には腹を立てた。
――――そんなざわつくほどの事じゃないでしょ。みんなして、僕を馬鹿にして。……頭にくるなあ。
冬樹はそのまま、おぼつかない手つきでドリブルしながら、ゴールへと走る。
すると、勇の前にサッカー部の磯山が立ちふさがった。
「やるじゃん、冬樹。アイツからボール取るとか、まぐれにしてもスゲーよ」
磯山はニヤニヤと笑いながら両手を広げ、道を塞いだ。
勇には、バスケに関しての技術などない。
運動神経のいい磯山をかわすことなど、不可能だ。
その上、周りには味方もおらず、パスもできそうにない。
――――ああ。ここで終わりか。
でも、僕にしては頑張った方だな。
勇は諦め半分で、ドリブルしながら磯山の横を通ろうとする。
当然、ボールは取られる。
勇はそう思った。
しかしその予想に反して、勇は磯山の横を難なく通り過ぎてしまったのである。
――――あれ?
勇は不思議に思い、磯山に振り返る。
磯山は勇を見ながら、口をあんぐりと開けていた。
「……なんだよ、今の」
磯山は、驚きに満ちた目で勇を見てる。
――――なんなの? 一体。
勇は不審に思いながらも、とりあえずゴールへと向かった。
ゴールへと十分に近づいた辺りで、勇はシュートの体制に入る。
勇は、シュートが苦手だった。勇も何度かバスケのシュートを練習したことがあるが、シュートが決まったことは人生において10回にも満たない。
しかし、この時の勇は、不思議とこのシュートが入るような気がした。
――――なんでだろう。
このシュート、外れるような気がしない。
不格好なフォームで、勇はシュートを放つ。
ボールはまるで、吸い込まれるようにリングに入った。
体育館には、ボールの跳ねる音だけが響く。
数秒の沈黙。
その後で、わっと歓声が沸き起こった。
「マジかよ!? 冬樹、神山のチームから1点取りやがった!」
「嘘でしょ!? あの、運動音痴の冬樹が!?」
「なんなんだよ、あいつの動き! ありえねえ!」
舞島が、目をぱちくりさせながら勇に駆け寄ってくる。
「冬樹! お前、やればできるじゃん! すげえよ、さっきの動き! どうしちゃったんだよ、お前!?」
舞島はそう言いながら、勇の背中をバンバンと叩いた。
勇は首をひねる。
別段、特別なことをした覚えはない。
むしろ、周りの動きがおかしいのだと、勇は思った。
その後も試合は続き、結果として勇のチームは神山のチームに勝ってしまった。
ほとんどのゴールは勇が決め、いくつかは舞島が貢献してくれた。
ゲームが終わり、何人かの女子の視線は、勇に熱く注がれる。
男子からも、「お前すげえんだな」「見直したよ」などの声がかけられた。
――――何かがおかしい。
勇はそう思いながらも、しかし、悪い気はしなかった。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級の美少女たちの攻防戦〜
沢田美
恋愛
「ごめんね、八杉くん」
中学三年の夏祭り。一途な初恋は、花火と共に儚く散った。
それ以来、八杉裕一(やすぎ・ゆういち)は誓った。「高校では恋愛なんて面倒なものとは無縁の、平穏なオタク生活を送る」と。
だが、入学した紫水高校には《楽園の世代》と呼ばれる四人のSSS級美少女――通称《四皇》が君臨していた。
• 距離感バグり気味の金髪幼馴染・神行胱。
• 圧倒的カリスマで「恋の沼」に突き落とす銀髪美少女・銀咲明日香。
• 無自覚に男たちの初恋を奪う、おっとりした「女神」・足立模。
• オタクにも優しい一万年に一人の最高ギャル・川瀬優里。
恋愛から距離を置きたい裕一の願いも虚しく、彼女たちはなぜか彼にだけ、見え見えな好意を寄せ始める。
教室での「あーん」に、放課後のアニメイトでの遭遇、さらには女神からの「一緒にホラー漫画を買いに行かない?」というお誘いまで。
「俺の身にもなれ! 荷が重すぎるんだよ!」
鋼の意志でスルーしようとする裕一だが、彼女たちの純粋で猛烈なアプローチは止まらない。
恋愛拒否気味な少年と、彼を絶対に攻略したい最強美少女たちの、ちょっと面倒で、でも最高に心地よい「激推し」ラブコメ、開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺をフッた幼馴染が、トップアイドルになって「もう一度やり直したい」と言ってきた
夏見ナイ
恋愛
平凡な大学生・藤堂蓮には忘れられない過去がある。高校時代、告白した幼馴染の星宮瑠奈に「アイドルになるから」とこっ酷くフラれたことだ。
数年後、瑠奈は国民的アイドル『LUNA』として輝いていた。遠い世界の住人になった彼女との再会なんて、あるはずもなかった――そう、変装した彼女が俺の前に現れ、「もう一度やり直したい」と泣きつくまでは。
トップアイドルの立場を使い強引に迫る元幼馴染と、過去の傷。揺れ動く俺の日常を照らしてくれたのは、俺の才能を信じてくれる後輩・朝霧陽葵の存在だった。
俺をフッた幼馴染か、俺を支える後輩か。過去の清算と未来の選択を描く、ほろ苦くも甘い、逆転ラブコメディ、開幕。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる