14 / 39
レイン、悪魔と契約をする。
レインは、悪魔と怪しい契約をする②
しおりを挟む
「えと…クラウドは『ちゃんと食べてるか』とか、『友達出来たか』とか、『無茶するな』みたく、いろいろ聞いてくれます」
「それでは、独居老人の生存確認の声掛け以下だな。地域ボランティアに謝罪するべき案件だよ。まったく『お世話係』を何だと思っているんだっ!!」
彼の言う『お世話』とは、なんなんだろう。
「でも、小さい頃は近くで本読んでくれて……」
「図書館の朗読ボランティアか病院の介護人か。ふむ、僕の好みとはかなり違うが、それならば 『お世話』と言えるな。しかし彼はもう、今は雇用関係を放棄したいんだろう」
(…雇用……。クラウドにとっては友達でなくてお仕事の感覚で『お世話』してたのか。
クダンも言っていたな。頼まれたから『世話』してたんだって…。)
「そうですね…。もう彼は嫌…、みたいです。わたしも…彼からは離れた方がいいと思って、います……」
(もう縛られたくないんだよね…。婚約とかそんな話、聞いたこともなかったけど、そう思わせるような圧力を、辺境で感じてたのかもしれないなぁ。)
彼のことはスッキリ割り切っても、ずっと『お世話』になっていたと思うと、胸が痛む。
「ならちょうどいい!!僕を友人件お世話係にしないか?」
「え…?それ兼任できるものなんですか?」
レインは驚愕した。こんな『お世話』にこだわりのある人が、自分のお世話をしたいだなんて…、どういうこと?!
「もちろんだよ。僕はね、君みたいな子すごくタイプなんだ!!」
「ええっ?」
告げられた言葉に思わず、耳を疑う。
「折れそうなほどガリガリのひょろひょろの腕…。不健康そうな艶のない青白い肌色…。そしてケアを知らないカサカサの栄養不足の髪…。何より夏にも長袖しか着られなさそうで、薬の過剰摂取をしていそうな、メンタルがヘラヘラしてそうな所!!本当たまらないよ!!君は最高だ!!まさに原石。君こそが僕の理想。夢の化身!!ぜひ僕に、君のお世話をさせて貰いたい!!」
眼をキラキラさせながらうっとりと見つめてくるけれど、あまり褒められている気がしない。どうにも彼の表現は理解しがたい。感性が、かなり独特だとレインは思った。
「いつか君みたいな子と出会って、ふっくふくのピッカピカのテッカテカに育て上げることを、僕はずっとずっと夢見てたんだっ!!」
瞳を潤ませながら彼は甘い声で、そう紡ぐ。
「ぜひ、僕に君をプロデュースさせてくれ。君の『お世話』をさせて貰えるならば、責任をもって育て上げると誓う。僕と契約してくれないか?そして友達になろう!!」
口説かれているようではあるが、勘違いである。
悪魔が語るは、勧誘。恋人になってくれではなく、堕落して肥え太らせてやるというふざけた内容の『契約』だ。理解力の乏しいレインでさえ、さすがに怪しいとは感じた。
(なんか契約とか言ってきた…。絶対変。悪魔と契約するのは、ダメなのだ。)
「あの…、友達は、一方的に『お世話』とか……、しないと思います。わたしだけが迷惑をかけて、誰かの『お荷物』になるような関係とかは……、もう嫌…、です。だから、あの…。」
『お断り』の一言が、うまく言えない。レインは、押しが弱いのだ。
「ありがとう、君は気遣いのできる本当に良い子だね。大丈夫だよ。『迷惑』や『お荷物』なんて思うわけがない。これは、ただ僕がそうしたいだけなんだ。君みたいな素敵な子を、甘やかしたい、それだけ。だから安心して、僕にお世話させて。ねぇ、そういう関係もあっていいんじゃないかな?」
「だから、なんでわたしなんかに?絶対おかしいですっ」
ほら、どうにも話がうますぎる。そんな事、あるわけがない。
いくら他所から来た人だからって、こんなの怪しすぎる。やっぱり悪魔は信用ならないのだ。
契約なんてするものか。絶対に。レインはもう、騙されるのは、うんざりなのだ。
「それでは、独居老人の生存確認の声掛け以下だな。地域ボランティアに謝罪するべき案件だよ。まったく『お世話係』を何だと思っているんだっ!!」
彼の言う『お世話』とは、なんなんだろう。
「でも、小さい頃は近くで本読んでくれて……」
「図書館の朗読ボランティアか病院の介護人か。ふむ、僕の好みとはかなり違うが、それならば 『お世話』と言えるな。しかし彼はもう、今は雇用関係を放棄したいんだろう」
(…雇用……。クラウドにとっては友達でなくてお仕事の感覚で『お世話』してたのか。
クダンも言っていたな。頼まれたから『世話』してたんだって…。)
「そうですね…。もう彼は嫌…、みたいです。わたしも…彼からは離れた方がいいと思って、います……」
(もう縛られたくないんだよね…。婚約とかそんな話、聞いたこともなかったけど、そう思わせるような圧力を、辺境で感じてたのかもしれないなぁ。)
彼のことはスッキリ割り切っても、ずっと『お世話』になっていたと思うと、胸が痛む。
「ならちょうどいい!!僕を友人件お世話係にしないか?」
「え…?それ兼任できるものなんですか?」
レインは驚愕した。こんな『お世話』にこだわりのある人が、自分のお世話をしたいだなんて…、どういうこと?!
「もちろんだよ。僕はね、君みたいな子すごくタイプなんだ!!」
「ええっ?」
告げられた言葉に思わず、耳を疑う。
「折れそうなほどガリガリのひょろひょろの腕…。不健康そうな艶のない青白い肌色…。そしてケアを知らないカサカサの栄養不足の髪…。何より夏にも長袖しか着られなさそうで、薬の過剰摂取をしていそうな、メンタルがヘラヘラしてそうな所!!本当たまらないよ!!君は最高だ!!まさに原石。君こそが僕の理想。夢の化身!!ぜひ僕に、君のお世話をさせて貰いたい!!」
眼をキラキラさせながらうっとりと見つめてくるけれど、あまり褒められている気がしない。どうにも彼の表現は理解しがたい。感性が、かなり独特だとレインは思った。
「いつか君みたいな子と出会って、ふっくふくのピッカピカのテッカテカに育て上げることを、僕はずっとずっと夢見てたんだっ!!」
瞳を潤ませながら彼は甘い声で、そう紡ぐ。
「ぜひ、僕に君をプロデュースさせてくれ。君の『お世話』をさせて貰えるならば、責任をもって育て上げると誓う。僕と契約してくれないか?そして友達になろう!!」
口説かれているようではあるが、勘違いである。
悪魔が語るは、勧誘。恋人になってくれではなく、堕落して肥え太らせてやるというふざけた内容の『契約』だ。理解力の乏しいレインでさえ、さすがに怪しいとは感じた。
(なんか契約とか言ってきた…。絶対変。悪魔と契約するのは、ダメなのだ。)
「あの…、友達は、一方的に『お世話』とか……、しないと思います。わたしだけが迷惑をかけて、誰かの『お荷物』になるような関係とかは……、もう嫌…、です。だから、あの…。」
『お断り』の一言が、うまく言えない。レインは、押しが弱いのだ。
「ありがとう、君は気遣いのできる本当に良い子だね。大丈夫だよ。『迷惑』や『お荷物』なんて思うわけがない。これは、ただ僕がそうしたいだけなんだ。君みたいな素敵な子を、甘やかしたい、それだけ。だから安心して、僕にお世話させて。ねぇ、そういう関係もあっていいんじゃないかな?」
「だから、なんでわたしなんかに?絶対おかしいですっ」
ほら、どうにも話がうますぎる。そんな事、あるわけがない。
いくら他所から来た人だからって、こんなの怪しすぎる。やっぱり悪魔は信用ならないのだ。
契約なんてするものか。絶対に。レインはもう、騙されるのは、うんざりなのだ。
0
あなたにおすすめの小説
国一番の美少女だけど、婚約者は“嫌われ者のブサイク王子”でした
玖坂
ファンタジー
気がつけば、乙女ゲームの“悪役令嬢”ポジションに転生してました。
しかも婚約者は、誰もがドン引きする“ブサイクで嫌われ者の王子様”
だけど――あれ?
この王子、見た目はともかく中身は、想像以上に優しすぎる……!?
国一番の美少女に転生した令嬢と、誰にも愛されなかった王子が、少しずつ成長していく物語。
『悪役』のイメージが違うことで起きた悲しい事故
ラララキヲ
ファンタジー
ある男爵が手を出していたメイドが密かに娘を産んでいた。それを知った男爵は平民として生きていた娘を探し出して養子とした。
娘の名前はルーニー。
とても可愛い外見をしていた。
彼女は人を惹き付ける特別な外見をしていたが、特別なのはそれだけではなかった。
彼女は前世の記憶を持っていたのだ。
そして彼女はこの世界が前世で遊んだ乙女ゲームが舞台なのだと気付く。
格好良い攻略対象たちに意地悪な悪役令嬢。
しかしその悪役令嬢がどうもおかしい。何もしてこないどころか性格さえも設定と違うようだ。
乙女ゲームのヒロインであるルーニーは腹を立てた。
“悪役令嬢が悪役をちゃんとしないからゲームのストーリーが進まないじゃない!”と。
怒ったルーニーは悪役令嬢を責める。
そして物語は動き出した…………──
※!!※細かい描写などはありませんが女性が酷い目に遭った展開となるので嫌な方はお気をつけ下さい。
※!!※『子供が絵本のシンデレラ読んでと頼んだらヤバイ方のシンデレラを読まれた』みたいな話です。
◇テンプレ乙女ゲームの世界。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げる予定です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる