73 / 87
73. 新たな風
しおりを挟む
朝を迎えるまでに、大量に血を失ったことで琥珀は息絶えた。依然として彼の亡骸は木の台に磔にされたままだった。一族全員と言ってもいい人数から刺された肉体は、見るも無残なものだった。しばらく見せしめのために晒された後、遺体は山に打ち捨てられ、異形によって骨まで食い尽くされる。
目を見開いたままうなだれる琥珀の死体を横目に、蘇芳は通り過ぎた。もはや何の感情もわかない。絶望に苛まれながら苦しみ抜いて死んだことを切に願うばかりだった。
一族の戦闘員は皆、黒鳶の屋敷の大広間に集まっていた。常の如く、上座に座る黒鳶を囲うようにコの字型に各自腰を落ち着けていた。
会合は、皆への労いと感謝の言葉で始まった。己が子が起こした戦争だ。親である黒鳶がどれ程心を痛めているか、想像を絶する。
通常であれば、依頼者からもらった報酬を戦果に応じて各自に分配する。だが今回の戦は完全に私情での戦争だ。雇い主は誰もいない。
「バトーが根城にしていたらしいクルクドゥアの城に金銀財宝がそっくりそのまま残されていた。もはやクルクドゥア一族に生き残りはいない。よって全て押収した。七割は號斑族に譲渡しようと思う」
鬼一族への宣戦行為はバトーを始めとする一部の過激派の独断専行で、號斑の総意ではない。むしろ號斑全体としては前頭目の穏健的な思想に追従する者が多い。望まぬ戦いに巻きこまれ、彼らもまた被害者だった。己が仲間の行き過ぎた行動を止められなかった責任はあるが、現頭目のバトーを見れば、逆らえばどうなるかは想像するに容易い。
仮にもバトーは號斑族の頭目だった。突然トップを失ったことで、少なからず一族は混乱に陥るだろう。バトーはクルクドゥア族だけでなく、赤足族をも滅ぼしてしまった。両一族と親交のあった多種族からの報復を受けるかもしれない。それも、主だった戦闘員がいなくなった状態でだ。だが幸いなことにクルクドゥアの遺産は莫大だ。七割を以ってすれば、一族の復興には十分だろうと黒鳶は踏んでいた。傭兵を雇うなり、居住地を移すなり、金さえあればどうにでもできる。
號斑族への、せめてもの償いだった。バトーと琥珀が結託した経緯は分からないものの、琥珀が號斑の男を焚きつけた可能性もある。
「異論のある者はいるだろうか」
鬼族の頭領は広間にいる全員の顔を見まわした。だが皆首を横に振り、誰一人として反対意見を口にする者はいなかった。
「残りの三割だが、通常通り報酬として皆に分配しようと思うが、それで良いか?」
「俺はいらねえ。バトーを討ち取れたことが何よりの褒美だ」
「私も必要ない」
いの一番に蘇芳が開口し、青藍がそれに続く。すると感化されたのか、そこかしこで報酬の受け取りを辞退する声が上がった。負傷者や戦死した者の家族への見舞金にしてほしいと言う意見が出ると、賛同の声が大きくなり、黒鳶はそれを承諾した。
「皆に聞いてもらいたいことがある」
黒鳶は改まった様子で、胡坐から正座に座り変えた。
「儂は、一族の頭領という地位を返上しようと思っている」
突拍子もない話に、当然の如く鬼達はざわついた。動揺を隠せず、誰もが取り乱している。
「親父…!?何を言ってやがんだ!?」
「そ、そうだぜ…。冗談にしちゃ質が悪いぜ親父!」
「いや、冗談ではない。琥珀の造反を知り、ずっと考えていた。此度の琥珀が起こした戦争は、親である儂の不届きが原因だ。皆に散々迷惑をかけ、死傷者まで出した責任は重い。己の子一人でさえ導けぬと言うのに、頭領など務まるはずもない」
「親父のせいなもんかよ!」
「全くだ!好きな奴に選ばれなかっただけで一族を逆恨みするなんざ、誰が予想できたってんだ?」
「…それでも、我が子のしたことだ。親が尻拭いをしてやらねばならんだろう」
鬼達の説得に、黒鬼は目を閉じ、ゆっくりと頭を横に振った。彼が冷静に言葉を紡げば紡ぐほど、配下は躍起になっていった。立ち上がり、頭領を取り囲む。
「何を言う!親父はちゃんと責任を果たしたじゃねえか。自分の子供とは言え、きちんと刑を受けさせ、親父も執行した。それだけで、十分だ!なあ、皆!」
初老の鬼の呼びかけに、皆が力強く頷く。親としての私情を挟むことなく、あくまで頭領として振舞った。皆が縋りつくように、黒鳶に頭領の任を継続するように懇願したが、彼の決心は揺るがないようだった。
「皆が許してくれても、儂自身が許せんのだ。皆の気持ち、感謝する。儂は果報者だ。最後まで親子共々、迷惑をかけてすまない」
床に額が触れてしまう程に深く土下座をする黒鳶に、鬼達もこれ以上の説得は無理だと悟る。期せずして、このまま次の頭領を決める運びになった。
「俺ァ、青藍が適任だと思う」
じっと黙って一連のやり取りを聞いていた蘇芳が不意に発言した。誰もが驚愕にあんぐりと口を開け、時が止まってしまったかのように静止した。どれだけ蘇芳と青藍が反目していたか、嫌と言う程知っているからだ。
全員の阿保面を意に介さず、蘇芳は話を続けた。
「一族の頭領には、冷静さが不可欠だと思ってる。どいつもこいつも血の気が多いしな。その点、青藍はいつでも冷静だろ。親父と同じく伝統を尊重するタイプでもあるだろ。それに今回の戦だって、琥珀を生け捕りにしたのも青藍だ。友人だったのにだ。私情に流されずに判断して行動する、非情さも持ち合わせてるってことだろ」
「…蘇芳。貴様、何か企んでいるのではあるまいな」
「はァ?んなつもりねえよ」
「…それとも、何か悪い物でも口にしたか。どこかに頭をぶつけたとか…」
「ねえって!テメェ、喧嘩売ってんのか」
全員の疑問を、他でもない青藍が代弁する。信じられないものを見るかのように目を見開いている青鬼に、蘇芳は盛大に顔をしかめた。
「すまない。そんなつもりは毛頭ない。…ただ、貴様が私を褒めるなど、天と地がひっくり返ってもあり得んことと思っていたのでな…」
「確かにしょっちゅう意見がぶつかってたけどな、俺が持ってねえものばかり持ってるお前のことは認めてんだよ。口には出さねえだけで」
「…だが、戦功で言えば蘇芳が突出しているだろう」
「俺は頭領って器じゃねえ。考えるよりも先に体が動いちまうし、どうしたって理性より感情が先行しちまう。俺が頭領なんかになってみろ。一代で破滅だぜ?のらりくらり、戦場で暴れまわる方が向いてる。それに、誰も俺について行こうなんざ思わねえよ」
なあ?、と蘇芳は皆に同意を求めた。戦闘員たちは誰も表立って同意はしなかったものの、苦々しい表情を浮かべていた。発言は無くとも、顔が全てを物語っている。
「…青藍であれば、儂も安心して里を任せられる」
「確かに。今までも青藍は親父の補佐的な立場だったしなあ」
「青藍以外に適任と思う奴もいないな」
あれよあれよという間に、青藍が次期頭領に担ぎ出されてしまった。本人は最初当惑していたものの、皆の期待のこもった眼差しを無下にできないのか、観念したように溜息を吐いた。
「わかった…。親父に比べれば力不足感は否めないが、出来得る限りやってみよう」
里の者達は、それでこそ青藍!と手のひらを返したように囃し始めた。青鬼はわざとらしく咳ばらいをし、調子のいい彼らを遮った。
「親父と蘇芳には相談役に就いてもらう」
「はっ?」
突然自分に矛先が向けられ、今度は蘇芳が阿呆面を晒すことになった。
「な、何言ってやがる。直感型で考えるのが苦手だって、ついさっき言ったばかりだろうが!なのに何で俺が相談役ってことになんだよっ」
「私は未熟ゆえ、頭領と言う大役は一人では到底務まらない。親父の知識や経験に基づいた助言が必要不可欠になる。だが私と親父は慎重派で理性的に行動しようとして、頭でっかちになりがちだ。それで判断を誤ったり、遅れたりもする。蘇芳の獣並みの直感が頼りになることもあるはずだ。今回のことが良い例だ。リュカが誘拐されたことに関して、すぐさま救出に向かうべきと主張する蘇芳に対し、私はそれに反対し、慎重な行動を求めた。結果、貴様は忠告を無視して単独で向かった訳だが、それが功を奏して、我々は琥珀の裏切りを知ることが出来た。もしあのまま状況が好転するのを待っていれば、我らは皆今頃全滅していたはずだ」
「…けどのう、青藍や。それは結果論にすぎんじゃろう。蘇芳の突っ走った行動は、危険なものであったことに変わりはない」
「確かにそうだ。だが議論の余地はあるだろう?様々な意見を聞き入れないなど、里が閉鎖的になってしまう」
「それもそうじゃが…」
老齢の鬼は渋面を浮かべながら、顎から垂れる豊かなヒゲを撫でつけている。理解はできるが、納得はできないようだ。
「私を信頼して頭領を任せてくれるのであれば、やり方も任せてもらいたい。親父とは全く同じやり方ではないし、戸惑わせることもきっとあるだろう。だが、里や一族のことを思う気持ちは皆と同じだ。皆や後世の為にも尽くしていく所存だ」
強い決意と意志が、態度や言葉からはっきりと伝わってくる。既に頭領たる真摯かつ堂々とした風格に、鬼達は思わず頷いて承諾していた。ただ一人、蘇芳だけがうなだれて頭を抱えている。一族に吹く新たな風に、黒鳶は穏やかな笑みを浮かべて青藍と蘇芳を見つめていたのだった。
目を見開いたままうなだれる琥珀の死体を横目に、蘇芳は通り過ぎた。もはや何の感情もわかない。絶望に苛まれながら苦しみ抜いて死んだことを切に願うばかりだった。
一族の戦闘員は皆、黒鳶の屋敷の大広間に集まっていた。常の如く、上座に座る黒鳶を囲うようにコの字型に各自腰を落ち着けていた。
会合は、皆への労いと感謝の言葉で始まった。己が子が起こした戦争だ。親である黒鳶がどれ程心を痛めているか、想像を絶する。
通常であれば、依頼者からもらった報酬を戦果に応じて各自に分配する。だが今回の戦は完全に私情での戦争だ。雇い主は誰もいない。
「バトーが根城にしていたらしいクルクドゥアの城に金銀財宝がそっくりそのまま残されていた。もはやクルクドゥア一族に生き残りはいない。よって全て押収した。七割は號斑族に譲渡しようと思う」
鬼一族への宣戦行為はバトーを始めとする一部の過激派の独断専行で、號斑の総意ではない。むしろ號斑全体としては前頭目の穏健的な思想に追従する者が多い。望まぬ戦いに巻きこまれ、彼らもまた被害者だった。己が仲間の行き過ぎた行動を止められなかった責任はあるが、現頭目のバトーを見れば、逆らえばどうなるかは想像するに容易い。
仮にもバトーは號斑族の頭目だった。突然トップを失ったことで、少なからず一族は混乱に陥るだろう。バトーはクルクドゥア族だけでなく、赤足族をも滅ぼしてしまった。両一族と親交のあった多種族からの報復を受けるかもしれない。それも、主だった戦闘員がいなくなった状態でだ。だが幸いなことにクルクドゥアの遺産は莫大だ。七割を以ってすれば、一族の復興には十分だろうと黒鳶は踏んでいた。傭兵を雇うなり、居住地を移すなり、金さえあればどうにでもできる。
號斑族への、せめてもの償いだった。バトーと琥珀が結託した経緯は分からないものの、琥珀が號斑の男を焚きつけた可能性もある。
「異論のある者はいるだろうか」
鬼族の頭領は広間にいる全員の顔を見まわした。だが皆首を横に振り、誰一人として反対意見を口にする者はいなかった。
「残りの三割だが、通常通り報酬として皆に分配しようと思うが、それで良いか?」
「俺はいらねえ。バトーを討ち取れたことが何よりの褒美だ」
「私も必要ない」
いの一番に蘇芳が開口し、青藍がそれに続く。すると感化されたのか、そこかしこで報酬の受け取りを辞退する声が上がった。負傷者や戦死した者の家族への見舞金にしてほしいと言う意見が出ると、賛同の声が大きくなり、黒鳶はそれを承諾した。
「皆に聞いてもらいたいことがある」
黒鳶は改まった様子で、胡坐から正座に座り変えた。
「儂は、一族の頭領という地位を返上しようと思っている」
突拍子もない話に、当然の如く鬼達はざわついた。動揺を隠せず、誰もが取り乱している。
「親父…!?何を言ってやがんだ!?」
「そ、そうだぜ…。冗談にしちゃ質が悪いぜ親父!」
「いや、冗談ではない。琥珀の造反を知り、ずっと考えていた。此度の琥珀が起こした戦争は、親である儂の不届きが原因だ。皆に散々迷惑をかけ、死傷者まで出した責任は重い。己の子一人でさえ導けぬと言うのに、頭領など務まるはずもない」
「親父のせいなもんかよ!」
「全くだ!好きな奴に選ばれなかっただけで一族を逆恨みするなんざ、誰が予想できたってんだ?」
「…それでも、我が子のしたことだ。親が尻拭いをしてやらねばならんだろう」
鬼達の説得に、黒鬼は目を閉じ、ゆっくりと頭を横に振った。彼が冷静に言葉を紡げば紡ぐほど、配下は躍起になっていった。立ち上がり、頭領を取り囲む。
「何を言う!親父はちゃんと責任を果たしたじゃねえか。自分の子供とは言え、きちんと刑を受けさせ、親父も執行した。それだけで、十分だ!なあ、皆!」
初老の鬼の呼びかけに、皆が力強く頷く。親としての私情を挟むことなく、あくまで頭領として振舞った。皆が縋りつくように、黒鳶に頭領の任を継続するように懇願したが、彼の決心は揺るがないようだった。
「皆が許してくれても、儂自身が許せんのだ。皆の気持ち、感謝する。儂は果報者だ。最後まで親子共々、迷惑をかけてすまない」
床に額が触れてしまう程に深く土下座をする黒鳶に、鬼達もこれ以上の説得は無理だと悟る。期せずして、このまま次の頭領を決める運びになった。
「俺ァ、青藍が適任だと思う」
じっと黙って一連のやり取りを聞いていた蘇芳が不意に発言した。誰もが驚愕にあんぐりと口を開け、時が止まってしまったかのように静止した。どれだけ蘇芳と青藍が反目していたか、嫌と言う程知っているからだ。
全員の阿保面を意に介さず、蘇芳は話を続けた。
「一族の頭領には、冷静さが不可欠だと思ってる。どいつもこいつも血の気が多いしな。その点、青藍はいつでも冷静だろ。親父と同じく伝統を尊重するタイプでもあるだろ。それに今回の戦だって、琥珀を生け捕りにしたのも青藍だ。友人だったのにだ。私情に流されずに判断して行動する、非情さも持ち合わせてるってことだろ」
「…蘇芳。貴様、何か企んでいるのではあるまいな」
「はァ?んなつもりねえよ」
「…それとも、何か悪い物でも口にしたか。どこかに頭をぶつけたとか…」
「ねえって!テメェ、喧嘩売ってんのか」
全員の疑問を、他でもない青藍が代弁する。信じられないものを見るかのように目を見開いている青鬼に、蘇芳は盛大に顔をしかめた。
「すまない。そんなつもりは毛頭ない。…ただ、貴様が私を褒めるなど、天と地がひっくり返ってもあり得んことと思っていたのでな…」
「確かにしょっちゅう意見がぶつかってたけどな、俺が持ってねえものばかり持ってるお前のことは認めてんだよ。口には出さねえだけで」
「…だが、戦功で言えば蘇芳が突出しているだろう」
「俺は頭領って器じゃねえ。考えるよりも先に体が動いちまうし、どうしたって理性より感情が先行しちまう。俺が頭領なんかになってみろ。一代で破滅だぜ?のらりくらり、戦場で暴れまわる方が向いてる。それに、誰も俺について行こうなんざ思わねえよ」
なあ?、と蘇芳は皆に同意を求めた。戦闘員たちは誰も表立って同意はしなかったものの、苦々しい表情を浮かべていた。発言は無くとも、顔が全てを物語っている。
「…青藍であれば、儂も安心して里を任せられる」
「確かに。今までも青藍は親父の補佐的な立場だったしなあ」
「青藍以外に適任と思う奴もいないな」
あれよあれよという間に、青藍が次期頭領に担ぎ出されてしまった。本人は最初当惑していたものの、皆の期待のこもった眼差しを無下にできないのか、観念したように溜息を吐いた。
「わかった…。親父に比べれば力不足感は否めないが、出来得る限りやってみよう」
里の者達は、それでこそ青藍!と手のひらを返したように囃し始めた。青鬼はわざとらしく咳ばらいをし、調子のいい彼らを遮った。
「親父と蘇芳には相談役に就いてもらう」
「はっ?」
突然自分に矛先が向けられ、今度は蘇芳が阿呆面を晒すことになった。
「な、何言ってやがる。直感型で考えるのが苦手だって、ついさっき言ったばかりだろうが!なのに何で俺が相談役ってことになんだよっ」
「私は未熟ゆえ、頭領と言う大役は一人では到底務まらない。親父の知識や経験に基づいた助言が必要不可欠になる。だが私と親父は慎重派で理性的に行動しようとして、頭でっかちになりがちだ。それで判断を誤ったり、遅れたりもする。蘇芳の獣並みの直感が頼りになることもあるはずだ。今回のことが良い例だ。リュカが誘拐されたことに関して、すぐさま救出に向かうべきと主張する蘇芳に対し、私はそれに反対し、慎重な行動を求めた。結果、貴様は忠告を無視して単独で向かった訳だが、それが功を奏して、我々は琥珀の裏切りを知ることが出来た。もしあのまま状況が好転するのを待っていれば、我らは皆今頃全滅していたはずだ」
「…けどのう、青藍や。それは結果論にすぎんじゃろう。蘇芳の突っ走った行動は、危険なものであったことに変わりはない」
「確かにそうだ。だが議論の余地はあるだろう?様々な意見を聞き入れないなど、里が閉鎖的になってしまう」
「それもそうじゃが…」
老齢の鬼は渋面を浮かべながら、顎から垂れる豊かなヒゲを撫でつけている。理解はできるが、納得はできないようだ。
「私を信頼して頭領を任せてくれるのであれば、やり方も任せてもらいたい。親父とは全く同じやり方ではないし、戸惑わせることもきっとあるだろう。だが、里や一族のことを思う気持ちは皆と同じだ。皆や後世の為にも尽くしていく所存だ」
強い決意と意志が、態度や言葉からはっきりと伝わってくる。既に頭領たる真摯かつ堂々とした風格に、鬼達は思わず頷いて承諾していた。ただ一人、蘇芳だけがうなだれて頭を抱えている。一族に吹く新たな風に、黒鳶は穏やかな笑みを浮かべて青藍と蘇芳を見つめていたのだった。
21
あなたにおすすめの小説
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
側近候補を外されて覚醒したら旦那ができた話をしよう。
とうや
BL
【6/10最終話です】
「お前を側近候補から外す。良くない噂がたっているし、正直鬱陶しいんだ」
王太子殿下のために10年捧げてきた生活だった。側近候補から外され、公爵家を除籍された。死のうと思った時に思い出したのは、ふわっとした前世の記憶。
あれ?俺ってあいつに尽くして尽くして、自分のための努力ってした事あったっけ?!
自分のために努力して、自分のために生きていく。そう決めたら友達がいっぱいできた。親友もできた。すぐ旦那になったけど。
***********************
ATTENTION
***********************
※オリジンシリーズ、魔王シリーズとは世界線が違います。単発の短い話です。『新居に旦那の幼馴染〜』と多分同じ世界線です。
※朝6時くらいに更新です。
囚われ王子の幸福な再婚
高菜あやめ
BL
【理知的美形王子×痛みを知らない異能王子】
触れた人の痛みは感じても、自分の痛みに気づけない──そんな異能を持つ王子カシュアは、政略結婚で嫁いだ異国で幽閉され、四年間忘れられていた。
彼が再び人前に姿を現したのは、クーデターの混乱のさなか。そして、存在を持て余された末、次期宰相である王子との再婚が決まる。
冷静で無口な王子が、なぜかカシュアにだけは優しいのは、かつて彼が妖精物語に恋をした少年だったから――不器用な王子とともに、愛をたしかめ合うストーリー。※2025/11/26第三部スタート
あなたの隣で初めての恋を知る
彩矢
BL
5歳のときバス事故で両親を失った四季。足に大怪我を負い車椅子での生活を余儀なくされる。しらさぎが丘養護施設で育ち、高校卒業後、施設を出て一人暮らしをはじめる。
その日暮らしの苦しい生活でも決して明るさを失わない四季。
そんなある日、突然の雷雨に身の危険を感じ、雨宿りするためにあるマンションの駐車場に避難する四季。そこで、運命の出会いをすることに。
一回りも年上の彼に一目惚れされ溺愛される四季。
初めての恋に戸惑いつつも四季は、やがて彼を愛するようになる。
表紙絵は絵師のkaworineさんに描いていただきました。
六年目の恋、もう一度手をつなぐ
高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。
順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。
「もう、おればっかりが好きなんやろか?」
馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。
そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。
嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き……
「そっちがその気なら、もういい!」
堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……?
倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる