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SS 子息たちの憂鬱 ー中編ー
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カフェテラスを後にしたオレ達は、程なくしてシルビアが何時もいる、学園裏の庭園へと来ていた。
この庭園は学園に比例してやたら広く、初めて入る人間は、奥に行くと必ず迷子になる事で有名だった。
はっきり言って、庭園と言う名の森だ。
そんな庭園内の一角。
オレ達は、大きな木が目印に立つ、小さな泉のほとりを目指した。
あの場所は、周りを低木で覆われ、プライベートな時間を過ごすにはうってつけの場所だ。
普段、ネコを被りまくっているシルビアが、唯一ゆっくりと休める場所でもあった。
そして、到着して直ぐ。
「あ、ちょっと待って!」
何故か、その場所に着くなり、先に着いたマルカスが静止を口にした。
「あっちゃー、マジでぇ?」
しかも、ものすごい渋い表情で、両手で顔を覆った。
「どうかしたのか?」
と、オレはマルカスの向こう。泉を囲う低木の隙間へと視線を向けた瞬間、一気に硬直する事となった。
そこにはシルビアだけでなく、この国の第一王女である「エリオット様」がいらっしゃったのだ。
まさか、ここに王族の方がいるとは思わなかったのだ。
エリオット様は、優秀で物事をよく理解される賢い方だ。
オレは、もし叶うならエリオット様が王位を継いでくださればと密かに思っている。
「だか、これは都合がいいのではないか?エリオット様にも報告をした方がいいだろうからな……?ん?どうしたんだ?マルカス」
なにやら親しげに話すシルビアとエリオット様を見たオレは、これはチャンスだと、マルカスに口を開いた。
だか、マルカスからは深い溜息しか返ってこなかった。
「どうしたんだ?」
「はー。君さぁ、ニブイにもほどがあるよ?」
「それはどう言う…ん?」
その時、オレ達は見てはならないものを目撃してしまったのだった。
シルビアが、自身の手をエリオット様の顎に当て、甘い声色で何やら語りかけ始めた。
「ねぇ、エリー、本当にダメ?」
は?エリオット様を愛称で呼んでるぞ!
それは不敬に当たらないのか?
しかも、王族の方に触れるなど、何を考えているんだあいつは!
「シルビィ…あの、でも」
次の瞬間。
エリオット様の顔にシルビアの顔が重なっていた。
とろける様な表情でエリオット様に口付けるシルビア。
それを受けるエリオット様は、見た事もない色気を醸し出していた。
「逃げたらダメだよ?」
「……っふ」
目の前で起こった事実に、オレは石化してしまった。
「ふふっ…可愛いね、エリーは」
「つっ……もぉ、誰か来たらどうするの?」
恥じらいながら抗議をするエリオット様。
それを、シルビアは自分の胸に抱き込むと…。
「大丈夫だよ?誰も来ないから………ねえ?」
そう言ったシルビアの視線と、オレ達の視線がバッチリ合った。
「「……………。」」
はっきり言おう。
オレ達は、この瞬間「死んだ」と思った。
シルビアから向けられた視線。それは尋常ではないくらいドス黒いものだった?
正直、視線だけで「殺される」と思ったのは初めてだ。
きっと、エリオット様は気付いてはいないのだろう。
今も、シルビアにその身を委ね、甘えた様な仕草をなさっている。
と言う訳で。
オレ達は、まだ死にたくはないので、足早にこの場から退散する羽目になっしまった。
「おい、マルカス…知ってたか?」
「まさか!知ってる訳ないでしょ!」
「で、どうするんだ…アイリッド様の件」
「もぉ、ほっとく」
「は?」
「リア充は爆ぜろ!てか、ボク、エリオット様に憧れてたのに!」
と言う訳で、アイリッド殿下とメリッサ嬢の企みは、卒業式当日までシルビアに伝えられる事はなかった。
まぁ、後からシルビアにバレて、マジで殺されかけたのはまた別の話しだ。
この庭園は学園に比例してやたら広く、初めて入る人間は、奥に行くと必ず迷子になる事で有名だった。
はっきり言って、庭園と言う名の森だ。
そんな庭園内の一角。
オレ達は、大きな木が目印に立つ、小さな泉のほとりを目指した。
あの場所は、周りを低木で覆われ、プライベートな時間を過ごすにはうってつけの場所だ。
普段、ネコを被りまくっているシルビアが、唯一ゆっくりと休める場所でもあった。
そして、到着して直ぐ。
「あ、ちょっと待って!」
何故か、その場所に着くなり、先に着いたマルカスが静止を口にした。
「あっちゃー、マジでぇ?」
しかも、ものすごい渋い表情で、両手で顔を覆った。
「どうかしたのか?」
と、オレはマルカスの向こう。泉を囲う低木の隙間へと視線を向けた瞬間、一気に硬直する事となった。
そこにはシルビアだけでなく、この国の第一王女である「エリオット様」がいらっしゃったのだ。
まさか、ここに王族の方がいるとは思わなかったのだ。
エリオット様は、優秀で物事をよく理解される賢い方だ。
オレは、もし叶うならエリオット様が王位を継いでくださればと密かに思っている。
「だか、これは都合がいいのではないか?エリオット様にも報告をした方がいいだろうからな……?ん?どうしたんだ?マルカス」
なにやら親しげに話すシルビアとエリオット様を見たオレは、これはチャンスだと、マルカスに口を開いた。
だか、マルカスからは深い溜息しか返ってこなかった。
「どうしたんだ?」
「はー。君さぁ、ニブイにもほどがあるよ?」
「それはどう言う…ん?」
その時、オレ達は見てはならないものを目撃してしまったのだった。
シルビアが、自身の手をエリオット様の顎に当て、甘い声色で何やら語りかけ始めた。
「ねぇ、エリー、本当にダメ?」
は?エリオット様を愛称で呼んでるぞ!
それは不敬に当たらないのか?
しかも、王族の方に触れるなど、何を考えているんだあいつは!
「シルビィ…あの、でも」
次の瞬間。
エリオット様の顔にシルビアの顔が重なっていた。
とろける様な表情でエリオット様に口付けるシルビア。
それを受けるエリオット様は、見た事もない色気を醸し出していた。
「逃げたらダメだよ?」
「……っふ」
目の前で起こった事実に、オレは石化してしまった。
「ふふっ…可愛いね、エリーは」
「つっ……もぉ、誰か来たらどうするの?」
恥じらいながら抗議をするエリオット様。
それを、シルビアは自分の胸に抱き込むと…。
「大丈夫だよ?誰も来ないから………ねえ?」
そう言ったシルビアの視線と、オレ達の視線がバッチリ合った。
「「……………。」」
はっきり言おう。
オレ達は、この瞬間「死んだ」と思った。
シルビアから向けられた視線。それは尋常ではないくらいドス黒いものだった?
正直、視線だけで「殺される」と思ったのは初めてだ。
きっと、エリオット様は気付いてはいないのだろう。
今も、シルビアにその身を委ね、甘えた様な仕草をなさっている。
と言う訳で。
オレ達は、まだ死にたくはないので、足早にこの場から退散する羽目になっしまった。
「おい、マルカス…知ってたか?」
「まさか!知ってる訳ないでしょ!」
「で、どうするんだ…アイリッド様の件」
「もぉ、ほっとく」
「は?」
「リア充は爆ぜろ!てか、ボク、エリオット様に憧れてたのに!」
と言う訳で、アイリッド殿下とメリッサ嬢の企みは、卒業式当日までシルビアに伝えられる事はなかった。
まぁ、後からシルビアにバレて、マジで殺されかけたのはまた別の話しだ。
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