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35. 大鷲からの贈り物
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「殿下」
いつものように執務室で大量の報告書に目を通していると、どこか慌てた様子でアサドが入ってきた。手に書類を持っている。至急対処が必要な事態が起こったのかと、無意識に身構える。
「分かりました。ヨーム老のことが」
予想外の報告だった。アサドに命じて学術院の名簿をあたらせていたが、こうも早く結果が出るとは思っていなかった。机上に広げられた紙を覗きこむ。
ギョルム・ギュンドアン。そこに載っている名前を目にした瞬間、オルヴァルは思わず頭を抱えた。
「ローディルは養父がヨームと呼ばれていたと言っていましたが、響きが似ているので聞き間違えていてもおかしくないかと。それから裏付けのため、傭兵団にシオネ村の人々に聞き取りをしてもらいました。シオネ村に住み着いた時期も王都を去った時期と合致しますし、村人の語る容貌も彼に酷似しています。裏山に住む風変わりは他にいないため、村人もはっきり覚えていたようです。一人暮らしていたはずが、いつのまにか子供が増えていたと」
「嘘であればどんなにいいか…。運命の悪戯にしても質が悪すぎる」
オルヴァルは重々しい溜め息を吐きながら、背もたれに体を預けて天を仰いだ。視界の端でアサドが頷くのが見える。
「殿下、ローディルには…」
「話さない」
天井を見つめたまま、はっきりと発言する主君に対し、臣下は床に視線を落とした。
「真実は時に残酷で、知らなければ良かったと思うこともあります。ですが、どうして老父がシオネ村に至ったか、死に場所を探していたのか、ローディルにはその理由を知る権利があります」
「その通りだ。俺は何も一生隠しておくつもりじゃない。時機を見て、どうしたいかローディルの意志を確認するつもりだ」
「今はまだその時機ではないと?」
「ついこの間までローディルは不安定な状態だったんだ。話せば、また彼の心を乱すことになる。それはお前の本意でもないだろう?」
「ええ。出来ればローディルが悲しむ姿は見たくないです。…ですが、隠しておいても、結局傷つけることにはなりませんか?本人は、もっと早く言って欲しかったと思うかもしれません」
「早く言おうが言わまいが、どちらにせよローディルは傷つく。ヨーム老が王都を追放され、死に場所を探してシオネ村に行き着いた原因が俺達にあると知ればな」
「殿下に直接の責任は…」
アサドは主君に慰めの言葉をかけるも、オルヴァルにとっては気休めにしかならなかった。
「とにかく、この事は俺とお前の胸の中に留めるだけにしろ」
「…エミルにも内密に?」
「エミルは正直だからな。隠し事をしているのが顔に出るだろう」
「そうですね。承知しました」
オルヴァルはギョルムに関する報告書を引き出しの中にしまうと、厳重に鍵をかけた。
「…本音を言うと、ローディルのためだけではないな。俺が臆病なのもある」
オルヴァルの呟きに、アサドは顔を上げた。
「俺がまだ、ローディルに嫌われる準備が出来ていない。あの純粋な獣に軽蔑の目を向けられるのかと想像するだけで、体が竦む思いがする」
寂しそうな顔で自嘲の笑みをこぼす彼に、臣下の胸は痛んだ。彼の気持ちは痛い程に理解できたが、何と言葉をかけてよいかわからなかった。
***********
ローディルは自室に備え付けられた書棚に、老父の遺品である本を並べた。本の背表紙を指でそっと撫でる。きゅっと胸をしめつけられる思いがして、ゆっくりと息を吐いた。老父との楽しかった日々をどうしても思い出してしまう。
感傷的な気持ちになりそうな自分の頬を両手で叩いて叱咤する。ロティの姿になって遊びに行こうと思い、服を脱ごうとしているとコツコツとガラスを叩くような音が聞こえた。
ふとバルコニーに視線をやると、見覚えのある鷲がいた。まるでローディルの気を惹きたいかのように、鉤爪で窓ガラスをノックする。
「お前、あの時の鷲だな!また来たのか!」
ローディルは窓に近づき、しゃがみこんで真正面から鷲を見つめた。しゃがむ青年と同じ背丈と言って良い程に、鷲は巨大だ。大きく口を開け両手を掲げておどかしてみても、鷲が怯む様子はない。むしろ目の前の人間は何をやっているんだ、と言わんばかりに首を傾げている。
「なんか嫌な感じ~…。人間のこと全然怖がらねーし」
馬鹿にされている印象を受け、ローディルはむっつりと唇を尖らせた。なんだか悔しくて、百面相をして見せたが、鷲の態度は変わらなかった。
「お前、俺のことおちょくるために来たのか?残念だけど、俺今から遊びに行くんだ」
じゃあな、と声をかけて離れようとすると、鷲は何かを訴えかけるような鳴き声を上げた。それから鉤爪で窓を叩く。まるで開けてくれとでも言っているかのようだ。それを何度か繰り返した後、鷲はバルコニーの手すりの上に移動した。
ローディルは、不思議な感覚に見舞われた。手が勝手に取っ手にかかり、ガラス戸を開けてバルコニーに出ていた。まるで鷲に導かれるかのように。
(間近で見ると、かっこいいな…真っ白な毛と黒い体に、嘴の黄色がはっきりしてて)
猛禽類最強とも言われる鷲の全身からにじみ出る風格は堂々としたものだ。うっとりと見つめながら、気づけばローディルは手を伸ばしていた。そっと胸に触れるが、鷲に嫌がる様子はない。毛並みは硬質そうだが、触れると意外に柔らかくふわふわとしていて、ローディルは驚いた。
しばらく柔らかな羽毛を撫でていると、大鷲は翼を広げて羽ばたかせた。突然の行動に驚いてしまい、青年は尻もちをついてしまう。
「うわ、わっ!ごめん、ごめんなさいっ!調子に乗って触りすぎた!」
ただでさえ大きいのに、翼を広げた状態だとローディルの大きさを優に超える。相手は猛禽類。襲われたらひとたまりもないだろう。ローディルは完全に臆してしまい、両腕で頭をかばった。ぎゅっと目を閉じて、体を縮こまらせる。
だがいつまで経っても、思っていたような衝撃はなく、ローディルはゆっくりと目を開けた。手すりにいたはずの大鷲が、いつの間にかすぐ傍にいた。黄色い大きな嘴に、これまた大きく立派な黒い羽根をくわえている。
「…あれ、俺のこと、つつかない…?」
恐る恐る聞いてみると、鷲は羽根をローディルの足元に置いた。くれるのか?と問えば、そうだと言わんばかりに鳴き声を上げている。
「あ、この前も羽根くれたよな?部屋の中に入ってきてたけど」
羽根を拾い上げてまじまじと見つめる。角度を変えると羽根の色が変わるそれは、太陽の光を受けるととても鮮やかだ。鼻に近づけて嗅いでみるも、やはり匂いはしない。
「お前って、変わってるな。鷲なのに全然動物っぽい匂いがしない。あとさ、なんでこの前も今日も羽根くれたんだ?」
人語を喋れないのは分かっていながらも、ローディルは鷲に話しかけていた。喋れなくても、何となく目の前の大型猛禽類はこちらの言うことを理解しているように思えたのだ。
だが鷲は青年の問いに何の反応も示さず、手すりに乗り上げた。別れ際の挨拶でもするかのように、彼に向かって短く鳴いたと思うと大きな翼をはためかせて飛び去った。
風を味方につけ、よく晴れた空を自由気ままに滑空する様は、惚れぼれする程の美しさだ。鷲の姿が見えなくなるまで空を見つめていたローディルは、羽根を手に室内に戻った。老父の本の隣に置く。
「オルヴァルのベッドの下に置いたままの羽根も、そのうち取りに行かなきゃな」
ローディルは服を脱ぎ、たたんでベッドの上に置いた。裸のままで扉を開き、廊下に誰もいないことを確認する。くしゃみをして獣に変身した彼は、室外に出て体で体当たりをするように扉を閉めた。
これでよし、とローディルは満足気に頷き、廊下を走って遊びに出たのだった。
いつものように執務室で大量の報告書に目を通していると、どこか慌てた様子でアサドが入ってきた。手に書類を持っている。至急対処が必要な事態が起こったのかと、無意識に身構える。
「分かりました。ヨーム老のことが」
予想外の報告だった。アサドに命じて学術院の名簿をあたらせていたが、こうも早く結果が出るとは思っていなかった。机上に広げられた紙を覗きこむ。
ギョルム・ギュンドアン。そこに載っている名前を目にした瞬間、オルヴァルは思わず頭を抱えた。
「ローディルは養父がヨームと呼ばれていたと言っていましたが、響きが似ているので聞き間違えていてもおかしくないかと。それから裏付けのため、傭兵団にシオネ村の人々に聞き取りをしてもらいました。シオネ村に住み着いた時期も王都を去った時期と合致しますし、村人の語る容貌も彼に酷似しています。裏山に住む風変わりは他にいないため、村人もはっきり覚えていたようです。一人暮らしていたはずが、いつのまにか子供が増えていたと」
「嘘であればどんなにいいか…。運命の悪戯にしても質が悪すぎる」
オルヴァルは重々しい溜め息を吐きながら、背もたれに体を預けて天を仰いだ。視界の端でアサドが頷くのが見える。
「殿下、ローディルには…」
「話さない」
天井を見つめたまま、はっきりと発言する主君に対し、臣下は床に視線を落とした。
「真実は時に残酷で、知らなければ良かったと思うこともあります。ですが、どうして老父がシオネ村に至ったか、死に場所を探していたのか、ローディルにはその理由を知る権利があります」
「その通りだ。俺は何も一生隠しておくつもりじゃない。時機を見て、どうしたいかローディルの意志を確認するつもりだ」
「今はまだその時機ではないと?」
「ついこの間までローディルは不安定な状態だったんだ。話せば、また彼の心を乱すことになる。それはお前の本意でもないだろう?」
「ええ。出来ればローディルが悲しむ姿は見たくないです。…ですが、隠しておいても、結局傷つけることにはなりませんか?本人は、もっと早く言って欲しかったと思うかもしれません」
「早く言おうが言わまいが、どちらにせよローディルは傷つく。ヨーム老が王都を追放され、死に場所を探してシオネ村に行き着いた原因が俺達にあると知ればな」
「殿下に直接の責任は…」
アサドは主君に慰めの言葉をかけるも、オルヴァルにとっては気休めにしかならなかった。
「とにかく、この事は俺とお前の胸の中に留めるだけにしろ」
「…エミルにも内密に?」
「エミルは正直だからな。隠し事をしているのが顔に出るだろう」
「そうですね。承知しました」
オルヴァルはギョルムに関する報告書を引き出しの中にしまうと、厳重に鍵をかけた。
「…本音を言うと、ローディルのためだけではないな。俺が臆病なのもある」
オルヴァルの呟きに、アサドは顔を上げた。
「俺がまだ、ローディルに嫌われる準備が出来ていない。あの純粋な獣に軽蔑の目を向けられるのかと想像するだけで、体が竦む思いがする」
寂しそうな顔で自嘲の笑みをこぼす彼に、臣下の胸は痛んだ。彼の気持ちは痛い程に理解できたが、何と言葉をかけてよいかわからなかった。
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ローディルは自室に備え付けられた書棚に、老父の遺品である本を並べた。本の背表紙を指でそっと撫でる。きゅっと胸をしめつけられる思いがして、ゆっくりと息を吐いた。老父との楽しかった日々をどうしても思い出してしまう。
感傷的な気持ちになりそうな自分の頬を両手で叩いて叱咤する。ロティの姿になって遊びに行こうと思い、服を脱ごうとしているとコツコツとガラスを叩くような音が聞こえた。
ふとバルコニーに視線をやると、見覚えのある鷲がいた。まるでローディルの気を惹きたいかのように、鉤爪で窓ガラスをノックする。
「お前、あの時の鷲だな!また来たのか!」
ローディルは窓に近づき、しゃがみこんで真正面から鷲を見つめた。しゃがむ青年と同じ背丈と言って良い程に、鷲は巨大だ。大きく口を開け両手を掲げておどかしてみても、鷲が怯む様子はない。むしろ目の前の人間は何をやっているんだ、と言わんばかりに首を傾げている。
「なんか嫌な感じ~…。人間のこと全然怖がらねーし」
馬鹿にされている印象を受け、ローディルはむっつりと唇を尖らせた。なんだか悔しくて、百面相をして見せたが、鷲の態度は変わらなかった。
「お前、俺のことおちょくるために来たのか?残念だけど、俺今から遊びに行くんだ」
じゃあな、と声をかけて離れようとすると、鷲は何かを訴えかけるような鳴き声を上げた。それから鉤爪で窓を叩く。まるで開けてくれとでも言っているかのようだ。それを何度か繰り返した後、鷲はバルコニーの手すりの上に移動した。
ローディルは、不思議な感覚に見舞われた。手が勝手に取っ手にかかり、ガラス戸を開けてバルコニーに出ていた。まるで鷲に導かれるかのように。
(間近で見ると、かっこいいな…真っ白な毛と黒い体に、嘴の黄色がはっきりしてて)
猛禽類最強とも言われる鷲の全身からにじみ出る風格は堂々としたものだ。うっとりと見つめながら、気づけばローディルは手を伸ばしていた。そっと胸に触れるが、鷲に嫌がる様子はない。毛並みは硬質そうだが、触れると意外に柔らかくふわふわとしていて、ローディルは驚いた。
しばらく柔らかな羽毛を撫でていると、大鷲は翼を広げて羽ばたかせた。突然の行動に驚いてしまい、青年は尻もちをついてしまう。
「うわ、わっ!ごめん、ごめんなさいっ!調子に乗って触りすぎた!」
ただでさえ大きいのに、翼を広げた状態だとローディルの大きさを優に超える。相手は猛禽類。襲われたらひとたまりもないだろう。ローディルは完全に臆してしまい、両腕で頭をかばった。ぎゅっと目を閉じて、体を縮こまらせる。
だがいつまで経っても、思っていたような衝撃はなく、ローディルはゆっくりと目を開けた。手すりにいたはずの大鷲が、いつの間にかすぐ傍にいた。黄色い大きな嘴に、これまた大きく立派な黒い羽根をくわえている。
「…あれ、俺のこと、つつかない…?」
恐る恐る聞いてみると、鷲は羽根をローディルの足元に置いた。くれるのか?と問えば、そうだと言わんばかりに鳴き声を上げている。
「あ、この前も羽根くれたよな?部屋の中に入ってきてたけど」
羽根を拾い上げてまじまじと見つめる。角度を変えると羽根の色が変わるそれは、太陽の光を受けるととても鮮やかだ。鼻に近づけて嗅いでみるも、やはり匂いはしない。
「お前って、変わってるな。鷲なのに全然動物っぽい匂いがしない。あとさ、なんでこの前も今日も羽根くれたんだ?」
人語を喋れないのは分かっていながらも、ローディルは鷲に話しかけていた。喋れなくても、何となく目の前の大型猛禽類はこちらの言うことを理解しているように思えたのだ。
だが鷲は青年の問いに何の反応も示さず、手すりに乗り上げた。別れ際の挨拶でもするかのように、彼に向かって短く鳴いたと思うと大きな翼をはためかせて飛び去った。
風を味方につけ、よく晴れた空を自由気ままに滑空する様は、惚れぼれする程の美しさだ。鷲の姿が見えなくなるまで空を見つめていたローディルは、羽根を手に室内に戻った。老父の本の隣に置く。
「オルヴァルのベッドの下に置いたままの羽根も、そのうち取りに行かなきゃな」
ローディルは服を脱ぎ、たたんでベッドの上に置いた。裸のままで扉を開き、廊下に誰もいないことを確認する。くしゃみをして獣に変身した彼は、室外に出て体で体当たりをするように扉を閉めた。
これでよし、とローディルは満足気に頷き、廊下を走って遊びに出たのだった。
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